マーケット｜SBI証券

皆さん、こんにちは。
北朝鮮は4日、米国が独立記念日を迎える日に、大陸間弾道ミサイル（ICBM）の発射実験を行いました。米ティラーソン国務長官は北朝鮮に対し、ICBM発射を非難する声明を発表しました。韓国国防省は北朝鮮が6回目の核実験を行う可能性が高いと発表し、北朝鮮リスクが再燃しました。

米商務省は5月の製造業受注を発表しました。前月比0.8％減と市場予想の0.5％減よりも悪い結果となりました。

米連邦準備制度理事会（FRB）は、先月6月13日、14日両日開催の連邦公開市場委員会（FOMC）の議事録要旨を公表しました。FOMCメンバーの間で保有資産の圧縮を始める時期を巡って「2、3ヵ月以内」をいう主張と、「今年遅く」と意見が割れている事が判明しました。また、物価動向に関しても、複数のメンバーが上昇ベースの弱さに懸念を表明するも、堅調な労働市場を踏まえて物価は持ち直すと主張する声もあり見解が分かれたようです。参加者は、景気は緩やかに拡大しており、緩やかに金融を引き締めていくことは適切との見方で概ね一致し利上げに対しては支持していました。

自動運転の開発に向けて、米半導体大手エヌビディアと中国ネット検索大手の百度（バイドゥ）が提携を発表しました。これを受けて割高感から売られていた半導体関連やハイテク株に買いが入りました。

米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング（ADP）は6月の全米雇用報告を発表しました。非農業部門民間就業者数は前月比15万8,000人増と、市場予想を下回りました。米労働省は週間新規失業保険申請件数を発表し、前週比4,000件増の24万8,000件と市場予想よりも悪い結果となりました。

欧州中央銀行（ECB）は6月の定例理事会の議事要旨を公表しました。その中で、量的緩和方針の見直しが議論されていたことが判明し、先週のECBドラギ総裁が講演で発言した量的緩和縮小観測が更に高まる結果となり、ドイツ国債をはじめ、米国債も売られて欧米の長期金利が上昇しました。これらが嫌気され、NYダウやDAXが売られました。

日本銀行は、利回りを指定して国債を無制限で買う「指し値オペ」を約5ヵ月ぶりに実施しました。長期金利の上昇を抑制する狙いからで、応札は無かったようですが、指し値オペの実施後、市場には「それよりも金利は上がらない」との見方から長期金利が低下し、ドル買い円売りの流れにつながったようです。

米労働省は6月の雇用統計を発表しました。非農業部門就業者数は季節調整済みで前月比22万2,000人増と、前月から伸びが加速し市場予想をも上回りました。この結果を受けて米連邦準備制度理事会（FRB）による「年内あと1回」の利上げや保有資産の圧縮開始を後押しする内容との見方が広がりました。失業率は4.4％と0.1％悪化しましたが、総合的には堅調な結果と受け止められてNYダウは反発しました。

ドイツ北部ハンブルクでの主要20カ国・地域首脳会議（G20サミット）が閉幕し、G20の枠組みとしての限界が露呈した会議となりました。首脳宣言では、日米韓で大きなテーマとなっていた北朝鮮のミサイル発射問題をはっきりと盛り込むことができず、貿易についても「保護主義と闘う」としながらも米国のトランプ政権に配慮して明確な方針を示せずに、アメリカが「パリ協定」から離脱表明した地球温暖化対策でも溝が残ったままとなりました。

FTSE100やDAXの動きが重たくなってきています。NYダウや日経225がそれらの動きに引っ張られるのか、それとも逆に引っ張っていくのか、各国の金融政策に左右されそうですので、ここからの動きに注目していきましょう。

週間の概況

◆注目イベント
7月12日（水）17:30（英国）6月雇用統計、5月ILO失業率
7月12日（水）23:00（加国）中銀政策金利発表
7月13日（木）03:00（米国）地区連銀経済報告（ベージュブック）
7月13日（木）（未定）（中国）6月貿易収支
7月13日（木）21:30（米国）新規失業保険申請件数
7月13日（木）21:30（米国）6月生産者物価指数
7月14日（金）13:30（日本）5月鉱工業生産・確報値
7月14日（金）21:30（米国）6月消費者物価指数
7月14日（金）21:30（米国）6月小売売上高
7月14日（金）22:15（米国）6月鉱工業生産
7月14日（金）23:00（米国）7月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値
7月17日（月）11:00（中国）6月小売売上高
7月17日（月）11:00（中国）6月鉱工業生産
7月17日（月）11:00（中国）4-6月期GDP
7月17日（月）21:30（米国）7月NY連銀製造業景況指数
7月18日（火）10:30（豪国）RBA議事録
7月18日（火）17:30（英国）6月消費者物価指数
7月18日（火）18:00（ユーロ圏）6月消費者物価指数（HICP）・確報値
7月18日（火）21:30（米国）6月輸入物価指数

※今週は7月13日のベージュブックに注目しましょう。7月13日の新規失業保険申請件数の結果も確認しましょう。7月17日の中国のGDPにも注目が集まります。

チャート分析による銘柄診断

日経225分析

※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。

◆現在のステージ
ステージ1
ステージ1は上昇期です。ステージ1→ステージ2→ステージ1となっています。

◆今後を読み取る鍵
ステージ1の安定上昇期です。短期移動平均線と帯の関係を見ていきましょう。
・帯に傾きが出て間隔が広がってくれば上昇トレンドに勢いが出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。

◆重要な価格
高値20,330円　安値19,288円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。

NYダウ分析

※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。

◆現在のステージ
ステージ1
ステージ1は上昇期です。帯の間隔が広がり傾きが出ていますが、短期移動平均線が下向きになってきています。

◆今後を読み取る鍵
ステージ1の安定上昇期です。短期移動平均線と帯の関係を見ていきましょう。
・帯に傾きが出て間隔が広がってくれば更に上昇トレンドに勢いが出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。

◆重要な価格
高値21,577ドル　安値21,199ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。

小次郎講師のVトレーダー養成講座

先週は「ユニット」の計算方法について勉強しました。

①　投資用資金の1％を求める。
　投資用資金×0.01＝A
②　その銘柄の最小単位をトレードした時の1日のリスクを計算する。
　取引単位×ATR＝B
③　ユニット＝A÷B　（取引単位に応じて四捨五入）

投資用資金1,000万円のトレーダーが、ATRが200円のときに、くりっく株365の日経225をトレードするとしたら、1ユニットは5枚になりましたよね。

先週は触れませんでしたが、上記の「ATR」について今週は勉強していきましょう。

日経225が1日当たり何円動くのかと問われて、直ぐに答えを言える方はどの程度いらっしゃるのでしょうか。

例えば「日経225に限らず相場は動くときは大きく動くし、動かないときは全く動かない」という答えはいかがでしょうか。当たり前といえば当たり前の話です。

それでは、「平均的値動きはいくらでしょう」という質問に変換すればどうでしょうか。

この「平均的値動き」も、平均を計るタイミング次第で変わってしまいます。しかし、マーケットと対峙するためには、現在の「平均的値動き」を計算し、把握している必要があります。

わかりやすいように、ここではまず日経225の1ヵ月の平均的値動きを考えてみましょう。1ヵ月はおよそ20営業日です。日経225は東京金融取引所のホームページでバックデータを拾えますから、それに基づいて算出します。

ただし、タートルズのトレード手法で用いる平均的値動きは少々複雑な側面があります。特に初心者は誤解から誤った計算に陥りかねませんので、いくつかの典型的な誤りを経てから、最終的に正しい計算方法にたどり着くようにします。

このATRを確りと理解することで、皆さんが取り組まれる銘柄が一日当たり何円動くのかという問いに直ぐに答えを言えるようになり、また、ユニットに対する考え方も深まりますので、来週はこのATRを完璧にマスター出来るように学んでいきましょう。

移動平均線大循環分析の見方（簡易版）

移動平均線大循環分析とは？

3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ（優位性）が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。

＜移動平均線大循環分析＞

ステージとは？

3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。（下図参照）
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。