米国株の当社顧客保有人数上位50で、4/25(木)に1-3月期決算を発表したアマゾン ドットコム(AMZN)、インテル(INTC)、スリーエム(MMM)の決算速報です。
アマゾンは好調な一方、インテル、スリーエムは予想以上の落ち込みとなっています。
銘柄名(コード) 決算発表日、株価反応日 株価、前日比、今期予想EPS、アナリスト目標株価 |
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直近実績 |
前年同期比 |
予想乖離 |
前四半期の 前年同期比 |
アマゾン ドットコム(AMZN) 4/25、4/25(時間外) |
売上(億ドル) |
597 |
17% |
0% |
20% |
1,913.88ドル、+0.6%、37.07ドル、2,133.29ドル |
EPS(ドル) |
7.09 |
117% |
52% |
181% |
【利益の改善を配送日数の短縮に投資へ】
- 1-3月期決算は、売上が予想並みながら、EPSが予想を大幅に上回りました。利益率が高いAWSや広告収入が伸びたほか、海外ネット通販の赤字縮小も寄与しました。一方、4-6月期のガイダンスは、売上が595〜635億ドル(前年同期比13〜20%増)、営業利益が26〜36億ドル(前年同期は30億ドル)として、中央値はそれぞれ市場予想の623億ドル、42億ドルを下回りました。営業利益については、「プライム」会員向けの配達期間を2日から1日に短縮するために4-6月期に8億ドルを投資するとした影響が考えられます。
- 部門別には、ネット通販の北米売上が前年同期比17%増、営業利益が同99%増です。海外売上は前年同期比9%増(為替の影響を除いて同16%増)で、10-12月期の前年同期比15%増(為替の影響を除いて同19%増)から減速となるも、営業赤字は6.2億ドルから0.9億ドルに縮小しています。クラウドのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)売上は前年同期比41%増(10-12月期は同45%増)、営業利益は同59%増(同61%増)と引き続き好調です。
- 株価の微妙な反応は、配達期間短縮への投資が通年の営業利益を抑えるのではないかとの懸念があるためと考えられますが、顧客の囲いこみを進められるため、中長期ではポジティブと考えられます。
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インテル(INTC) 4/25、4/25(時間外) |
売上(億ドル) |
161 |
0% |
0% |
9% |
53.52ドル、-7.1%、4.52ドル、55.66ドル |
EPS(ドル) |
0.89 |
2% |
2% |
19% |
【データセンター向けの落ち込みで通期見通しを引き下げ】
- 1-3月期にデータセンターグループの売上モメンタムが急低下して、業績は市場予想並みであったものの、4-6月期ガイダンスが市場予想を下回り、通期のガイダンスも引き下げられました。下期に向けて業績は改善するとの期待に懐疑が生まれたと考えられます。
- 主力部門に、クライアントコンピューティンググループ(PC向けCPUなど)の売上が前年同期比4%増(10-12月期は同10%増)、営業利益が同10%増(同12%増)、データセンターグループ(サーバー向けCPU)の売上が同6%減(10-12月期は同9%増)、営業利益は同29%減(同2%増)と、データセンター向けの落ち込みが目立っています。IoTは同8%の増収、メモリーは同12%の減収でした。
- 19年4-6月期のガイダンスは売上が156億ドル(前年同期比8%減)、調整後EPSは0.89ドル(同2%減)で、市場予想のそれぞれ169億ドル、0.96ドルを下回りました。19年12月期は、売上が715億ドル(前年比1%増)から690億ドル(同3%減)へ、調整後EPSは4.60ドル(同6%増)から4.35ドル(同0%)へ引き下げられています。
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スリーエム(MMM) 4/25、4/25 |
売上(億ドル) |
78.6 |
-5% |
-4% |
-1% |
190.72ドル、-13.0%、10.32ドル、203.38ドル |
EPS(ドル) |
2.23 |
-11% |
-13% |
10% |
【オーガニック売上成長率が前年同期比1.1%減と急低下】
- 現地通貨ベースのオーガニック成長率は前年同期比1.1%減と10-12月期の同3.0%増から急低下しています。悪化の要因として、中国、自動車産業、エレクトロニクスの最終需要の弱さ、工業分野の流通在庫の調整などがあげられています。為替による売上の減少が3.4%ポイント、事業売却による影響が0.5%ポイントあり、報告ベースの売上は前年同期比5.0%減、調整後営業利益も同11.6%減(10-12月期は同0.3%減)となりました。
- 部門別売上の前年同期比伸び率は、インダストリアル-2.8%(10-12月期は+2.5%)、セーフティ&グラフィックス-0.1%(同+3.3%)、ヘルスケア+0.7%(同+4.8%)、エレクトロニクス&エネルギー-3.0%(同+4.1%)、コンシューマー+0.9%(同+1.9%)と、いずれも鈍化しています。地域別には(為替の影響を除くベース)、米国-0.4%(10-12月期は+4.4%)、アジア太平洋-3.6%(同+2.0%)、欧州・中東・アフリカ+0.7%(同+1.3%)、南米・カナダ+0.8%(同+5.0%)となっています。
- 19年の業績ガイダンスは、オーガニック売上成長率が1%減〜2%増(前回は1〜4%増)へ、EPSは9.25〜9.75ドル(前回は10.45〜10.90ドル)へ引き下げています。産業景気低迷の影響は想定されていたものの、落ち込み幅は予想を上回るものでした。
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※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
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