米国企業の10-12月決算発表は、先週の金融中心から幅広い産業の銘柄に広がります。金融については市場の期待が低下していたと見られ、市場の反応は概ねポジティブとなりましたが、景気減速の影響が出やすい産業関連銘柄の決算と市場の反応がどうなるか注目されます。

1/18（金）発表分までのFACTSET社集計では、S&P500指数構成銘柄の11％が発表済みで、EPSは前年同期比10.6％増で推移しています。

図表1は来週初にかけて発表予定の主要企業（S&P100指数採用企業）のコンセンサス業績予想です。決算が発表された際のチェックに使っていただけるでしょう。

以下、当社顧客の保有上位銘柄について、決算の見通し、見どころなどをコメントしています。

ジョンソン & ジョンソン(JNJ)
同社の17年10-12月期は売上が前年同期比11.5％伸びて非常に強く、また、主力薬の一つである前立腺がん治療薬「ザイティガ」に後発薬が発売されたことから、10-12月期の売上の伸びは急低下の見込みです。19年12月は後発薬との競争で売上の伸びは抑えられるものの、マージン改善が続いてEPSの伸びは確保される見通しです。株価は同社のベビーパウダーにアスベストが含まれていた問題に絡んで昨年12/14（金）に急落しています。

IBM(IBM)
売上拡大を牽引すると期待されている人工知能の「ワトソン」を擁するコグニティブ・ソリューション部門の売上が7-9月期に減少したことで、同社の復活シナリオへの疑問が高まりました。引き続きここが注目点です。一方、投入したメインフレームの新製品の開発費用が剥落するため、利益率の改善は続くと見込まれます。

プロクター & ギャンブル(PG)
7-9月期は市場の期待が低かったところに、オーガニックの売上成長率が前年同期比4％増へ改善したことが好感されました。しかし、10-12月期も4％増が維持される可能性は低く、19年6月期ガイダンスの同2〜3％程度が妥当と見られます。一次産品、物流費の上昇を相殺するため、価格の引き上げが必要になっていると見られます。

インテル(INTC)
7-9月期決算では、データセンター向け、PC向けとも好調で、10-12月期売上ガイダンスや19年の見通しも強いものでした。一方、テキサスインスツルメンツなど産業向けを主力とする半導体メーカーでは見通しの悪化が顕著となって対照的でした。10-12月期決算でもインテルの好調な見通しが維持されているか注目されます。

インテューイティブ サージカル(ISRG)
手術支援ロボットの「ダビンチ」を利用した手術件数は、7-9月期にコンセンサス予想を3％ポイントも上回る前年同期比20％増と好調でした。同社製品に対する強い需要が窺え、19年に向けても高い売上成長が維持されると期待されます。

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

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