先週開催された史上初の米朝首脳会談や日米欧の金融政策決定会合など、大きなイベントを通過し一段落かと思いきや、eワラント提供元のeワラント証券が公開しているヒンデンブルグオーメンが6月15日の取引終了時点で点灯しました。
ヒンデンブルグオーメンとは、高値・安値銘柄数や移動平均線などを用いたテクニカル分析で、米国株式市場の株価急落を予兆するシグナルとして知られています。シグナル点灯後1ヵ月程度の間に米国株式市場の下落が起こる可能性があると言われているため、しばらくの間は警戒をしておいたほうがよさそうです。
本レポートでは、ヒンデンブルグオーメンとはどのようなものか改めて確認しておくと共に、今後米国株式市場の急落があることを前提とした投資戦略をご紹介します。
ヒンデンブルグオーメンって何? |
eワラント提供元のeワラント証券HPでは、独自に定義したヒンデンブルグオーメンを毎営業日更新掲載しています(eワラントジャーナル 「本日のトレードインディケーター」)。
ヒンデンブルグオーメンはしきい値にどの値を用いるかによってシグナル点灯の有無は異なりますが、eワラント証券では以下の4つの条件を同時に達成した場合、シグナル点灯としています。
1.ニューヨーク証券取引所(NYSE)での52週高値更新銘柄と52週安値更新銘柄の数が共にその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.2%以上
2.NYSE総合指数の終値が50営業日前の終値を上回っている
3.短期的な騰勢を示すマクラレンオシレーターの値がマイナス
4.52週高値更新銘柄数が52週安値更新銘柄数の二倍を超えない
また、ヒンデンブルグオーメンは点灯後向こう30営業日は有効とされ、シグナルが消えたからといってすぐに無効となるものではありません。ただし、3のマクラレンオシレーターがプラスとなった場合には、点灯後30営業日中であっても無効となります。
2014年から2018年6月18日までのNYSE総合指数とヒンデンブルグオーメンの点灯日を表したものが以下の図です。図の赤いラインがオーメンの点灯日を表しています。
ご覧頂くと、点灯後に大きな下落が発生しなかったケースも多くあり、シグナルが点灯したからといって必ずしも下落が起こるかというと、統計的な根拠は薄そうです。加えて、(理由は分かりませんが)昨年以来、ヒンデンブルグオーメンの点灯回数が多く、大きな下落を伴わなかったケースも多かった点を考慮すると、ある程度割り引いて考える必要がありそうです。
ただし、2014年10月の株安(点灯日:2014年9月18日)や2016年初のチャイナショック(点灯日:2015年12月2日)、最近では2018年2月上旬のVIXショック(点灯日:2018年1月29日)など大きな下落が発生した直前にヒンデンブルグオーメンが点灯していたことがあり、その下落幅を考慮すると、警戒はしておいたほうがいいでしょう。
米国株の下落を想定した投資戦略 |
今回、ヒンデンブルグオーメンが6月15日の取引終了時点で点灯しました。本稿執筆(6月19日15時)時点では、米国株式市場では未だ目立った下落は見られませんが、日本株式市場では日経平均が前週末比2.5%と大きく下落して取引されています。前述の通り、一度点灯すると30営業日は有効とされており、7月いっぱいは警戒しておいたほうが良いかもしれません。
米国株式市場の株価急落があると考えるのであれば、一旦保有している株式は手仕舞い、下落後に再び買い戻すという方法が考えられます。もし、米国株市場の下落を投資機会とするのであれば、それぞれの事情により影響度合いがまちまちになりがちな米国個別株よりは、指数のほうが投資対象としては適していると考えられます。eワラントであれば、ダウ平均を対象原資産としたプットのうち、権利行使価格が相場水準に近く、満期までの残存期間が短い銘柄を選ぶと、短期的な急落があったときに大きなリターンが期待できるかもしれません。
また、米国株式市場の下落があれば、日本株市場にとっても大きな下落要因となるでしょう。日経平均を対象としたプットを使って相場の下落を投資機会とするほか、現物株を保有している場合には保有している株式を対象としたプットを併せて保有することで、現物株の下落に保険を掛けるという使い方も可能です(保有株に下落の保険を掛けるeワラントの活用事例)。
市場では、米国と中国・EUとの貿易摩擦問題、米国長短金利動向(イールドカーブのフラット化)、新興国の政治・財政問題、南欧諸国の不安など市場を揺るがしかねないリスクが多数存在しています。相場が大きく動きかねないこのようなときこそ、損失限定のeワラントのご利用をご検討ください。
今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
コールくんが選ぶ〜注目銘柄
先日米国で行われたゲーム見本市E3では主力タイトルの発表こそあったがサプライズはない、というのがゲームに詳しい方々の反応のようだね。とはいえ、主力タイトルの業績貢献は期待できるだろうし、課金ユーザーも増えていることは好材料だね。株価は上昇トレンドに入っているし、押し目をコール型で狙っていきたいところだね。
上昇トレンドで株価が権利行使価格付近まで上昇することを期待して選んだよ。
1週間程度を目安にしているよ。
20〜30%の利益を目標にしているよ。
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南アランドの下げが止まらないね。きっかけは2018Q1のGDPがマイナス成長となったことだけど、先週のFOMCで米利上げペースの加速が確認されたこともダブルパンチとなったね。2018年の高値から下落する中で支持線となっていたラインを下抜け、次の節目は2017年の安値7.75円あたりがターゲットになりそうだけど、ここを楽に下抜けるようなら7円割れも視野に入ってきそうだ。
夏までに7円に近づくと大きな上昇が得られるかもしれないね。
トレンドが続く限り保有するつもりだよ。
2.2円程度まで上昇することを期待しているよ。
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