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“堅調なナスダック〜バイオテクノロジー企業が焦点”

2021/6/15
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘、李一承

“堅調なナスダック〜バイオテクノロジー企業が焦点”

  • 米国10年国債利回りは、今年3月末に1.75%近くまで上昇後、4月の消費者物価指数(CPI)が発表された5/12の終値は1.7%近くの高い水準を示したものの、5月のCPIが発表された6/10の終値は1.43%台に低下。4月のCPIは前年同月比4.2%上昇と12年7ヵ月ぶりの伸びを記録し、5月のCPIは同5.0%上昇と伸びが加速したのとは逆の動きだった。長期金利低下を受けて、直近の1ヵ月間では高PERのグロース株を多く構成銘柄に要するナスダック総合指数の方が、景気循環のバリュー株の寄与度が高いNYダウ平均株価を騰落率で上回っている。
  • この相場の動きをどう読み解けば良いのだろうか。先ず、5/7終値から6/11終値までCME木材先物価格が約37%下落、CBTトウモロコシ先物価格が約17%下落と軟調に推移するなど、長期金利低下がコモディティ相場の下落と連動している。コモディティ相場下落の背景には、6/11発表の5月の中国新車販売が1年2ヵ月ぶりのマイナスとなったことが示すように、中国人民銀行による与信の抑制スタンスに伴う中国経済の減速があるとみられる。これはNYダウ平均株価の上昇力を鈍化させる要因となろう。
  • 次に、5月中旬以降、ナスダック総合指数が相対的に堅調に推移している要因として、欧米以外でも新型コロナワクチン接種が普及し始めたことに伴い、変異株にも高い有効性を示しているmRNA型の同ワクチン開発企業であるモデルナ(MRNA)や独ビオンテック(BNTX)のようなバイオテクノロジー企業の株価上昇が加速したことが挙げられる。これに加え、6/7にバイオジェン(BIIB)と日本のエーザイが共同開発したアルツハイマー病治療薬が米食品医薬品局(FDA)で承認されたことにより、FDAによる今後の新薬承認ペースが早まるとの期待もバイオテクノロジー株への物色を強めている面があろう。今後のナスダック総合指数は、米議会下院の超党派グループが独禁法による規制強化を目指す巨大IT企業4社のGAFAや、半導体不足が短期的に生産・販売量の縮小に繋がるリスクを伴う半導体企業よりも、バイオテクノロジー企業の株価によって下支えされる可能性があろう。
  • 現在、医薬品業界では、半導体業界において見られた水平分業化の動きが進化している。その中で、IQVIA(アイキューヴィア)ホールディングス(IQV)は医薬品開発受託機関(CRO)と医薬品営業マーケティング受託機関(CSO)として世界最大であり、世界主要製薬メーカーの大半を顧客としている。また、ロイヤルティ・ファーマ(RPRX)も、バイオ医薬品業界を網羅した治療薬のロイヤルティを保有しており、注目度が高まろう。(笹木)
  • 6/15号では、オートデスク(ADSK)汽車之家[オートホーム](ATHM)ブロードコム(AVGO)カプリ・ホールディングス(CPRI)ギリアド・サイエンシズ(GILD)ターゲット(TGT)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(6/11現在)

主要企業の決算発表予定

6月15日(火)オラクル
6月16日(水)レナー
6月17日(木)アドビ、クローガー

主要イベントの予定

6月15日(火)
  • FOMC(16日まで)、米・EU首脳会議(ブリュッセル)
  • 米PPI(5月)小売売上高(5月)、ニューヨーク連銀製造業景況指数(6月)、鉱工業生産(5月)、NAHB住宅市場指数 (6月)、企業在庫 (4月)、対米証券投資(4月)
6月16日(水)
  • FOMC声明発表・FRB議長記者会見と経済予測、米ロ首脳会談(ジュネーブ)、 「ビバ・テクノロジー」(パリ、ハイブリッド形式、19日まで):米アップルやフェイスブックのCEOが参加
  • 米輸入物価指数(5月)、住宅着工件数(5月)
6月17日(木)
  • 米証券取引委員会(SEC)がビットコイン上場投資信託(ETF)巡る判断
  • 米新規失業保険申請件数 (12日終了週)、フィラデルフィア連銀製造業景況指数(6月)、 景気先行指標総合指数(5月)
6月18日(金)
  • イラン大統領選挙
6月21日(月)
  • シカゴ連銀全米活動指数(5月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

オートデスク(ADSK)市場:NASDAQ・・・2021/8/25に2022/1期2Q(5-7月)の決算発表を予定 

  • 1982年設立。汎用CADソフトウェア「AutoCAD」などを提供。「建築・エンジニアリング・施工(AEC)」、「AutoCAD・AutoCAD LT」、「製造(MFG)」、「メディア・娯楽(M&E)」の4つの製品別セグメントを営む。
  • 5/27発表の2022/1期1Q(2-4月)は、売上高が前年同期比11.7%増の9.89億USD、純利益が同2.3倍の1.56億USD、Non-GAAPの調整後EPSが同21.2%増の1.03USD。全部門増収のなか、AECの売上高が同15.7%増の4.43億USDと全体を牽引。サブスクリプション収益は同18%増の9.48億USD。
  • 2022/1通期会社計画は、売上高を前期比14-16%増の43.05-43.85億USD(従来計画42.65-43.45億USD)、請求高を同19-22%増の49.3-50.55億USD(同48.5-49.75億USD)へ引き上げた一方、売上高の地域構成変更に伴う平均実効税率上昇により調整後EPSを同15.3-22.7%増の4.67-4.97USD(同4.78-5.08USD)へ引き下げた。建設業を中心にデジタル変革(DX)の需要に支えられよう。(李)

汽車之家[オートホーム](ATHM)市場:NYSE/ADR・・・2021/8/25に2021/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 2005年設立の中国企業。自動車情報サイト「汽車之家」と「二手車之家」のほか、ディーラーや個人向けに新車や中古車を売買するマーケットプレイスを運営。自動車ローンや保険の仲介も営む。
  • 5/27発表の2021/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比19.1%増の18.42億元、Non-GAAPの調整後純利益が同13.7%増の7.35億元。中古車サイト「天天拍車」の連結対象化で、マーケットプレイスが同74.0%増と増収に寄与。販管費が同32.3%増と嵩んだが、法人税半減により増益を確保。
  • 2022/1通期会社計画は非公表。半導体不足に伴う自動車生産の停滞により新車販売が伸び悩むなか、今年1-4月の電気自動車(EV)販売高は前年同期比約3.9倍に拡大。同社はEVメーカーとの提携強化のほか、メインアプリのインターフェースの合理化で若い年齢層ユーザーの獲得方針を示した。中古車販売拡大方針の下、20年10月、中古車オークションサイト大手「天天拍車」に出資。(李)

ブロードコム(AVGO)市場:NASDAQ・・・2021/9/3に2021/10期3Q(5-7月)の決算発表を予定 

  • 1961年設立のブロードコムを2016年にアバゴ・テクノロジーが買収。CMOS(相補型金属酸化膜半導体)およびIII-V族半導体(化合物半導体)を中心に幅広い半導体デバイスを設計・開発・販売。
  • 6/3発表の2021/10期2Q(2-4月)は、売上高が前年同期比15.1%増の66.1億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同28.3%増の29.8億USD。通信インフラソフトウエア部門が同4.4%増収。一方で、主力の半導体ソリューション部門は、ブロードバンドが同28%増収と牽引し、同19.7%増収と伸びた。
  • 2021/10期3Q(5-7月)の会社計画は、売上高が前年同期比16.0%増の67.5億USD、調整後EBITDAが同21.2%増の40.5億USD、調整後EBITDAマージンが同2.6ポイント上昇の60%。半導体ソリューション部門は2Q並みの増収率を見込む。一方、通信インフラソフトウエア部門は顧客のサービスプロバイダーなどに年内供給可能量の9割を販売済みのため、半導体不足の影響は限定されよう。(李)

カプリ・ホールディングス(CPRI)市場:NYSE・・・2021/8/5に2022/3期1Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 1981年設立の衣料品・アクセサリーのデザイン会社。米著名ファッションデザイナーのマイケル・コース氏に由来するブランドを擁するほか、「ジミーチュウ」および「ヴェルサーチ」のブランドを買収。
  • 5/26発表の2021/3期4Q(1-3月)は、売上高が前年同期比0.4%増の11.97億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同3.7倍の5,900万USD。ブランド別売上では、マイケルコースが同3.9%減の8.38億USD、ヴェルサーチが同10.3%増の2.35億USD。Eコマースが前四半期比で約80%増収と拡大した。
  • 2022/3通期会社計画は、売上高が前期比25.6%増の51.0億USD。Non-GAAPの調整後EPSが同94.7-100%増の3.7-3.8USD、粗利率が同0.5ポイント上昇64.5%。また、1Q(4-6月)の売上高が同2.4倍の11億USD、調整後EPSが前年同期の▲1.04USDから0.75USDへ黒字転換。2Q以降は新型コロナワクチン接種普及に伴い、欧州、カナダ、アセアンの店舗復旧による回復が見込まれよう。(李)

ギリアド・サイエンシズ(GILD)市場:NASDAQ・・・2021/7/30に2021/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定 

  • 1987年に創立。遺伝子組み換えなどの技術を使い、生命に危険を及ぼす難病に対する治療法の研究・発見・開発・商品化を行うバイオ製薬大手。HIV、AIDS、C型肝炎など主な事業分野とする。
  • 4/29発表の2021/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比15.8%増の64.23億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同22.9%増の26.28億USD。新型コロナ治療薬「Veklury」(レムデ シビル)の上市効果(14.56億USD)のほか、乳癌治療薬「Trodelvy」、CAR-T細胞療法の「Yescarta」も増収に寄与。
  • 2021/12通期会社計画は以下の通り。製品売上高が前期比2.7%減-3.1%増の237-251億USD。内、「Veklury」が同11.1%減-33.3%増の20-30億USD。新型コロナワクチン接種普及を見込み、「Veklury」の販売見通しを慎重なスタンスとする一方、「Trodelvy」は、尿路上皮癌にも適応として米国で承認されたことに続き、下半期に乳癌治療薬としてEU承認を目指す方針とした。(李)

ターゲット(TGT)市場:NYSE・・・2021/8/18に2022/1期2Q(5-7月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1902年設立。米国内にディスカウント百貨店チェーン「Target」など1,871店舗を展開。雑貨や生活必需品、食品など幅広い商品を提供する。売上高のうち約3分の1が自社ブランド製品である。
  • 5/19発表の2022/1期1Q(2-4月)は、売上高が前年同期比23.4%増の241.97億USD、純利益が同7.4倍の20.97億USD。既存店売上高が同22.9%増と市場予想(同10.1%増)を上回った。うち、実店舗が同18%増収に対し、オンライン販売「target.com」が同50%増収と堅調に伸びた。
  • 2022/1期2Q(5-7月)の会社計画は、既存店増収率が前年同期比1桁台半ば〜後半。また、下半期の既存店売上高が同1桁台の伸びのほか、通期の営業利益率が前期の7%を上回り8%に達するとの見通し。1Qの即日受取りサービスが同90%以上増収となり、内、車での「ドライブ・アップ」が同2.2倍とデジタル販売増に寄与。車で到着後に商品を2分以内に受け渡すサービスが奏功。(李)
  • (※)決算発表の予定は6/11現在であり、変更される可能性があります。
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