皆さん、こんにちは。
トランプ米大統領が1月20日に就任して僅か1週間が過ぎただけですが、世界は混乱の渦に巻き込まれたような様相を呈しています。
トランプ新政権は、環太平洋経済連携協定(TPP)からの完全離脱やメキシコとの国境の壁建設など掲げていた公約の実行に突き進み、米国内にとどまらず米国外にも摩擦を引き起こしています。
トランプ大統領が推進する保護主義的な通商政策に対しマーケットは嫌気してリスクオフの動きとなりましたが、オバマ前大統領政権時に却下されていた2件の原油パイプライン建設計画の推進や、米自動車大手3社の経営トップとの会談などの経済政策に対してはリスクオンの動きとなり、ダウ工業株30種平均やナスダック総合指数などは史上最高値を更新し、ダウは史上初めて2万ドルを突破しました。
米国の16年10〜12月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年換算で前期比1.9%増と、前期の3.5%増からは伸びが鈍化しましたが、トランプ大統領の規制緩和などの経済政策に対する期待感は強く大きく売り込まれる材料にはなっていないようです。
今後の懸念材料は通商政策となりそうです。メキシコ国境に壁を建設する大統領令に著名したために、メキシコのペニャニエト大統領との会談は中止となりました。米商務省は新政権で初めて、中国製のダイヤに最大22.57%の反ダンピング(不当廉売)税を課すことを決定しました。中国が報復措置に動けば米企業への影響は甚大だという市場関係者の見方もあるようです。
トランプ米大統領が27日に署名した難民や「テロ懸念国」の入国制限する大統領令に伴い、米メディアによると200名超の方が、米国への入国や米国行き飛行機の搭乗を拒否され、米空港でも拘束者が出ているようです。トランプ大統領は29日、ツイッターに「われわれの国には今こそ、強固な国境と究極の入国審査が必要だ」と投稿しました。全米では国際空港や各地で大規模な抗議デモが起きているようです。
今週もトランプ大統領に対する大きな期待感と大いなる懸念という、リスクオン・オフの両面によりマーケットが乱高下していく展開が続きそうですね。
週間の概況
□注目イベント
2月1日(水)(米国)ADP全国雇用者数
2月1日(水)(米国)1月ISM製造業景況指数
2月1日(水)(米国)FOMC政策金利発表
2月2日(木)(英国)英中銀BOE政策金利発表
2月2日(木)(米国)新規失業保険申請件数
2月3日(金)(中国) 1月財新/製造業PMI
2月3日(金)(米国)雇用統計
2月3日(金)(米国)ISM非製造業景況指数
2月7日(火)(豪国)豪中銀(RBA)政策金利発表
*今週は日米の金融政策に注目です。FOMCでは政策金利の据え置きが予想されております。政策金利のサプライズは無さそうですが、イエレンFRB議長の記者会見がないので声明文の内容に注目が集まりそうです。そして、週末の米雇用統計の結果は大注目ですが、旧正月明けの中国の経済発表にも注目です。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
■現在のステージ
ステージ1
ステージ1は安定上昇期です。ステージ1からステージ2、そして、逆行してステージ1と押し目買いの流れが続いています。
■今後を読み取る鍵
1→2→1の押し目買いの流れが続いています。帯が拡大するのかどうか、傾きがでてくるのかどうかに注目です。
・中期移動平均線と長期移動平均線の帯に傾きが出てきて、帯が拡大してくるとトレンドに勢いが出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
■重要な価格
高値19709円 安値18643円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
■現在のステージ
ステージ1
ステージ1は安定上昇期です。ステージ1からステージ2、そして、逆行してステージ1と押し目買いの流れとなりました。
■今後を読み取る鍵
1→2→1の押し目買いの流れとなりました。現在史上最高値圏ではありますが、ここから更に帯が拡大するのかどうか、傾きがでてくるのかどうかに注目です。
・中期移動平均線と長期移動平均線の帯に傾きが出てきて、帯が拡大してくるとトレンドに勢いが出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
■重要な価格
高値20159ドル 安値19682ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味がある。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
予想ではなく、確率をベースにトレードで勝つためには、まずは、大数の法則を理解しましょう。
コインを投げて表が出る確率は2分の1です。しかし、2回コインを投げれば必ず1回は表が出るとは限りません。5回投げて1回も表が出ないこともあるかもしれませんし、その逆で3回、4回と連続で表が出ることもあるかもしれません。では、ここでの2分の1の確率とはどういう意味でしょうか。
それは、2回コインを投げても1回必ず表が出るかどうかはわかりませんが、500回投げれば表が出る回数は250回に、1000回投げれば500回に近づくように、それぞれの、確率を計算すると、投げる回数が多くなればなるほど、2分の1という理論上の値に近づくということで、これを「大数の法則」と言います。
投資の世界でも大数の法則は有効です。例えば、コインを投げて表が出れば3万円もらえるという賭けで、1回の挑戦で1万円必要です。表が出る確率は2分の1ですので、2回投げれば表が出て3万円もらえる。つまり、2回の挑戦で2万円の資金が必要ですが、表が出たら3万円もらえますので、「3万円-2万円=1万円」ですので、これは有利な賭けとなります。
当然、2回投げても4回投げても1回も表が出ない場合もあるでしょうが、500回、1000回と投げれば最終的には高い確率で勝ちにつながります。これが「エッジがある」状態で「大数の法則で勝つ」ということです。
皆様もトレードエッジのあるところを見つけていけば、大数の法則に則っている以上、トレード全体としては勝てる可能性が高まります。
では最後に一つ質問です。どちらか好きな方を選択してください。一つは、必ず100万円貰えます。もう一つは150万円貰えますが、20%の確率で1円も貰えません。皆様はどちらを選択されますか。次週はその辺りをもう少し掘り下げてみたいと思います。
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。