皆さん、こんにちは。
日本の安倍晋三首相と米国のドナルド・トランプ大統領がワシントンで日米首脳会談を行い、そこからフロリダに大統領専用機「エアフォースワン」で移動し、ゴルフや夕食会などを行いました。
米国のトランプ大統領は2/10(金)の日米首脳会談後の共同記者会見で、早くも安倍晋三首相との「親密」な関係をアピールし、日米両国の経済関係を強化していくことを確認しました。
直近の米国 新規失業保険申請件数が記録的に低水準だったことや、トランプ大統領と米航空大手のトップらとの会談で、税制や航空インフラに関連し「2〜3週間以内に驚くべき発表をする」と発言しており、大規模な減税策が打ち出されるとの期待感などから、ダウ工業株30種平均は最高値を更新しました。
また、トランプ大統領は中国の習近平国家主席との電話会談で、中国と台湾は不可分とする「一つの中国」の原則を堅持する考えを伝え、中国との融和ムードが保護主義の懸念を後退させました。
トランプ大統領による外交・通商に対する懸念は続きそうですが、欧州においても政局に対する懸念が高まっています。今年の欧州は選挙ラッシュの年であり、オランダ総選挙やフランス大統領選挙、イタリア、ドイツと選挙が続きます。
フランス大統領選挙で最有力候補とみられていた共和党候補のフィヨン元首相が、家族の不正給与受給というスキャンダルで窮地に立たされる中、反グローバル化を掲げる極右政党「国民戦線(FN)」のルペン候補に追い風が吹いているとして、仏大統領選に対する懸念がリスクオフの要因となってきています。
昨年の英国のEU離脱やトランプ大統領当選など、政治的なサプライズがあっただけに投資家の不安は強いようです。
欧米の不安や懸念が残るなかでも、米国の株式市場は最高値を更新しています。相場格言で「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観と共に成熟し、幸福感の中で消えていく」という言葉がありますが、今はどの段階なのでしょうね。
週間の概況
◆注目イベント
2月15日(水)(英国)1月英雇用統計
2月15日(水)(英国)12月ILO失業率
2月15日(水)(ユーロ圏)12月圏貿易収支・季調前
2月15日(水)(米国)2月NY連銀製造業景況指数
2月15日(水)(米国)1月消費者物価指数
2月15日(水)(米国)1月小売売上高
2月15日(水)(米国)1月鉱工業生産
2月15日(水)(米国)1月設備稼働率
2月15日(水)(米国)2月NAHB住宅市場指数
2月15日(水)(米国)12月企業在庫
2月16日(木)(米国)12月対米証券投資
2月16日(木)(米国)1月住宅着工件数
2月16日(木)(米国)1月建設許可件数
2月16日(木)(米国)新規失業保険申請件数
2月16日(木)(米国)2月フィラデルフィア連銀製造業指数
2月17日(金)(英国)1月小売売上高
2月17日(金)(ユーロ圏)12月建設支出
2月20日(月)(日本)1月貿易収支
2月20日(月)(独国)1月生産者物価指数
2月20日(月)(ユーロ圏)2月消費者信頼感・速報値
2月21日(火)(豪国)RBA議事録
2月21日(火)(独国)2月製造業PMI・速報
2月21日(火)(独国)2月サービス業PMI・速報
2月21日(火)(ユーロ圏)2月圏製造業PMI・速報
2月21日(火)(ユーロ)2月圏サービス業PMI・速報
*今週は14日、15日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言での発言に注目が集まります。米国の消費者物価指数や小売売上高、新規失業保険申請件数などが注目材料となりそうです。来週はドイツやユーロ圏のPMIに注目ですね。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ1
ステージ1は安定上昇期です。ステージ1からステージ2、そして、逆行してステージ1と押し目買いの流れが続いています。
◆今後を読み取る鍵
1→2→1の押し目買いの流れが続いています。帯が拡大するのかどうか、傾きがでてくるのかどうかに注目です。
・中期移動平均線と長期移動平均線の帯に傾きが出てきて、帯が拡大してくるとトレンドに勢いが出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値19,709円 安値18,643円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ1
ステージ1は安定上昇期です。ステージ1からステージ2、そして、逆行してステージ1と押し目買いの流れとなりました。
◆今後を読み取る鍵
1 → 2 → 1 の押し目買いの流れとなりました。現在高値圏ではありますが、ここから更に帯が拡大するのかどうか、傾きが出てくるのかどうかに注目です。
・中期移動平均線と長期移動平均線の帯に傾きが出てきて、帯が拡大してくるとトレンドに勢いが出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値20,159ドル 安値19,682ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
先週は行動経済学のプロスペクト理論の話をしました。そして、利益に対しては確実に手に入れたい心理から利食いは小さく、損失に対してはギャンブル性が高くなり損が大きくなる傾向があるということを記載しました。
今週も行動経済学の一つであるフレーミング効果について学んでいきましょう。
「プレゼンテーションの仕方が変われば、異なった意思決定がされてしまう」ことを、フレーミング効果といいます。
例えば、「給料の20%は貯金するように」という言い方での感じ方と、「給料の80%で生活をして残りを貯金するように」という言い方での感じ方では、意思決定が変わってしまう事があるということです。
「この手術の死亡率は10%です」という言い方と、「この手術の生存率は90%です」という言い方では感じ方が違うのではないでしょうか。
相場の分析においては、大きく分けてファンダメンタル分析とテクニカル分析があります。
ファンダメンタル分析は、景気の動向や企業の財務内容や業績見通し、また、金融情勢や海外の経済動向など、非常に広い範囲の材料から将来を予測します。
一方、テクニカル分析は、過去のチャートの動きから将来の価格を予測していきます。
マーケットには、日々たくさんの材料やニュースが舞い込んできますが、投資家の方々がそれをどう受け止めるかは人によって違ってくると思われます。そこが、ファンダメンタル分析の難しいところではないでしょうか。同じニュースや材料でも表現の仕方、見方次第では、買い材料にも売り材料にもなってしまうという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
チャートからトレードエッジのあるところを見つけていけば、大数の法則に則っている以上、トレード全体としては勝てる可能性が高まります。日々の材料に振り回されないようにしていきましょう。
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。