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マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “米国一人勝ち状況がはらむリスク”

“米国一人勝ち状況がはらむリスク”

2021/3/30
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘、李一承

“米国一人勝ち状況がはらむリスク”

  • 米国が欧州との比較で存在感を増している。米国の新型コロナワクチン接種回数は3/28時点で1億4,300万回台となり、人口比でも40%を超えた。バイデン大統領は3/25の記者会見で、大統領就任100日後の4月末までに米国内で2億回の接種を目指すと表明。これに対し、欧州では3/28時点でドイツが1,237万回で人口比約15%、フランスが1,039万回で人口比約16%にとどまり、ドイツでは新型コロナウイルス感染の再拡大がこれまでで最悪となる可能性が指摘され始めた。変異株は感染の伝播力が高くなる傾向があるとも言われており、新型コロナワクチンの普及が進まない中で従来よりも強力な都市封鎖が必要になれば、欧州と米国の経済成長見通しの差が開くことになろう。ユーロドル相場も1月上旬の1.23ドル台から3月下旬の1.17ドル台まで5%下落。また、債券市場でも、長期金利上昇が懸念される米国債と比べ、欧州中央銀行(ECB)はパンデミック緊急購入プログラム(PPEP)の債券購入ペースを加速し、利回り上昇を抑える姿勢を鮮明にしている。これにより米国の長期金利上昇圧力が緩和されることから、高PERグロース株売りに怯えがちな米国株式市場にとって朗報と言えよう。
  • しかし、米国一人勝ちの状況は米国自身にとってもリスクを孕んでいる。既に、米国西海岸行きのコンテナ船の運賃は今年3月で前年同期比2.5倍の水準に跳ね上がるなか、米経済対策による現金給付で個人消費が盛り上がれば、米国を目指す輸送需要が更に膨らみ、運賃上昇加速がインフレへと波及していくリスクが高まろう。そのような事態が想定されるなか、3/23に海運の大動脈であるスエズ運河で巨大コンテナ船が座礁し、物流混乱に拍車がかかっている。海運や航空貨物会社、あるいはフェデックス(FDX)のような物流会社は別として、輸送コスト増が幅広い企業業績に響く可能性があろう。企業によるコスト転嫁の動きが消費者物価に反映するのは遠い先のことではないように思われる。
  • そうなると、米国目指して世界物資の輸送が殺到すれば貿易赤字が膨らむほか、新型コロナ経済対策の大盤振る舞いに加え、3兆ドル規模の環境インフラ投資が実現すれば財政赤字拡大も急速に進むこととなる。1980年代を彷彿とさせる「双子の赤字」の膨張の再来リスクが出てこよう。コモディティは、原油をはじめ貴金属、非鉄金属などの市況が昨秋より概ね堅調に上昇し、「デジタル・ゴールド」と呼ばれる暗号資産のビットコインも高騰するなか、金価格は昨年8月から上値が重い軟調な推移となっている。「双子の赤字」が問題視されることとなれば、インフレ・ヘッジの本命アセットとして再び輝きを増す余地もあろう。ニューモント(NEM)のような金鉱株も出番が近いのかも知れない。(笹木)
  • 3/30号では、フェデックス(FDX)コカ・コーラ(KO)レナー(LEN)ピンドゥオドゥオ(PDD)タペストリー(TPR)ワークディ(WDAY)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(3/26現在)

主要企業の決算発表予定

3月30日(火)PVH、ルルレモン・アスレティカ、マコーミック
3月31日(水)ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、マイクロン・テクノロジー
4月1日(木)カーマックス

主要イベントの予定

3月30日(火)
  • ニューヨーク連銀総裁が討論会に参加
  • 米主要20都市住宅価格指数・FHFA住宅価格指数(1月)、消費者信頼感指数(3月)、
3月31日(水)
  • FRB「補完的レバレッジ 比率(SLR)」の条件緩和措置打ち切り、「OPECプラス」の共同閣僚監視委員会(JMMC)
  • ADP雇用統計 (3月)、中古住宅販売成約指数(2月)
4月1日(木)
  • フィラデ ルフィア連銀総裁がオンラインシンポジウムで講演、米大リーグ開幕、「OPECプラス」閣僚級会合
  • 米自動車販売 (3月)、米新規失業保険申請件数 (27日終了週)、ISM製造業景況指数 (3月)、建設支出 (2月)
4月2日(金)
  • グッドフライデー(聖金曜日)の祝日で欧米・香港株式 市場休場、米債券市場は短縮取引

  • 米雇用統計 (3月)
4月5日(月)
  • マークイット米国サービス業・コンポジットPMI(3月)、ISM非製造業景況指数 (3月)、製造業受注(2月)、耐久財受注(2月)、
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

フェデックス(FDX)市場:NYSE・・・2021/6/24に2021/5期4Q(3-5月)の決算発表を予定 

  • 1971年創業の世界最大の物流会社。航空貨物のFedEx Express、地上貨物のFedEx Ground、小口配送のFedEx Freight、様々なバックオフィス業務を取り扱うFedEX Serviceを主な事業セグメントとする。
  • 3/18発表の2021/5期3Q(2020/12-2021/2)は、売上高が前年同期比23.0%増の215.10億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同2.5倍の9.39億USD。輸送量拡大や送料値上げによりFedEx Expressが同21%増収、陸送が同37%増収と拡大。同25.5%増と嵩んだ人件費を吸収して増益となった。
  • 2021/5通期会社計画は、調整後EPSが前期比85.2-91.6%増の17.6-18.2USD。設備投資計画も従来の51億USDから57億USDへ引き上げた。米小売市場に占めるEC比率が19年末の10.7%か20年末に21%に上昇したなか、米国内ECで配達される小包は2019年の1日当たり3,500万個から2022年には同1.01億個へ急成長すると見込む。米欧の物流ハブを整備して需要増を取込む方針だ。(李)

コカ・コーラ(KO)市場:NYSE・・・2021/4/19に2021/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1886年設立。世界最大の飲料メーカーで200以上の国・地域で500以上のブランドを展開。会社名でもあるコカ・コーラのほか、綾鷹、ネクター、ファンタ、ジョージアコーヒーなどのブランドがある。
  • 2/10発表の2020/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比5.0%減の86.11億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同6.1%増の20.22億USD。調整後内部売上高は同3%減だったが、3Qの同6%減からは改善。販売数量も同3%減と3Qの同4%減から改善。コスト削減と税還付が増益に寄与。
  • 2021/12期の通期会社計画を再発表。内部売上高が前期比1ケタ台後半の伸び、EPSが同1ケタ台後半から10%台前半の伸びとした。決算発表にて米内国歳入庁(IRS)と係争中の過去の納税について最大120億USDの追徴金支払いの可能性があるとしたが、既に年初から2/10までに前年同期比1桁台半ばの伸びとなっている世界販売量は、新型コロナワクチン普及の恩恵が見込まれよう。(李)

レナー(LEN)市場:NYSE・・・2021/6/15に2021/11期2Q(3-5月)の決算発表を予定 

  • 1954年にマイアミで設立した米国最大の住宅建設会社。一世帯向け戸建て住宅のほか、集合住宅や商業用不動産、不動産金融サービスを提供する。子会社のRialtoを通じて資産運用も行う。
  • 3/16発表の2021/11期1Q(12-2月)は、売上高が前年同期比18.2%増の53.25億USD、純利益が同2.5倍の10.01億USD。主力の戸建て販売は、平均販売価格が同1%低下したものの販売戸数が同19.3%増となったことから同18.5%増の49.43億USDと堅調に推移。新規受注も同26%増と伸びた。
  • 2021/11通期の会社計画は、新規受注が前期比10.4-13.9%増の62,000-64,000戸、平均販売価格が同1.3%上昇の40.0万USD、粗利益率が同2.2ポイント上昇の25.0%。今年3月のCME木材先物が1年前の約3倍となるなど木材コストが高騰するなか、サプライチェーン見直しで平均販売価格に占める建設コスト比率を低下させた。バイデン政権は初回住宅購入者向け税額控除を提案中だ。(李)

ピンドゥオドゥオ(PDD)市場:NASDAQ/ADR・・・2021/5/21に2021/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 2015年に設立の中国ソーシャルECプラットフォーム大手。中国テンセントのウィーチャット・QQなどのSNSを使ってユーザー同士の商品情報を共有化し、共同購入システムを展開。越境ECにも進出。
  • 3/17発表の2020/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比約2.5倍の265.48億元、Non-GAAPの調整後純利益が前年同期の▲8.15億元から▲1.85億元へ赤字縮小。年間アクティブユーザー数が同34.7%増の7.88億人となり、広告収益が同95.3%増の189.22億元と伸びて赤字幅縮小に寄与。
  • 通期会社計画は非公表。2020年は、買付平均単価が同15%低下の43.5元だったが、立ち上げた食料品事業が巣ごもり消費の恩恵もあり増収に貢献したほか、アクティブユーザー1人当たり購入回数が同44%増となったことが増収に寄与。中国消費財市場が20年に39兆元に達し更なる成長が見込まれるなか、同社取扱高シェアは4%に過ぎず、シェア拡大による成長余地が見込まれる。(李)

タペストリー(TPR)市場:NYSE・・・2021/5/6に2021/6期3Q(1-3月)の決算発表を予定 

  • 1941年に設立の米多国籍高級ファッションブランド「コーチ」の持ち株会社。2017年にコーチから現社名に変更。ハンドバッグ、ビジネスバッグ、スモールレザーグッズ、ベルト、時計等製造・販売。
  • 2/4発表の2021/6期2Q(10-12月)は、売上高が前年同期比7.2%減の16.85億USD、包括純利益が同8.8%増の3.37億USD。主力のコーチが同3.5%減収、ケイトが同12.7%減収、スチュワートが同 27.0%減収だったが、前四半期比で改善を示した。また、中華圏は前年同期比24.4%増収だった。
  • 2021/6期会社計画は非公表だが、3Q(1-3月)が前年同期比2ケタ台前半の増収率、通期売上高が中国やEコマースへの注力で前期比10%増収を見込む。2Qは中国「独身の日」に初参戦だったこともあり中国本土での売上高が前年同期比約35%増。Eコマース売上高が直近12ヶ月で前年比2倍となるなか「T モール」や 「Tik-Tok」に介したブランド宣伝でEコマースの更なる拡大を見込む。(李)

ワークディ(WDAY) 市場:NASDAQ・・・2021/5/27に2022/1期1Q(2-4月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 2005年に設立。クラウドERP(統合基幹業務システム)大手。グロバール人事業務、給与支払い、財務管理のSaaSベースのエンタープライズ・ソリューションを提供。全世界で3,200社以上が利用する。
  • 2/25発表の2021/1期4Q(2020/11-2021/1)は、売上高が前年同期比15.9%増の11.32億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同50.1%増の1.85億USD。営業利益は▲7,331万USDと前年同期の▲1.46億USDから赤字幅縮小。サブスクリプション収入が同19.8%増、受注残が同21.6%増と拡大。
  • 2022/1期会社計画は、通期のサブスクリプション収入が前期比15.6-16.1%増の43.8-44.0億USD、1Q(2-4月)が前年同期比15.4-15.6%増の18.82億USD。従業員フィードバック・プラットフォーム運営のPeakonへの買収効果のほか、12ヵ月契約サブスクリプション受注残が同19.2%増と堅調なことも増収に繋がろう。4Qの既存客からの新規受注額が同40%以上増と伸びた点が注目される。(李)
  • (※)決算発表の予定は3/26現在であり、変更される可能性があります。
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