主な企業決算の予定
5月3日(火) | ベリスク・アナリティクス、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)、マッチ・グループ、 アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、スカイワークス・ソリューションズ、 エアビーアンドビー、スターバックス、バイオジェン、 ファイザー、デュポン・ド・ヌムール |
---|---|
5月4日(水) | フォーティネット、メットライフ、コグニザント・テクノロジー・ソリューションズアンシス、イーベイ、 ブッキング・ホールディングス、CVSヘルス、リジェネロン・ファーマシューティカルズ、アイデックスラボラトリーズ、エマソン・エレクトリック、 モデルナ、マリオット・インターナショナル |
5月5日(木) | イルミナ、バーテックス・ファーマシューティカルズ、Lucid Group Inc、コノコフィリップス、データドッグ |
5月9日(月) | エクセロン、デューク・エナジー |
主要イベント・経済指標の予定
5月3日(火) |
|
---|---|
5月4日(水) |
|
5月5日(木) |
|
5月6日(金) |
|
5月9日(月) |
|
注目点
-
パウエルFRB議長は4/21、5月3-4日開催のFOMCで0.50%の利上げが「検討される」と述べた。フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場は22日の時点で、政策金利が現行の0.33%から11月に2.59%、来年2月に2.98%に引き上げられるとの見方を織り込んでいる。また、FRBが6月からのバランスシート縮小開始を発表するかどうかも焦点だ。景気冷え込みに弱い消費関連、景気敏感株、およびバランスシート拡大の恩恵を受けてきた大手ハイテク株の反応が注目されよう。
S&P500配当貴族指数構成銘柄
-
「S&P500配当貴族指数」とは、S&P500指数構成銘柄のうち25年連続して増配している株式を対象とした均等加重型の株価指数で、時価総額30億ドル以上の優良大型株のパフォーマンスを図る目的で設計されている。連続増配年数最長59年の企業を見ると、コカ・コーラ(KO)、J&J(JNJ)、P&G(PG)といった日本人にも馴染みの深い企業で株式市場では「ディフェンシブ銘柄」として、景気が冷え込む懸念が強い場合に「業績が景気に左右されにくい」という理由で物色されやすい銘柄が含まれる点は特徴的だ。
増配年数上位の中には成長株投資の観点では好まれない「複合企業」も名を連ねている。事業ポートフォリオ入替えに伴う利益率向上で景気に左右され難い経営体質を構築しているとみられる。
S&P500配当貴族指数構成銘柄〜継続は力なり、連続増配年数25年以上
米半導体関連は見直し余地大
-
米国半導体関連企業30銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体指数(SOX)は、米金利上昇に伴うグロース株売りを受け、1月上旬に付けた史上最高値水準から2割以上下落して推移。一方、14日に2022年1-3月期決算を発表した台湾積体電路製造(TSM)は半導体需要の堅調な推移が続くと想定しており、2022年の設備投資計画は400-440億ドルと前期の300億ドルから大幅増としている。半導体関連の中でも半導体製造装置に係る銘柄はその恩恵を享受すると見込まれる。
半導体関連銘柄の中には、低PERのバリュー株として注目されるものも出て来ている。堅調な需要が続く想定の下では大幅減益のリスクが限定され、投資チャンスが増している面もあろう。好決算の場合の株価の好反応も期待されよう。
米半導体関連は見直し余地大〜高水準の設備投資で低PER銘柄に焦点
ウクライナ情勢の歴史的経緯
-
2/24に開始されたロシアのウクライナ侵攻に関して過去の経緯を知ることは、今後の株式市場の見通しを立てる上で重要だろう。1991年にソ連の解体と共にロシア、ウクライナ、ベラルーシの3国が中心となって独立国家共同体(CIS)が結成され、アルマ・アタ宣言により、ロシアはウクライナ領域内の旧ソ連の核兵器を全て承継した替わりにウクライナのクリミア半島領有を認めていた。更に、1994年採択のブダペスト宣言で核保有国がウクライナを攻撃しないと約束していた。
2004年12月のオレンジ革命に続く2014年2月のユーロマイダン革命により親ロシア派のヤヌコーヴィチ大統領がロシアに亡命。それを受け、ロシアのプーチン大統領が2014年3月にクリミア半島のロシアへの併合を宣言した。
ウクライナ情勢の歴史的経緯〜ユーロマイダン革命以降、ロシアが前面に
FRBバランスシートと大型成長株
-
FRBが4/6に公表した3/15-16のFOMC議事要旨では、FRBが保有国債を月600億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を月350億ドル(合計月950億ドル)削減することで「概ね合意」していたことが判明。前回の2017-19年の資産圧縮(月100億ドルから段階的に500億ドルへと増額)を大幅に上回るペースとなる見通しだ。
FRB資産総額が2020年2月から22年3月まで2倍超に拡大したなか、昨年末時点でのS&P500株価指数は20年3/20終値から約2.0倍。同様にアップル(AAPL)が約3.1倍、マイクロソフト(MSFT)が約2.5倍、アルファベット(GOOGL)が約2.7倍、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が約1.8倍となった。資産圧縮による反動が懸念されることから利益成長の持続性とともにに予想PER水準が重要視されよう。
FRBバランスシートと大型成長株〜バランスシート急拡大恩恵の反動は?
米国株とVIX指数の動向
-
ロシアのウクライナ侵攻は、度重なる停戦協議の開催も攻撃が続き、長期化の様相を呈している。このような動きに対し、米株式市場に対する投資家の不安心理を表す「VIX指数」の終値は3/7に36ポイント台まで上昇後、3/28-4/4は平均的に中立と言われる20ポイントを下回るなど「リスクオン」復活の兆しが見られたものの、その後は再び上昇に転じている。
最近半年間のS&P500株価指数とVIX指数の動向を見ると、VIX指数が20ポイントを下回るまで株価が上昇。その後、VIX指数の30ポイント超までの上昇に伴って株価が下落。買いタイミングの目処としてVIX指数が注視されよう。また、VIX指数先物は今秋の米中間選挙頃までの価格変動率の高まりを示唆。それまでの間は上値が抑えられやすくなる可能性もあろう。