決算速報(現地1/29引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):207.77ドル(-6.93%)
●売上高:210.8億ドル(予想208.9億ドル)△概ね市場予想通り
●EPS:2.56ドル(予想2.53ドル)△概ね市場予想通り
市場の期待値が高かったなかで業績が「市場予想通り」にとどまったことや、前年同期比での売上高の伸び率が過去最低となったこと、コストが上昇していることなどが嫌気され、株価は時間外取引で急落しています。
決算発表直前までの、過去1年間のチャート
※出所:トムソン・ロイター(現地1月29日までの過去1年間、移動平均線は52週)
決算のポイント
●月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比+7.8%の25.0億人となり、市場予想(24.9億人)を上回る結果となりました。
●売上高の前年同期比での伸び率が+24.6%と過去最低となるなかで、総経費の伸び率は34.4%となりました。
●自社株買い枠を100億ドル追加したと発表。買い付け期限はないとしています。
●生体認証データを同意なしで収集したと訴えられていた件について、5.5億ドルで和解したと発表しています。ただ、この和解については判事の承認が必要とのことです。
経営陣の主なコメント
●今後もプライバシー関連の規制の変更により、ビジネスに影響がもたらされる可能性はある。
●「インスタグラム」上での買い物機能などについては、「非常に初期段階の構想」にあり、「とても、とても、とても慎重に」検討している。
●「完全なAR(拡張現実)」の実現にはまだ数年かかる見通し。
決算を受けたマーケットの反応
売上高やEPSは概ね市場予想通りとなりましたが、市場はフェイスブックに「市場予想通りの結果」は求めていなかったようで、株価は時間外取引で急落しています。
こうしたことは米国株の決算発表ではたまにみられることなのですが、あくまで「市場予想」はアナリストがそれぞれのアナリストレポートで発表する業績の予想値であり、「実際の期待値」がそれよりも高かったということがあります。
今回、決算発表後に株価が急落したことについては市場関係者の間でも当初困惑が広がったようです。一部のアナリストが「市場の期待値はさらに高く、だれもフェイスブックに市場予想通りの結果など求めていない」との見方を示したと報じられていますが、おそらくそのアナリストの見方通りに、実際の期待値はさらに高かった可能性があります。
また、売上高の伸び率よりも総経費の伸び率が高かったことも懸念される点となり、株価はしばらくの間上値が重い展開が続く可能性があります。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:242.45ドル(1/29時点)