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決算速報(現地1/29引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):648.60ドル(+11.64%)
●売上高:73.8億ドル(予想70.6億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:2.14ドル(予想1.74ドル)〇市場予想を上回った
7-9月期に続き、10-12月期も黒字決算となり、売上高や調整後EPSが市場予想を上回ったことで株価は時間外取引で10%以上上昇しています。
決算発表直前までの、過去1年間のチャート
※出所:トムソン・ロイター(現地1月29日までの過去1年間、移動平均線は52週)
決算のポイント
●7-9月期に続き、10-12月期も調整後EPS・調整前EPSが両方とも黒字となり、調整後EPSは2.14ドルと市場予想の1.74ドルを大きく上回りました。
●10-12月期のフリーキャッシュフローは+10.1億ドルとなり、市場予想の4.3億ドルを上回りました。
●2020年の販売台数は「50万台を余裕をもって超える見通し」としています。
●新型EV「モデルY」の納車タイミングは1-3月期に行われるとしています。
●中国の新型コロナウイルスの影響としては「ギガファクトリー上海」の生産が10日程度遅れる可能性があるものの、「生産の初期段階にあるため業績に大きな影響はない」としています。
経営陣の主なコメント
●「ギガファクトリー上海(ギガファクトリー3)」のポテンシャルについてはとても興奮している。
●新たな発表会である「バッテリー・デイ」はおそらく4月に開催される見通しで、買収したMaxwell社の技術の利用などについても説明を行うが、おそらくその日の発表会は「人々に衝撃を与える」ものになるだろう。
●保険事業はテスラの大きなサービスの1つとなっていくだろう。
●大型EVトラック「テスラ・セミ」の生産を加速することは、「モデル3」と「モデルY」の生産台数の減少につながる。「テスラ・セミ」は非常に多くのバッテリーセルを必要とする。
●債務は今後返済し減らしていく。
決算を受けたマーケットの反応
10-12月期も7-9月期に続き黒字決算を発表したことで、同社の先行き不透明感がいよいよ解消されはじめ、時間外取引で株価は急騰しています。
2018年後半にも一旦黒字決算となった時期がありましたが、その後再度赤字に転落したことで、マーケットでは「テスラがまた赤字になるのでは」という懸念が根強く残っていたと思われます。しかしながら、今回市場予想を上回る大きな黒字決算を発表し、手持ちのキャッシュも積みあがってきたことで、いよいよマーケットはテスラの成長性に目を向け始めてきたのかもしれません。
現在のところ中国の新型コロナウイルスの影響は大きくないとみられ、次の注目は「モデルY」の実際の納車タイミング・納車台数や、「バッテリー・デイ」になる模様です。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:387.78ドル(1/29時点 )