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決算速報(現地4/26引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):719.86ドル(-2.48%)
●売上高:103.9億ドル(予想104.1億ドル)×市場予想を下回った
●調整後EPS:0.93ドル(予想0.80ドル)〇市場予想を上回った
●通期納入台数目標:「今後複数年、平均で前年比50%増のペースで納入台数が増加する」という予想や、「2021年がそうであると予想するが、それ以上のペースで増加する年もある」という予想を据え置いた。
売上高が市場予想を下回ったことや、目新しいニュースが発表されなかったことを受け株価は売りに押されました。
引け後の時間外取引のチャート
※出所:BloombergのデータよりSBI証券作成
決算のポイント
●1-3月期の調整後EPSは市場予想を上回ったものの、売上高は市場予想を下回りました。
●フリーキャッシュフローは+2.9億ドルとなり、市場予想の-0.8億ドルよりも良い結果となりました。
●テキサスとベルリンに建設中の新工場で2021年中に生産を開始する計画について、「軌道に乗っている」としています。
●EVトラックの「セミ」についても2021年に納車を開始する予定としています。
●アップデートされた「モデルS」の納車開始時期は「間もなくの予定」としています。
●ギガファクトリー上海については今後も工場を拡張していく予定としています。
●ベータ版のFSD(完全自動運転 対応機能)については、カメラのみを利用した「バージョン9」に引き続き注力しているとしています。
●投資したビットコインについては一部(流動性を確認するために)売却し利益を計上しました。
経営陣の主なコメント
●EV(電気自動車)についての人々の考えには大きなシフトが発生した可能性がある。
●顧客の需要はこれまでにないレベル。
●「モデルY」はガソリン車を含め世界で一番売れる車になる可能性がある。
●FSDは大きく進捗している。
●アップデートされた「モデルS」と「モデルX」の需要は高いと見込まれ、2,000〜2,400台/週のペースで生産できるようになれば良いと思う。
●半導体不足は大きな問題だ。
●テスラは世界でも有数のAI(人工知能)チームを構築している。
●ビットコインの「長期的な価値」を信じているし、投資を続けるだろう。
●ビットコインへの投資は低金利環境のなかで、流動性のある資産で、当面使わない資金を運用し収益を上げるために行ったものだ。
●(多くのメディアが報じている)テキサスで直近発生した事故については当局と協力し調査を行っているが、(運転席に誰もいなかったという報道とは違い)運転席に誰かがいた可能性がある。
●「4680セル」についてある程度生産を行っているが、まだ車に搭載するほどの信頼性に到達していない。試作品から実際の製品版の生産に移るまでは一定の時間が必要だ。
●エネルギーストレージ事業はEVと同程度の利益率にすることを目標としている。
決算を受けたマーケットの反応
売上高が市場予想を下回ったことや、特に新しいサプライズがなかったことから株価は売りに押されました。
一部アナリストからは2021年の納車台数目標が現在の「前年比50%増のペース」といった表現から具体的な数字へとアップデートされなかったことも重しとなったとの声も聞かれました。
もっとも、「世界で最も売れているカローラは年間150万台程度売れている」というコメントに対し、イーロン・マスクCEOがツイッター上で「売上高ベースで2022年、台数ベースで2023年に達成できる可能性がある」とコメントしていることから、2023年には「モデルY」のみで150万台販売する可能性があるという示唆が行われたとも言えそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:629.26ドル(4/26時点)