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“米ドル安・コモディティ・新興国・新興企業へのシフト”

2021/5/11
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘、李一承

“米ドル安・コモディティ・新興国・新興企業へのシフト”

  • 5/7発表の4月の米雇用統計が市場予想を大幅に下回ったことを受け、景気回復に伴う金利上昇や米ドル高への期待感が後退。ドルインデックスが今年2/26以来の安値を付けた一方、人民元は、中国の4月の輸出の伸びが加速したことから対米ドルで2ヵ月超ぶりの高値を付けた。
  • 当ウィークリー2020年12月29日号において「来年のキーワードは『4つのシフト』」と題し、米ドル安、コモディティ、新興国、新興企業への4つのシフトについて取り上げた。(1)「ドル安シフト」では、FRBのバランスシート拡大により米国が緩和マネーの供給源となり、新興国や資源国にリスクマネーが流れやすい構造・環境が生まれやすくなると述べた。ドルインデックスは年初から3月末まで上昇していたが、4月以降は下落に転じた。それに伴い、米ドル安時に買われやすいとされる金価格についてCOMEX金先物価格が3月末以降、上昇傾向に転じている。世界最大の金鉱会社のニューモント(NEM)の株価も2月末から上昇に転じた。
  • 次に、(2)「コモディティシフト」では、温暖化ガス排出量削減に向けた電気自動車(EV)や再生可能エネルギーインフラ建設の推進に伴う非鉄金属や貴金属の価格高騰が見込まれるほか、温暖化に伴う異常気象や天災の頻発が水や食糧不足を招き、穀物価格などを押し上げる可能性に触れた。銅生産のフリーポート・マクモラン(FCX)や穀物商社のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)が注目されよう。また、温暖化ガス排出の元凶とされる原油も、OPECプラスによる減産の一方、化学製品樹脂の供給不足や旅行その他の移動需要の高まりといった需給の不均衡が懸念されるなか、WTI原油先物価格が2008年7月の過去最高値1バレル=147ドル台からのチャート上の上値抵抗線をブレークし始めた。米石油大手シェブロン(CVX)エクソン・モービル(XOM)などのバリュー株にチャンスがあろう。
  • そして、(3)「新興国シフト」では、2000年から08年までの間、商品価格高騰を背景にBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)ブームに湧いたことが想い起されると述べた。人民元やインドルピアなどの新興国通貨を指数化したMSCI新興国通貨指数の終値をみると、昨年3月末以降は新型コロナウイルス感染拡大が収まらないなかでも上昇傾向を継続し、今年5/7に過去最高値を更新。最後に、(4)「新興企業シフト」では、反トラスト法規制によりハイテク企業でも大手よりも新興企業が買われやすいと述べたなか、最近になってGAFAの税負担率が15%どまりで平均の6割にとどまることが問題視され始めた点は要注意だろう。(笹木)
  • 5/11号では、フリーポート・マクモラン(FCX)アルファベット(GOOG)インテュイティブサージカル(ISRG)ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)ラムリサーチ(LRCX)台湾積体電路製造[TSMC](TSM)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(5/7現在)

主要企業の決算発表予定

5月11日(火)エレクトロニック・アーツ、アメレン、ヘインズブランズ、ペリゴ、トランスダイム・グループ
5月13日(木)ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー

主要イベントの予定

5月11日(火)
  • 米ニューヨーク連銀総裁・ブレイナードFRB理事・サンフランシスコ連銀総裁がオンラインイベントで講演、OPEC月報
  • 米求人件数(3月)
5月12日(水)
  • 米大統領が民主・共和両党の上・下院幹部と会談、クラリダFRB副議長がオンラインイベントで講演、国際エネルギー機関(IEA)月報
  • 米CPI(4月)財政収支(4月)
5月13日(木)
  • 米セントルイス連銀総裁がオンラインイベントで講演
  • 米新規失業保険申請件数(8日終了週)、PPI(4月)
5月14日(金)
  • 米ダラス連銀総裁がオンライン討論会に参加
  • 米小売売上高(4月)、輸入物価指数(4月)、企業在庫(3月)、鉱工業生産指数(4月)、ミシガン大学消費者マインド指数(5月)
5月17日(月)
  • ニューヨーク連銀製造業景気指数(5月)、NAHB住宅市場指数(5月)、対米証券投資(3月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

フリーポート・マクモラン(FCX)市場:NYSE・・・2021/7/23に2021/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定

  • 1987年設立。世界的鉱業会社で米アリゾナ州を本拠地とする。米モレンチ鉱物地区、ペルーのセロベルデ鉱山のほか、世界最大の銅・金鉱床の1つであるインドネシアのグラスベルグ鉱山を運営。
  • 4/22発表の2021/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比73.3%増の48.50億USD、純利益が7.18億USDと前年同期の▲4.91億USDから黒字転換。銅販売は、電気自動車(EV)生産増の追い風を受け、平均単価が同62.1%上昇、販売量が同24.5%増。また、金の平均販売価格も同6.7%上昇。
  • 銅販売量見通しを上方修正。前年度実績の32億ポンドに対し、2021年が38.5億ポンド(従来予想38億ポント)、22年が44億ポンド(同43億ポント)とした。ペルーやチリの銅鉱山で生産を拡大する見込み。また、金販売量見通しを、前年度実績85.5万オンスに対し、2021年が130万オンス、22年が160万オンスとした。非鉄金属・貴金属相場高騰の恩恵を最大限に享受できる可能性があろう。(李)

アルファベット(GOOG)市場:NASDAQ・・・2021/7/30に2021/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 2015年にGoogleの持株会社として設立。検索、YouTube等に係る主力の広告収入およびAndroid等を含むGoogle Services、クラウド基盤のGoogle Cloud、新規事業のOther Betsの3部門を展開。
  • 4/27発表の2021/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比34.4%増の553.14億USD、純利益が同2.6倍の179.30億USD。主力の広告収入が同32.3%増の446.84億USD。うち、検索連動型が企業のデジタル広告支出増により同30.1%増、YouTubeが巣ごもりの動画視聴の恩恵により同48.7%増。
  • 1Qのクラウド部門は、営業利益が▲9.74億USDだったが、売上高が前年同期比45.7%増の40.47億USDと成長。アマゾン・ドット・コム(AMZN)マイクロソフト(MSFT)に追いつこうと大企業との複数年契約の動きが出てきた。また、自動運転や配達用ドローンを手掛ける「Other Bets」部門も、営業利益が▲11.45億USDだが、売上高は同47%増。赤字部門の業績改善余地は大きいだろう。(李)

インテュイティブサージカル(ISRG)市場:NASDAQ・・・2021/7/21に2021/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 1995年に設立。腹腔鏡手術のロボット支援システム「ダヴィンチ」や管腔内視鏡肺生検のロボットシステム「イオン」の開発・製造・販売を行う。ダヴィンチの設置台数は2021年3月末時点で6,142台。
  • 4/20発表の2021/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比17.5%増の12.92億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同32.3%増の4.27億USD。ダヴィンチは、コロナ禍に伴う来院者数制限が緩和したことが寄与し、手術件数が同16%増、出荷台数が同25.7%増。また、消耗品も同14.3%増収。
  • 2021/12通期の会社見通しは、手術件数が前期比22-26%増。新型コロナワクチン普及が肥満、ヘルニア関連の手術件数を押し上げると見込む。一方、イオンに係る新製品への投資増で営業費用は同18-22%増。ダヴィンチは、特許切れに伴う手術支援ロボット開発競争激化の見通しが強まるなか、既に確立した外科手術の標準プラットフォームの地位が揺らぐ可能性は低いとみられる。(李)

ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)市場:NYSE・・・2021/7/21に2021/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 1887年設立。世界60ヵ国に250社以上のグループ企業を有する世界最大級のヘルスケア企業。消費者向けの「コンシューマー・ヘルス」、「医薬品」、および「医療装置」の3事業部門を運営する。
  • 4/20発表の2021/12期1Q(1-3月)は売上高が前年同期比7.9%増の223.21億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同12.5%増の69.24億USD。コンシューマー・ヘルスは同2.3%減収だったが、医療装置が同10.9%増収、医薬品が癌治療薬ダラザレックス、乾癬薬ステラーラ等の貢献で同9.6%増収。
  • 2021/12通期会社計画を上方修正。M&Aや為替などの影響を除く内部売上高を前期比8.7-9.9%増(従来計画:同8.0-9.5%増)、調整後EPSを9.42-9.57USD(同:9.40-9.60USD)とした。同社開発の新型コロナワクチンは稀な血栓の症例からデンマークが使用をとりやめた一方、4/23に米国規制当局が使用再開を勧告。また、今年後半に多発性骨髄腫治療薬「cilta-cel」が米国で認可見通し。(李)

ラムリサーチ(LRCX)市場:NASDAQ・・・2021/7/29に2021/6期4Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 1980年設立の半導体製造装置メーカー。デポジション、エッチ、フォトレジスト除去(ストリップ)、ウエハー洗浄(クリーン)向けに製品を提供する。半導体エッチング装置分野では世界シェア首位。
  • 4/21発表2021/6期3Q(1-3月)は、売上高が前年同期比53.7%増の38.48億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同83.5%増の5.90億USD。先端装置に係るシステム収入が同54.5%増の25.45億USDとなるなか、その内訳では、ファウンドリー向けが同54.5%増、メモリ向けが同71.0%増と伸びた。
  • 2021/6期4Q(4-6月)の会社計画は、売上高(中間値)が前年同期比43.3%増の37.5-42.5億USD。調整後EPSが同46-67%増の7.0-8.0USD。システム収入の31%を占めるファンドリーで世界最大手のTSMC(TSM)が設備投資額を増額するなか、同社は2021年の半導体前工程装置の市場規模見通しを従来の600億台後半‐700億USDから750億USD超へ引き上げた。業績上振れ余地もあろう。(李)

台湾積体電路製造[TSMC](TSM)市場:NYSE/ADR・・・2021/7/30に2021/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1987年設立。世界最大の専業ファウンドリーメーカー。同社製造の半導体は様々な半導体市場に亙り、モバイルデバイス、高性能コンピューター(HPC)、車載半導体、IoT等、各種アプリで使用。
  • 4/15発表の2021/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比25.4%増の129.19億USD、純利益が同28.2%増の49.81億USD。粗利率が同0.6ポイント上昇するなど利益率が向上。前四半期比は、季節要因でモバイル向けが11%減収だが、車載向けが31%、HPC向けが14%、IoT向けが10%の増収。
  • 2021/12期2Q(4-6月)の会社計画は、売上高(中間値)が前年同期比25.7%増の129-132億USDだが、粗利率が同1.5-3.5ポイント低下の49.5-51.5%。世界的な半導体供給不足に対応し、21年の設備投資額を前年比74%増の300億USDと従来計画から7%引き上げたことが利益率悪化に響く見込み。その一方、21年末の受注分から顧客値引きを中止することでコスト増に対応の予定だ。(李)
  • (※)決算発表の予定は5/7現在であり、変更される可能性があります。
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