皆さん、こんにちは。
米商務省が発表した5月の耐久財受注額(季節調整済み)は、前月比1.1%減と市場予想よりも悪い結果となり、また、設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財受注も予想に反してマイナスとなりました。
米連邦最高裁はイスラム圏6カ国からの入国禁止令の条件付きで承認を決めました。今回の判断は暫定となり10月に審問を開き最終判断されるとのことです。移民の人材活用が進んでいるハイテク企業の株価が売られる展開となりました。
イタリア政府は多額の不良債権で経営が行き詰った地方銀行2行の破たん処理を決定しました。金融不安の火種は一先ず解消されるも、イタリアの景気低迷が続くと再度不良債権が積み上がり欧州危機につながる懸念が残っています。
欧州連合(EU)の欧州委員会は、米IT大手のグーグルが検索サービスでの支配的な地位を乱用したとして、EU競争法(独占禁止法)違反で過去最高の額となる24億2,000万ユーロ(約3,000億円)の制裁金を科すと発表し、主要ハイテク株が軒並み売られる展開となりました。
米民間有力調査会社コンファレンス・ボードが発表した6月の消費者景気信頼感指数は118.9と前月の117.9から上昇し、市場予想も上回りました。
米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に関し「年内あと1回」の追加利上げが適切であると発言しました。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は講演で、ユーロ圏の景気回復の強まりとデフレ懸念の後退に言及したことを受けて、超金融緩和政策を継続しているECBが出口戦略に着手するとの観測が広がり、ユーロが大きく買われユーロ円も約1年3カ月ぶりに127.0円台を付けました。しかし、翌日には出口戦略に着手するという市場の解釈は間違いとECB関係者が指摘したとの報道からユーロが急落しました。
その翌日には、「金融刺激策の一部撤退が必要になる公算が大きい」とカーニー英中銀総裁が指摘し、FRBに続き、ECBやイングランド銀行(BOE)も金融引き締めに動くとの観測が強まりました。
FRBによるストレステスト(金融機関の健全性審査)が行われ、米大手銀行がすべて合格しました。これに伴い金融株が買われるも欧米の金融引き締め懸念から、NYダウは大幅下落となり、中銀総裁の発言に振り回される乱高下の様相を呈していました。
米商務省が発表した5月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比1.4%の上昇となるも、伸びは3カ月連続で鈍化しました。個人消費支出は予想通り、個人所得が0.4%増と予想を小幅に上回りました。6月のシカゴ地域の企業景況指数は予想に反して上昇、ミシガン大学消費者景況感指数も暫定値から上方修正されました。
東京都議選が2日投開票され、小池百合子知事が率いる地域政党の「都民ファーストの会」が自民党から第一党の座を奪い、公明党などの支持勢力と合わせて過半数の議席を獲得することとなりました。安倍政権にとって今後の政権運営に影響するのは必至で、日経225へどう影響するのかに注目が集まっています。
欧米の株式市場は最高値圏での推移のため、マーケットのニュースに一喜一憂しているようにも見えます。相場格言に「相場のことは相場に聞け」とあります。流れに素直についていくようにしましょう。
週間の概況
◆注目イベント
7月5日(水)17:30(英国)6月サービス業PMI
7月5日(水)23:00(米国)5月製造業受注指数
7月5日(水)23:00(米国)5月耐久財受注
7月6日(木)03:00(米国)FOMC議事録
7月6日(木)20:30(ユーロ圏)ECB議事録要旨
7月6日(木)21:15(米国)6月チャレンジャー人員削減予定数
7月6日(木)21:15(米国)6月ADP全国雇用者数
7月6日(木)21:30(米国)新規失業保険申請件数
7月6日(木)21:30(米国)5月貿易収支
7月6日(木)23:00(米国)6月ISM非製造業景況指数
7月7日(金)17:30(英国)5月貿易収支
7月7日(金)21:30(加国)6月失業率、6月雇用者数変化
7月7日(金)21:30(米国)6月雇用統計
7月7日(金)〜7月8日(土)G20(ドイツ・ハンブルク)
7月10日(月)08:50(日本)5月国際収支-経常収支
7月10日(月)08:50(日本)5月国際収支-貿易収支
7月10日(月)08:50(日本)6月景気ウォッチャー調査
7月10日(月)10:30(中国)6月生産者物価指数
7月10日(月)10:30(中国)6月消費者物価指数
7月10日(月)23:00(米国)5月消費者信用残高
7月11日(火)23:00(米国)5月卸売売上高
7月11日(火)23:00(米国)5月JOLT労働調査
※今週は、7月7日の米国の雇用統計に注目しましょう。G20で各国の金融政策に対するヒントになる話題が出るかどうかにも注意をしておきましょう。FOMC議事録やECB議事録要旨の内容にも注目です。7月6日の米国のADP雇用統計や新規失業保険申請件数の結果も確認しましょう。7月10日の中国の生産者物価指数や消費者物価指数も確認しましょう。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ1
ステージ1は上昇期です。帯の間隔が広がり傾きが出てきていますが、短期移動平均線が下向きになってきています。
◆今後を読み取る鍵
ステージ1の安定上昇期です。短期移動平均線と帯の関係を見ていきましょう。
・帯の間隔が広がり傾きが出てくれば上昇トレンドに勢いが出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値20,967円 安値19,288円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ1
ステージ1は上昇期です。帯の間隔が広がり傾きが出ていますが、短期移動平均線が下向きになってきています。
◆今後を読み取る鍵
ステージ1の安定上昇期です。短期移動平均線と帯の関係を見ていきましょう。
・帯の間隔が広がり傾きが出てくれば更に上昇トレンドに勢いが出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値21,558ドル 安値20,495ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
今週も「ユニット」について勉強していきましょう。
タートルズのトレード手法は資金管理とリスク管理が一体化しているので、大失敗しないリスクの量が導き出されます。取引量が決まった瞬間にリスクの量が決まります。
ユニットという考え方はご理解いただけたと思いますが、ここからは、ユニットの導き出し方を紹介します。ユニットを導き出すには、「自己資金量」と「ATR」が必要になります。
「自己資金量」はご自身が一番よく理解していると思います。では、ATRとは何かというところを見ていきましょう。
ATRとは、英語で書くと「Average True Range=True Rangeの平均値」となります。では、ここで出てくる「True Range」とは、直訳すれば『実際の値動き』という意味になりそうですが、既出の解説本などでは『真の値幅』と訳されているものもあります。
この「小次郎講師のVトレーダー養成講座」では、『真の値幅』では、主旨がきちんと伝わらないため、「True Range」のことを「1日の最大値動き」と呼ぶことにします。
さて、本題のATRとは、「True Range=1日の最大値動き」の平均線のことです。平たく言えば、「1日に動く値幅の目安(平均的な数値)」となります。
では、タートルズのユニットの計算方法は以下の通りとなります。
① 投資用資金の1%を求める。
投資用資金×0.01=A
② その銘柄の最小単位をトレードした時の1日のリスクを計算する。
取引単位×ATR=B
③ ユニット=A÷B (取引単位に応じて四捨五入)
では、実際にユニットを計算してみましょう。
投資用資金1,000万円を持つトレーダーの例で考えてみます。①のAを計算します。
A=1,000万円×0.01=10万円
このトレーダーはくりっく株365の日経225を取引します。日経225のATRを仮に200円とします。
B=100倍×200円=2万円
公式に当てはめると、ユニットは「A÷B」で計算されます。
ユニット=A÷B=10万円÷2万円=5(枚)
結論から申しますと、投資用資金1,000万円のトレーダーが、ATRが200円のときに、日経225をトレードするとしたら、1ユニットは5枚になります。つまり、タートルズなら、1回のトレードにつき、5枚で取引することになるのです。
来週は、このユニットの計算方法に出てくるATRについて更に深く勉強していきましょう。
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。