“坂道を漕ぎ上がる自転車の如き株式相場か?”
- 「坂道を自転車で駆け上がり、険しくなる斜面でより強く"期待"のペダルを漕ぐ」が如き相場展開なのだろうか。NYダウは2/25に26,241ドルまで上伸後、26,000ドルを挟んだ揉み合いの動き。米中協議で3/1期限の関税引上げ延期の好材料による期待出尽くし感、2016/11以来の低さの2月ISM製造業景況指数(54.2)他の景気指標やアトランタ連銀の1Q実質GDP成長率見通し(0.3%増)、議会での「ヘルスケア改革」議論を受けてのヘルスケア銘柄への逆風等のネガティブ要因の強まりに対して、パウエルFRB議長の上下院での議会発言で利上げ見送りやバランスシート縮小見通しが相場を下支えした構図となった。3/8発表予定の2月雇用統計で先行きの景気見通しをどれだけ改善できるかが、坂道の斜面の険しさを決める上でも重要となろう。
- 中国も1月末「社会融資規模」が前年同月比10.4%増の205兆元に達するなど、年初以降、金融が実体経済を支える傾向が強まり、2月製造業購買担当者景気指数(PMI)は3か月連続50割れながら前月48.3から49.9に回復した。中国発の過剰流動性相場の持続性も、米国株相場を支えるかどうかの大きな要因となるであろう。
- 米株指数については、日本株のメジャーSQ(特別清算指数・MSQ)算出の翌週3/15にMSQを控えている。日経平均についてファーストリテイリングの寄与度の高さが問題視されることがあるが、NYダウについても値嵩株であるボーイング(BA)の動向が波乱要因。財政赤字増大の中でトランプ政権が「米国ファースト」を打ち出し、同盟国に防衛費負担の増大を強く要請する流れや「空飛ぶクルマ」のイノベーションなど中期的な株価への期待は変わらないものの、短期的には、米朝会談時の航空機大口受注からの買い先行・過熱感から利益確定売りには注意が必要。日本株同様、NYダウもMSQ週に株価指数寄与度の高い値嵩株動向によるブレに要注意だろう。
- 2/14にウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイによる大手銀行株買い増しが明らかになったが、トランプ政権の看板政策でもある金融規制緩和を受けた金融業界のM&Aの動きに要注目。中小・地域金融機関の負担軽減と地域経済活性化を目的として、既にFRBは厳しい健全性基準が課される「大規模銀行」の総資産規模を2020年以降は2,500億ドル以上に引き上げることとしているが、これに加え、低金利による米地銀の収益低下・過当競争やFRBの利上げペース鈍化もあり、米銀の収益環境が楽観視できないことから、2/7の大手地銀BB&T(BBT)のサントラスト(STI)買収発表に続く動きが出てくることが予想される。景気浮揚が必要なトランプ政権からすれば、更に大規模銀行の規制緩和圧力も強まる可能性があり得るだろう。(笹木)
- 3/5号では、オートデスク(ADSK)、ベストバイ(BBY)、フットロッカー(FL)、キーコープ(KEY)、クアルコム(QCOM)、ヴイエムウェア(VMW)を取り上げた。
ウィークリーストラテジー
S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(3/1現在)
主要企業の決算発表予定
3月5日(火) | ターゲット、コールズ、ロス・ストアーズ、クーパー |
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3月6日(水) | ダラー・ツリー、ブラウン・フォーマン |
3月7日(木) | H&Rブロック、クローガー、コストコホールセール |
主要イベントの予定
3月5日(火) |
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3月6日(水) |
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3月7日(木) |
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3月8日(金) |
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3月9日(土) |
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3月10日(日) |
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- ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成
銘柄ピックアップ
オートデスク(ADSK)市場:NASDAQ ・・・2019/5/23に2020/1期1Q(2-4月)の決算発表を予定
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ベストバイ(BBY)市場:NYSE ・・・2019/5/23に2020/1期1Q(2-4月)の決算発表を予定
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フットロッカー(FL)市場:NYSE ・・・2019/5/24に2020/1期1Q(2-4月)決算発表の予定
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キーコープ(KEY)市場:NYSE ・・・2019/4/18に2019/12期1Q(1-3月)決算発表の予定
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クアルコム(QCOM)市場:NASDAQ ・・・2019/4/24に2019/9期2Q(1-3月)の決算発表を予定
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ヴイエムウェア(VMW)市場:NYSE ・・・2019/5/30に2020/1期1Q(2-4月)の決算発表を予定
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