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マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “FRBの資産拡大が年末相場を支えるか?”

“FRBの資産拡大が年末相場を支えるか?”

2019/12/3
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘、増渕 透吾

“FRBの資産拡大が年末相場を支えるか?”

  • 最近のFRBは、流動性注入によってドル資金調達市場を落ち着かせ、短期金利の制御を強めるため、レポ取引や短期国債(財務省短期証券)購入を実施している。短期国債購入はこれまでの資産購入プログラムと異なり長期金利を押し下げて景気を下支えするのが目的ではないため、QE(量的緩和)ではないとFRBは論じているが、株式市場はFRBのバランスシート拡大をQEとみなし、株価上昇を後押ししたのではないかという見方が株式市場で台頭している。
  • 11/25週の米国株式市場は、11/28以降の米国感謝祭シーズン入りを前にして薄商いながら堅調に推移し、11/27にはダウ工業株30種平均株価(NYダウ)で28,174ドルの史上最高値を付けた。その後、トランプ大統領が香港基本人権法案に署名し同法が成立したことから、中国の反発で米中通商協議への影響が懸念された。11/29のNYダウは終値で前日比112ドル安となったものの、28,051ドルと節目の28,000ドルを維持して引けた。
  • FRBのバランスシートは8月末の3兆7,600億ドルから11/20時点で4兆500億ドルに拡大し、2017年後半以来の圧縮幅の40%近くを取り戻した形となった。年末特有の資金需要への対応だけでなく、拡大する米国の財政赤字穴埋めに必要な米国債入札に伴う資金需要に対して手元流動性を確保するため、レポ取引実施とともに短期国債購入が行われていると見られる。その一方、11/18にはパウエルFRB議長とトランプ大統領、およびムニューシン財務長官の会談が行われ、マイナス金利を含む政策金利の水準について議論したと報じられた。FRBが政策金利の引き下げを当面停止すると見られていることに対し、米中貿易協議が合意に至らないことがあった場合に備えてバランスシート拡大によって景気を一定程度は下支えすることが期待されても不思議ではないだろう。
  • ただし、ファクトセットのデータに基づく2019年のS&P500株価指数のEPS(1株当り利益)市場予想は、2019年初では174USDでPER(株価収益率)が14.2倍だったのに対し、11/15時点では163USDで対年初比6.3%減となり、PERは19.2倍となった。S&P500株価指数で11/15終値が対年初比26.0%上昇の3,120ポイントとなったこととは対照的に、市場の利益予想は悪化している。FRBのバランスシート拡大への安心感が株式市場のバリュエーション上昇を支えている面があると考えられるが、2019/12上旬に発表される各種景気指標次第ではバリュエーション面の割高感が目立つようになる懸念もあり、注意が必要であろう。(笹木)
  • 12/3号では、オートデスク(ADSK)ホーメルフーズ(HRL)ターゲット(TGT)ヴイエムウェア(VMW)ウエイスト・マネジメント(WM);、 ウエスタンユニオン(WU)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(11/29現在)

主要企業の決算発表予定

12月3日(火)セールスフォース・ドットコム
12月4日(水)キャンベルスープ、シノプシス、H&Rブロック
12月5日(木)ティファニーダラー・ゼネラルクローガー、ブラウン・フォーマン、アルタ・ビューティ、クーパー

主要イベントの予定

12月3日(火)
  • 豪中銀が政策金利発表
  • NATO首脳会議(ロンドン、4日まで)
  • 自動車販売(11月)
  • ユーロ圏PPI(10月)、ブラジルGDP(3Q)、韓国GDP(3Q)、南アGDP(3Q)
12月4日(水)
  • ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)
  • 下院司法委員会、大統領弾劾調査の公聴会
  • クオールズFRB副議長(銀行監督担当)が下院委で証言
  • ADP雇用統計(11月)、ISM非製造業総合景況指数(11月)
  • ユーロ圏総合・サービス業PMI(11月)、豪GDP(3Q)、中国財新サービス業・コンポジットPMI(11月)
12月5日(木)
  • EU財務相理事会、OPEC総会(ウィーン)
  • クオールズFRB副議長(銀行監督担当)が上院委で証言、インド中銀が政策金利発表
  • 新規失業保険申請件数(11月30日終了週)、貿易収支(10月)、製造業受注(10月)
  • ユーロ圏小売売上高(10月)、ユーロ圏GDP(3Q)、独製造業受注(10月)
12月6日(金)
  • OPECプラス会合(ウィーン)
  • 雇用統計(11月)、卸売在庫(10月)、ミシガン大学消費者マインド指数(12月)、消費者信用残高(10月)
  • 独鉱工業生産(10月)
12月7日(土)
  • 中国外貨準備高(11月)
12月8日(日)
  • 中国貿易収支(11月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

オートデスク(ADSK)市場:NASDAQ ・・・2020/2/27に2020/1期4Q(11-1月)の決算発表を予定

  • 1982年設立。3D技術を使ったデザイン・設計、エンジニアリング、エンターテインメント向けソフトウェアのリーディング企業。1982年のAutoCAD発売以来、様々な3Dソフトを世界に提供している。
  • 11/26発表の2020/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比27.5%増の8.42億USD、純利益が6,670万USDと前年同期の▲2,370万USDから黒字転換。調整後EPSは0.78USDと市場予想の0.72USDを上回った。幅広いプランが成長し、サブスクリプションARRが同49%増の28.60億USD。
  • 2020/1期4Q(2019/11-2020/1)会社計画は、売上高が8.80-8.95億USD、EPSが0.42-0.47USD、調整後EPSが0.86-0.91USD。通期会社計画を上方修正。EPSを0.75-0.87USDから0.80-0.85USDへ、調整後EPSを2.69-2.81USDから2.74-2.79USDへ中央値を引き上げた。アンドリューCEOによると、2Qは建設業向けで勢いがあり、製造業向けもシェアが拡大。無料ユーザーの有料化を進める。(増渕)

ホーメルフーズ(HRL)市場:NYSE ・・・2020/2/20に2020/10期1Q(11-1月)の決算発表を予定

  • 1891年にオースティンで設立した食品会社。食肉加工から始まったが、幅広い製品を手掛ける。「Skippy」、「SPAM」、「Hormel」、「Natural Choice」などのブランドを展開。世界80ヵ国で事業を行う。
  • 11/26発表の2019/10期4Q(8-10月)は、売上高が前年同期比0.9%減の25.01億USD、純利益が同2.3%減の2.55億USD。事業売却を除くオーガニックベースでは同0.8%増収。グロッサリーフードやJennie-Oなど付加価値の高い製品群が伸びた。EPSは0.47USDと市場予想0.46USDを上回った。
  • 2020/10通期会社計画は、売上高が95.0-103.0億USD、EPSが1.69-1.83USD。ASFの影響や世界貿易に関連する不確実性の高まりを想定しているが、オーガニックベースの税引前利益で中期経営計画並みの5-7%の成長を予想している。EPS見通しの市場予想の1.76USDだった。HerdezやSKIPPY、Columbus、Hormel、Bacon 1などのブランドでのイノベーションを継続する方針。(増渕)

ターゲット(TGT)市場:NYSE ・・・2020/3/5に2020/1期4Q(11-1月)の決算発表を予定

  • 1902年設立。ディスカウント百貨店チェーン「Target」など1,862店舗展開(2019/11/2)。雑貨や生活必需品、食品など幅広い商品を提供する。売上高のうち約3分の1が自社ブランド製品である。
  • 11/20発表の2020/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比4.7%増の186.65億USD、純利益が同14.8%増の7.14億USD。調整後EPSは1.36USDと市場予想の1.18USDを上回った。既存店売上高は同4.5%増。オンライン売上高は同31%増。プロダクトミックス改善や費用適正化も増益に寄与。
  • 2020/1期4Q(2019/11-2020/1)会社計画は、既存店売上高が3-4%増、EPSが1.55-1.75USD、調整後EPSが1.54-1.74USD。通期会社計画を上方修正。EPSを6.27-6.47USDへ、調整後EPSを6.25-6.45へ、それぞれ従来計画の5.90-6.20USDから引き上げた。調整後EPS見通しは市場予想の6.18USDを上回った。今年の年末商戦は好調に推移しており同社の販売動向にも期待がかかろう。(増渕)

ヴイエムウェア(VMW)市場:NYSE ・・・2020/2/27に2020/1期4Q(11-1月)の決算発表を予定

  • 1998年創業。仮想化技術のパイオニアで、ソフトウェア・デファインド・データセンター、ハイブリッドクラウドコンピューティング、エンドユーザーコンピューティングに係る製品・サービスを提供する。
  • 11/26発表の2020/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比11.6%増の24.56億USD、純利益が同85.9%増の6.21億USD。Pivotal Softwareへの投資持分からの未実現利益の2.49億USDが寄与した。税効果や無形資産償却費などを除く調整後EPSは1.60USDと市場予想の1.55USDを上回った。
  • 2020/1期4Q(2019/11-2020/1)会社計画は、売上高が前年同期比13.8%の29.50億USD、調整後EPSが2.16USD。通期会社計画を上方修正。EPSを従来計画の15.26-15.44USDから15.96-16.09USDへ、調整後EPSを6.54USDから6.58USDへ引き上げた。10/8にはエンドポイントプロテクションのCarbon Blackの買収が完了。ハイブリッドクラウドやSaaS分野での成長加速が見込まれる。(増渕)

ウエイスト・マネジメント(WM)市場:NYSE ・・・2020/2/13に2019/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1968年設立。全米最大規模の廃棄物管理サービス会社であり、廃棄物の回収、移送、リサイクル、資源回収、処分を行う。廃棄物再エネルギー施設の開発・運営・所有業者としても全米首位。
  • 10/23発表の2019/12期3Q(7-9月)は売上高が前年同期比5.5%増の39.46億USD、純利益が同23.6%減の3.81億USD。ただし、Non-GAAPの調整後営業EBITDAは同3.1%増の11.41億USD。ゴミ収集・処分事業のオーガニック売上高が同5.3%増、営業キャッシュフローが同8.9%増と伸びた。
  • 通期会社計画は、調整後営業EBITDAが44.0-44.5億USD、フリーキャッシュフローが20.25-20.75億USD、調整後EPSが4.28-4.38USDで前回決算発表時と変わらず。リサイクル事業における価格低下をゴミ収集・処分事業の成長で補う見通し。ESG投資指標であるダウ・ジョーンズ・サステイナビリティ指数(DJSI)のWorld Indexに2年連続で選定され、環境関連銘柄として要注目。(笹木)

ウエスタンユニオン(WU)市場:NYSE ・・・2020/2/6に2019/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1851年設立。世界中で資金移動および支払いサービスを提供。サードパーティの代理店ネットワークを通じ、消費者間・企業間で国内送金に加え、国境および通貨を超えた送金取引を取り扱う。
  • 10/31発表の2019/12期3Q(7-9月)は売上高が前年同期比5.8%減の13.06億USD、純利益が同35.2%減の1.35億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同7.5%減の0.49USD。調整後EPSは、2Qに完了した子会社売却、および実効税率の上昇が響き減益だったが、市場予想(0.46USD)は上回った。
  • 通期会社計画は、売上高が前期比1桁台半ばの減収率、調整後営業利益率が20%、調整後EPSが1.70-1.80USD、調整後営業キャッシュフローが9.50億USDで前回決算発表時と変わらず。企業間(BtoB)送金の成長のほか、消費者間(CtoC)送金についてもフェイスブック(FB)が6月に発表した「リブラ」計画が難航する中、同社の安価な国際送金サービスへの期待が高まろう。(笹木)
フィリップ証券株式会社

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