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決算速報(現地7/26引け後発表)
●決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):664.16ドル(+0.99%)
●売上高:119.6億ドル(予想113.6億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:1.45ドル(予想0.97ドル)〇市場予想を上回った
●通期納入台数目標:「今後複数年、平均で前年比50%増のペースで納入台数が増加する」という予想や、「2021年がそうであると予想するが、それ以上のペースで増加する年もある」という予想を据え置いた。
調整後EPSが市場予想を上回ったことなどを受け、株価は時間外取引で上昇しました。
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●売上高と調整後EPSが市場予想を上回りました。
●純利益が10億ドルの大台に乗りました。
●温室効果ガスの排出権(クレジット)取引による利益を除いても黒字となり、本業の収益性が高まっていることが示されました。
●フリーキャッシュフローは+6.2億ドルとなり、市場予想の-3.2億ドルよりも良い結果となりました。
●通期納入台数目標については据え置かれましたが、カンファレンスコールでの経営陣のコメントはより強気なトーンになっているように感じられました。
●テキサスとベルリンに建設中の新工場で2021年中に「モデルY」の生産を開始する計画について、「引き続き軌道に乗っている」としています。
●ビットコイン関連で0.23億ドルの減損が計上されました。
●EVトラックの「セミ」についてはバッテリーセルが不足していることやサプライチェーンの問題を理由に、2022年へ納入開始時期が先送りされました。
●「サイバートラック」についてはテキサスの建設中の工場で、「モデルY」の後に生産されるとされました。
●半導体不足を含めサプライチェーンの問題が決算発表資料やカンファレンスコールで複数回言及されました。
●FSD(完全自動運転 対応機能)のサブスクリプション版の契約者数は示されませんでした。
●新型「4680」バッテリーセルについては生産プロセスの10%程度を占めるボトルネックの対応を行っておりまだまだやるべきことは残っているとしたものの、解決の目途も立っているとしています。
●イーロン・マスクCEOは何か非常に重要な発表がない場合は、今後カンファレンスコールに参加しないと発言しました。
経営陣の主なコメント
●FSDのサブスクリプションは2022年に大きな意味を持ってくるかもしれない。
●FSDの開発は二歩進んで一歩下がるようなものだが、それでも着実に進んでおり、完全自動運転の実現に自信を持っている。
●FSDは価格設定などよりも、まずは完全自動運転の実現に注力する。
●テキサスとベルリンで「新しい設計のモデルY」が年内に生産できると考えているが、生産台数は限られたものになるだろう。
●製造業は本当に大変で、何度も言っているが試作品を作るのは簡単だが、大量生産は非常に難しい。
●当社のサプライヤーはバッテリーセルの製造量を来年倍増することを目標としている。
●納入台数は平均で前年比50%増のペースで増加させる計画だが、それ以上のペースでバッテリーセルを増加する計画。
●蓄電池の「メガパック」は来年分がもう売り切れていて、バッテリーセルが車の生産台数を超えた場合はそちらに回せる。
●「パワーウォール」は来年上手くいけば100万個生産することができるかもしれない、需要は非常に高い。
●「4680」バッテリーセルには多くのイノベーションが詰まっている。
●(イーロン・マスクCEO)何か非常に重要なことを伝える必要がない場合は、カンファレンスコールに参加しないかもしれない。
●(テスラが作るわけではないが)飛行機をEV化するならニッケルを使用した電池が適しているだろう。
決算を受けたマーケットの反応
やや伸び悩んだものの、時間外取引では買いが優勢となりました。
調整後EPSが市場予想を大きく上回ったことなどを受け決算発表直後は時間外取引で3%を超える上昇となる場面もみられましたが、半導体不足問題などに言及があったことや、納車台数の見通しがアップデートされなかったことなどを受け、やや上値が重い展開となりました。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:627.39ドル(7/26時点)