“メタとアマゾン、半導体銘柄、エクソン・モービル、ゲーム”
- 2/3の米株式市場で、低調な決算を背景に旧フェイスブックのメタ・プラットフォームズ(FB)の時価総額が約2,513億ドル減少し、米企業の1日当たりの時価総額喪失としては史上最大規模に達した。その翌日、今度はアマゾン・ドット・コム(AMZN)が予想を上回る決算に加えてプライム会員費引上げが好感され、時価総額が約1,910億ドル増加と1日当たりの増加額で過去最大を記録した。なお、4日におけるアップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)
、アルファベット(GOOGL)、テスラ(TSLA)の合計での時価総額変動額が約630億ドルの増加。これにアマゾンの増加額を加えると、ほぼ3日のメタの時価総額減少額に等しい。米国株において「GAFA+MT」のどれか特定の銘柄に偏るよりはポートフォリオで分散保有しておくことの有効性が認識されよう。
- 半導体関連銘柄に関しては、4日に米議会下院で中国に対抗して先端技術の競争力向上を目指す包括法案(米国競争法案)が可決。半導体の生産や研究開発に520億ドルの補助金を投じる内容としている。これにより、半導体大手インテル(INTC)の生産工場建設と半導体ファウンドリ事業進出が促進されよう。インテル(INTC)から市場シェアを奪いつつ成長中のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)
は、前回の米国ウィークリー「3月FOMC、売られ過ぎグロースにもチャンスか?」で述べたように、1月下旬の下落局面は短期的に押し目買いのチャンスだったかもしれない。昨年10月前半に100USD近辺の揉みあいから11月に向けて高騰したことから、100USDは押し目の目処になりやすいポイントだっという面もあろう。
- WTI原油先物価格が7年ぶりの高値水準に到達した。2008-14年の間は1バレル100USDを挟んで大きな三角保ち合いで推移していたことから、中長期では平均的水準に回帰してきたと言えなくもない。そのようななか、石油大手エクソン・モービル(XOM) の2021年10-12月期決算でも原油価格高騰を受けて純損益が88億7千万ドルの黒字と7年ぶりの高水準となった。同社の株価は2014年夏に100USDを超えていた時期があったのに対し、2/4終値は81.41USDにとどまる。配当利回りも含めて、投資チャンスと見る余地もあろう。
- 仮想空間のメタバースにおけるゲーム事業の主導権争いを巡り、マイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザード(ATVI)の買収発表、ゲームソフト大手テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア(TTWO)によるモバイルゲームのジンガ(ZNGA)買収、日本のソニーによるゲーム開発のバンジーの買収など、ゲームソフト会社の買収報道が相次いだ。強いIP(知的財産)を有するゲームソフト大手への買収可能性は中長期で継続すると見るべきだろう。(笹木)
- 2/8号では、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD) 、エレクトロニック・アーツ(EA)、ファイザー(PFE) 、スポートレーダーグループ(SRAD)、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)、ウィン・リゾーツ(WYNN)を取り上げた。
ウィークリーストラテジー
S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(2/4現在)
主要企業の決算発表予定
2月8日(火) | ペイコム・ソフトウエア、FMC、アシュラント、アトモス・エナジー、UDR、ジャック・ヘンリー・アンド・アソシエーツ、フリートコア・テクノロジーズ、エンフェーズ・エナジー、ステリス、オムニコム・グループ、チポトレ・メキシカン・グリル、インサイト、マスコ、ウィリス・タワーズ・ワトソン、ジェイコブズ・エンジニアリング・グループ、シスコ、Carrier Global Corp、ファイザー、センティーン、ファイサーブ、S&Pグローバル、トランスダイム・グループ、デュポン・ド・ヌムール、ガートナー |
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2月9日(水) | MGMリゾーツ・インターナショナル、ルーメン・テクノロジーズ、ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー、シージェン、セリディアンHCMホールディング、エベレスト・リー・グループ、モトローラ・ソリューションズ、エキファックス、トリンブル、オライリー・オートモーティブ、フォックス、CVSヘルス、ヤム・ブランズ、CMEグループ、CDW゛ |
2月10日(木) | ツイッター、リージェンシー・センターズ、モホーク・インダストリーズ、リパブリック・サービシズ、モノリシック・パワー・システムズ、イルミナ、デクスコム、メトラー・トレド・インターナショナル、エクスペディア・グループ、ダビータ、バイオ・ラッド・ラボラトリーズ、ファーストエナジー、ベリサイン、ケロッグ、デューク・エナジー、フィリップ・モリス・インターナショナル、コカ・コーラ、ハンティントン・インガルス・インダストリーズ、Linde PLC、インターパブリック・グループ、データドッグ、タペストリー、ペプシコ、ラボラトリー・コープ・オブ・アメリカHldg、ムーディーズ、グローバル・ペイメンツ、マーチン・マリエッタ・マテリアルズ、DTEエナジー、ゼブラ・テクノロジーズ |
2月11日(金) | アンダーアーマー、ドミニオン・エナジー、ニューウェル・ブランズ |
2月14日(月) | アリスタネットワークス、アドバンス・オート・パーツ |
主要イベントの予定
2月8日(火) |
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2月9日(水) |
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2月10日(木) |
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2月11日(金) |
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2月12日(土)13日(日) |
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- ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成
銘柄ピックアップ
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)市場:NASDAQ・・・2022/4/27に2022/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
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エレクトロニック・アーツ(EA)市場:NASDAQ・・・2022/5/10に2022/3期4Q(1-3月)の決算発表を予定
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ファイザー(PFE)市場:NYSE・・・2022/2/8に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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スポートレーダーグループA(SRAD)市場:NASDAQ・・・2022/2/24に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
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ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS))市場:NYSE・・・2022/4/26に2022/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
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ウィン・リゾーツ(WYNN)市場:NASDAQ・・・2022/2/9に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定
(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。 |
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- (※)決算発表の予定は2/4現在であり、変更される可能性があります。