先週の値動きから1)本邦通貨当局の円安牽制も「ドル高」という現状からは限界があること 2)「ドル高是正」が各国の共有認識に至っていないこと 3)FRBはインフレ鈍化への懐疑的な見方とともに早期利下げにより慎重姿勢を高めていることなどを確認。
そのため今週は、1)4/30-5/1のFOMCでの利下げ開始への言及の有無を含む声明の行方を占う上で4/26発表の米3月PCEコアデフレーターの結果と反応 2)4/25-26の日銀金融政策決定会合で「展望レポート」を踏まえた年内利上げの可能性への言及の有無、さらにはトーンの濃淡も含めて日米金利差拡大あるいは縮小観測につながるか 3)イラン、イスラエル両国の報復を巡る緊張継続がもたらすリスク回避の動きによる金融市場への影響などが焦点となります。こうした点を踏まえ節目とされる155円を上抜け円安が一段と加速するか、当局による円買い介入により日足・転換線/基準線(153円18銭/151円40銭)までの調整が進むか注目されます。
4/16にIMFが発表した世界成長率見通しで米国は1月時点から上方修正されたのに対しユーロ圏はドイツやフランスとともに下方修正され欧米の景況感の強弱をあらためて確認。こうした中、4/22-24にかけてユーロ圏4月消費者信頼感指数、製造業/サービス業PMI、ドイツIFO企業景況感指数に加え、4/25-26の米1-3月期GDPや米3月PCEコアデフレーターの結果と反応が注目。そのため、先週4/16の1.0601ドルを下抜けた場合、心理的節目とされる1.0500ドル割れを目指す可能性に注意が必要です。一方、ユーロ円は日足・基準線(163円21銭)を下値支持線として3/20の165円35銭を目指す展開となるか、日銀政策会合や当局による円買い介入の有無を含めたドル円の動向が方向性を左右することになります。