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マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “トランプ大統領は二度ベルを鳴らす?”

“トランプ大統領は二度ベルを鳴らす?”

2019/8/6
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘、増渕 透吾

“トランプ大統領は二度ベルを鳴らす?”

  • 先週の米国株市場は、既に7/25に欧州中央銀行が2020年前半までに政策金利引下げを実施する可能性を示し、7/31のFOMCに向けた米FRBへの利下げ期待を強めていた中、FOMCで決定された0.25%ポイントの利下げが「長期にわたる一連の利下げの始まりではない」と市場の期待に応えるものではなく、7/31のNYダウが前日比333ドル安の大幅下落となった。それに加えて8/1に、トランプ大統領が9/1より対中国関税第4弾(3,000億ドルに対して10%)を実施する旨をツイッターで発表し、NYダウが前日比280ドル安と大幅続落となった。関税が25%に引き上げられる可能性もトランプ大統領から示唆され、中国も報復措置の可能性を警告したことから貿易戦争悪化懸念が強まり、週足でNYダウが7/31高値27,281ドルから8/2安値26,249ドルまで1,032ドルの大幅変動となった。
  • FRBは雇用と物価上昇率を柱として金融政策を決定しており、堅調な雇用に対して消費者物価上昇率は目標の2%(前年同月比)に8ヵ月連続で届かない状況を懸念しての熟慮の上での小幅利下げだったと考えられる。8/2発表の7月雇用統計でも雇用の強さが示された。ところが、「関税第4弾」発表により米国10年国債利回りが7/26の2.081%から8/2の1.855%まで急低下するなど、パウエル議長が言及した「貿易政策の下振れリスク」には不十分として市場から更なる利下げ要求の催促を受けてしまっていると言えよう。トランプ大統領が事前に大幅利下げをFRBに公然と要求し「中国が農産物の購入を実行しない」と強い不満を漏らすなど、事前のシグナルは発せられていたように思われる。
  • 5/5にも、トランプ大統領は中国の知的財産権侵害などを理由に2,000億ドル分について10%から25%への関税引上げを発表し、5/10から実施した。その際にも事前にFRBへの利下げ要求を強め、自らと親しい人物をFRB理事に送り込むことを画策したことがあった。トランプ大統領は今年に入って二度にわたり、対中国追加関税の前にFRBに対して貿易政策に係るシグナルを送っていたと言えなくもない。どちらの時も企業決算発表が進んで主要株価指数が高値水準にあったタイミングであることも共通している。貿易政策リスクを重視するのであれば、FRBがトランプ政権の発するシグナルを適切に受け取れなかったことに対して市場が失望し、金融政策に対する信認を失っている面もあるだろう。
  • 銘柄選択では、「5GとIoTの融合」による「M to M」時代を睨んでソフトウェア関連から製造業などへのシフトを検討しても良い時期かも知れない。(笹木)
  • 8/6号では、オートデスク(ADSK)アカマイ・テクノロジーズ(AKAM)ジェイビル(JBL)メルク(MRK)ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)ヤム・ブランズ(YUM)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(8/2現在)

主要企業の決算発表予定

8月6日(火)モザイク、ディスカバリー、フィデリティナショナルインフォメーションサービシズ、エマソン・エレクトリック、リジェネロン・ファーマシューティカルズ、デューク・エナジー、トランスダイム・グループ、AES、PPL、ベクトン・ディッキンソン、ゾエティス、ヘンリーシャイン、パイオニア・ナチュラル・リソーシズ、デボン・エナジー、ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー、ホスト・ホテル・アンド・リゾート、ダイヤモンドバック・エナジー、アシュラント、マイクロチップ・テクノロジー、フリートコア・テクノロジーズ、ウィン・リゾーツ
8月7日(水)NRGエナジー、センターポイント・エナジー、CVSヘルス、ブッキング・ホールディングス、アルベマール、スカイワークス・ソリューションズ、トリップアドバイザー、アトモス・エナジー、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)、マラソン・オイル、センチュリーリンク、Fox Corp、Evergy Inc、モンスタービバレッジ
8月8日(木)カーディナルヘルス、バイアコム、ピナクル・ウエスト・キャピタル、ニューズ・コーポレーション、クラフト・ハインツ、ノルウェージャンクルーズライン・ホールディングス、DXCテクノロジー、CBS、シマンテック、ネクター・セラピューティクス
8月12日(月)シスコ

主要イベントの予定

8月6日(火)
  • セントルイス連銀総裁、講演
  • 国務長官、アジア太平洋地域歴訪が終了
  • 求人件数(6月)
  • 独製造業受注(6月)
8月7日(水)
  • シカゴ連銀総裁、メディア向け朝食会を開催
  • サムスン電子、「ギャラクシー・ノート10」の公開イベント(ニューヨーク)
  • 消費者信用残高(6月)
  • 独鉱工業生産(6月)、中国外貨準備高(7月)
8月8日(木)
  • ECB経済報告
  • 新規失業保険申請件数(3日終了週)、卸売在庫(6月)
  • 中国貿易収支(7月)、フィリピンGDP(2Q)
8月9日(金)
  • 国際エネルギー機関(IEA)月報
  • PPI(7月)
  • 英GDP(2Q)、英鉱工業生産(6月)、中国CPI・PPI(7月)、中国経済全体のファイナンス規模、新規融資、マネーサプライ(7月、15日までに発表)
8月12日(月)
  • 月次財政収支(7月)、住宅ローン延滞率(2Q)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

オートデスク(ADSK)市場:NASDAQ ・・・2019/8/27に2020/1期2Q(5-7月)の決算発表を予定

  • 1982年設立。設計用ソフトウェアと関連サービスを、建設業、製造業及びデジタルメディア・娯楽産業向けに提供する。顧客は2D・3Dを通じて可視化・シミュレーション・分析しながら設計できる。
  • 5/23発表の2020/1期1Q(2-4月)は、売上高が前年同期比31.4%増の7.35億USD、EPSが前年同期の▲0.38USDから▲0.11USDへ赤字幅縮小、Non-GAAPのEPSが同7.5倍の0.45USDと順調。PlanGridおよびBuildingConnectedの買収による建設業向けクラウドサービスの強化が奏功した。
  • 2020/1通期会社計画は、売上高が前期比26-28%増、Non-GAAPのEPSが前期の▲0.37USDから2.71-2.90USDへ黒字転換で前回発表時と変わらず。6/18にPlanGridプラットフォームに建設業向けRFI(情報提供依頼書)およびプロジェクト・ハブの導入を発表。同社ソフトウェアによるデジタル化や多数関係者のリアルタイム情報共有を通じて建設ビジネスの更なる革新が期待される。(笹木)

アカマイ・テクノロジーズ(AKAM)市場:NASDAQ ・・・2019/10/29に2019/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

  • 1998年設立。インテリジェントエッジの世界的大手企業。Akamai Intelligent Edge Platformを通じて、インターネット上のコンテンツやアプリの配信、最適化、保護に係るソリューションを提供する。
  • 7/30発表の2019/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比6.4%増の7.05億USD、純利益が同6.3%増の1.13億USD。調整後EPSが1.07USDと市場予想の1.00USDを上回った。エッジプラットフォームのOTTトラフィックが堅調に推移。セキュリティー関連の販売が同34%増と全体を牽引した。
  • 2019/12期3Q(7-9月)会社計画は、売上高が6.92-7.06億USD、調整後EPSが0.98-1.02USD、調整後営業利益率が27-28%。通期会社計画を上方修正。売上高を28.20-28.60億USDから28.40-28.70億USDへ、調整後EPSを4.05-4.20USDから4.23-4.30USDへ引上げた。調整後営業利益率は28%から28-29%へ上限を引上げ。売上高計画の中央値は市場予想の28.53億USDを上回った。(増渕)

ジェイビル(JBL)市場:NYSE ・・・2019/9/24に2019/8期4Q(6-8月)の決算発表を予定

  • 1966年設立。電子機器受託製造サービス(EMS)として幅広い業界に電子回路設計、コンピュータ支援設計、製品検証・検査、システム組立て、受注処理、アフターサービスを世界各地で提供。
  • 6/18発表の2019/8期3Q(3-5月)は、売上高が前年同期比12.9%増の61.35億USD、純利益が同2.2%増の4,348万USD。Non-GAAPベースのコアEPSは同23.9%増の0.57USDと大幅に伸びた。主に市場・製品ポートフォリオの多様化およびヘルスケアの新事業プラットフォームの成長が貢献した。
  • 2019/8期4Q(6-8月)会社計画は、売上高が前年同期比10.5-21.0%増、Non-GAAPのコアEPSが同8.6-37.1%増。トランプ政権の対中国関税第4弾によるアップル(AAPL)のiPhone動向が当面のリスク要因だが、機械同士のデータが超高速・超低遅延の5Gで繋がり3Dプリンティングで製造が可能となる「MtoM」時代は多様な製品・市場を取り扱う同社が優位性を発揮すると期待される。(笹木)

メルク(MRK)市場:NYSE ・・・2019/10/29に2019/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

  • 1891年に独E.Merckの米国子会社として設立。バイオ医薬品のグローバルリーダー企業で医療用医薬品、ワクチン、バイオ医薬品、アニマルヘルス製品を提供する。140ヵ国以上で事業展開。
  • 7/30発表の2019/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比12.4%増の117.60億USD、純利益は同56.4%増の26.70億USD。調整後EPSは1.05USDと市場予想の0.99USDを上回った。ガン免疫治療薬「KEYTRUDA」の販売が同58%増と好調に推移。為替変動を除くベースでは同15%の増収。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を従来計画の439-451億USDから452-462億USDへ、調整後EPSを4.67-4.79USDから4.84-4.94USDへ引き上げた。売上高見通しは市場予想の448.45億USDを上回った。一方、Peloton Therapeuticsの買収費用によりEPSは4.02-4.14USDから3.78-3.88USDへ引き下げた。7月にPelotonの買収が完了。腎細胞癌に対するHIF-2α阻害薬開発を推進する。(増渕)

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)市場:NYSE ・・・2019/10/22に2019/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

  • 1983年設立。米国最大の通信事業者で全米にファイバーネットワークを形成。5Gやブロードバンド、広告、IoT、セキュリティ管理などの事業を行う。YahooやTechCrunch、HuffPostなども展開する。
  • 8/1発表の2019/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比0.4%減の320.71億USD、純利益が同4.1%減の40.74億USD。ワイヤレスサービスや光ファイバー「Fios」は伸びたが、退職給付時価調整や債務の早期償還費用などが響いた。調整後EPSは1.23USDと市場予想の1.20USDを上回った。
  • 通期会社計画は、売上高およびリース会計基準変更の影響を除く調整後EPSが前期比1桁台前半の伸び率、商用5G向けを含む資本的支出が170-180億USD。2Qのワイヤレスサービス(ポストペイド)契約者数は45.1万件純増。市場予想の34.9万件純増を上回った。同社は現在9都市で5Gサービスを提供している。5G対応デバイスや受信地域の拡大に伴い顧客基盤が拡大しそう。(増渕)

ヤム・ブランズ(YUM)市場:NYSE ・・・2019/10/31に2019/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

  • 1997年設立。ファーストフードのKFC、ピザのPizza Hut、メキシコ料理のTaco Bellの3つのレストランチェーンを運営する。フランチャイズ方式を中心に140以上の国・地域で48,000超の店舗を展開。
  • 8/1発表の2019/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比4.2%減の13.10億USD、純利益は同10.1%増の2.89億USD。ただ、為替変動を除くベースでは同10%の増収。既存店売上高は同5%増と市場予想の同3.1%増を上回った。調整後EPSは0.93USDと市場予想の0.87USDを上回った。
  • 2019/12通期会社計画は、既存店売上高が前期比2-3%増、為替変動を除く売上高が1桁台中盤から後半の伸び率、為替変動を除くコア営業利益が2桁台前半の伸び率、調整後EPSが3.75USD。2Qには、KFCで331店舗、Pizza Hutで221店舗、Taco Bellで55店舗を出店。比較的客足が鈍っていたPizza Hutも既存店売上高が同2%増と復調しており、引き続き業績を伸ばしそうだ。(増渕)
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