投資情報部　鈴木　英之

■SBI証券ではじめてお取引された方に人気の銘柄ランキング（現物）
2024年3月の第1位は、11ヵ月続けて日本電信電話（9432）になりました。6月29日を権利落ち日とする1対25の株式分割を経て、単元株あたりの売買金額が小さくなり、売買高は分割前より急増しており、はじめての取引で買い付けた投資家が増えています。予想配当利回りが3月権利付き最終日時点で2.7%と高めで、配当取りの対象になった面もありそうです。2年以上継続保有の株主にdポイントが付与される株主優待も実施予定です。第2位も、上位としては「常連」の三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ（8306）がランクインしました。生活に密着した金融サービスを展開していること、３メガバンクの中で単元株あたりの売買金額が小さいこと、予想配当利回りが高いこと等が人気の背景で、上位が定着しつつあるようです。日銀のゼロ金利解除が有力視され、3月8日に高値を付けるなど、物色対象としてもにぎわいました。第3位はパーソナルトレーニングジムなどを営むＲＩＺＡＰグループ（2928）が新規ランクインしました。2月上旬に特別優待、半ばに赤字縮小を見込む上方修正を発表し、3月5日に年初来高値を付けました。その後、立会外分売の実施等もあり、3月11日に当面の安値を付けましたが、その後は持ち直しました。株価が大きく動いたことで3月上旬を中心に売買が盛り上がりました。

　■SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング（信用）
2024年3月の第1位は三井Ｅ＆Ｓ（7003）で、2月の第7位からトップ奪取となりました。2月14日の業績予想上方修正以降人気化し、3月8日に年初来高値を付ける展開になりました。第3位には小林製薬（4967）が新規でランクインとなりました。3月22日に米麹関連商品の自主回収を発表し、先行き不透明感から3月26日に年初来安値を付ける展開になりました。株価急落でリバウンドを狙う買いが入ったものとみられます。第6位にはさくらインターネット（3778）が新規でランクインしました。2月20日国産クラウド育成を目的に経産省から補助金を受け取るとのニュースがあり、3月7日に年初来高値を付けました。

■SBI証券の売買代金ランキング
当ランキングについては、「買い」・「売り」ともに同じ順位になる銘柄がほとんどでしたので断りのない限り、「買い」・「売り」同順位とします。第1位は半導体製造装置のレーザーテック（6920）となりました。ディーリング人気が継続しており、常にトップが続いています。米半導体株指数が上旬に高値を付けるなど堅調に推移し、半導体株全体が堅調に推移したことも追い風でした。第2位は「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」（1570）、第3位は川崎汽船（9107）で、前月と順位が変わりませんでした。第5位には、SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング（信用）でトップになった三井Ｅ＆Ｓ（7003）がここで新規ランクインとなりました。人気化を受け3月は信用買い残・売り残ともに増加し、一時信用規制銘柄になる場面もみられました。

■SBI証券のETF/ETN人気ランキング
第1位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 （1570）、第2位はグローバルＸ　半導体関連-日本株式　ＥＴＦ（2644）、第3位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 （1357）、第4位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均高配当株50指数連動型投信（1489）が入りました。ここまでは先月と順位は変わりませんでした。

　■SBI証券のREIT人気ランキング
第1位はＳＯＳｉＬＡ物流リート投資法人　投資証券（2979）が前月の第9位からトップなりました。第2位は三菱地所物流リート投資法人　投資証券（3481）が新規にランクインしました。2024年4月から本格化する「2024年問題」を控え、物流施設への関心が高まり、物流リートが人気化した可能性がありそうです。