ユーロは13日の安値(1.1524ドル)での底入れか、再度下落基調に転じるか?
ユーロは9月29日に8月20日の安値(1.1664ドル)を下抜けて以降、その後も軟調な値動きを続け先週13日には昨年7月22日以来の安値となる1.1524ドルまで下落しました。200週移動平均線(1.1571ドル)や週足・雲の下限(1.1558ドル)を割り込む場面がみられたものの、これらの水準を下値支持線として下げ止まり、心理的節目とされる1.1500ドル割れを回避しております。
先週13日に発表された米9月消費者物価コア指数が予想通りの結果となったことを受けて過度なインフレ懸念が後退したことに加え、FOMC議事要旨が新味に欠ける内容だったことから米長期金利が低下し、14日には1.1624ドルまで反発しました。しかし、NY株式市場の大幅高を背景にしたリスク選好のユーロ買いと、米長期金利の上昇によるドル買いとが交錯する中、1.1589ドルから1.1619ドルと1.1600ドルを挟んで方向感のない値動きに終始し1.1599ドルで先週末の取引を終えました。
先週12日に発表されたIMFの成長率見通しではユーロ圏は前年比+5.0%と7月時点(+4.6%)から上方修正された一方、ドイツやスペインの成長率見通しは下方修正されました。また、10月の独ZEW景況感指数も、現況・期待指数が共に低下するなど、足もとの供給制約や天然ガスなどのエネルギー価格上昇の影響が要因とされました。今週22日に発表されるドイツやユーロ圏10月製造業、サービス業PMIが予想を下回る低下となれば、ユーロ圏経済の回復が緩やかに留まるとの見方とともに、ECBの金融政策の現状維持が当面続くとの見方を裏付ける結果となる可能性もあり、ユーロは先週13日の安値(1.1524ドル)を試す可能性もあるかもしれません。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
一方、8月20日の安値(1.1664ドル)を回復すれば、9月13日の安値(1.1524ドル)で一旦の底入れを確認することになるだけに、9月3日の高値(1.1909ドル)から10月13日の安値(1.1524ドル)までの下落に対するフィボナッチ38.2%戻しの水準(1.1671ドル)、さらに50%水準(1.1717ドル)を目指して上昇基調に転じると見られます。
ポンドは日足・雲を上抜け一段高となるか?
先週12日に発表された英8月雇用統計は概ね予想通りの結果となったほか、求人件数の増加を受け今後の失業率の上昇を抑制する可能性が示されました。さらに、IMFによる英国の今年の成長率見通しが6.8%と7月時点(7.0%)へ下方修正されたものの、G7各国の中では最も小幅な修正に留まったこと、さらに原油価格の上昇もポンド上昇の支援材料になりました。
先週後半以降、それまで上値抵抗線として意識されていた日足・基準線(1.3662ドル)を上抜け、10/15には9/17以来の高値となる1.3772ドルまで上昇しました。また、ポンド円がEU離脱が正式に決定された国民投票の結果判明後の下落分を取り戻し2016年6月以来の高値となる157円41銭まで上昇したこともポンドの対ドルでの上昇を支援する一因となりました。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
ポンドは7月30日の高値(1.3983ドル)と9月3日の高値(1.3891ドル)を結んだラインおよび日足・雲の下限(1.3777ドル)や上限(1.3788ドル)を上抜けることができれば一段の上昇が見込まれるかもしれません。
ユーロ安・ポンド高が進むか?
今週は19日に英中銀ベイリー総裁の発言があり、インフレ見通しとともに年内もしくは来年早期の利上げの可能性を示唆する発言があるか注目されます。さらに20日には9月消費者物価指数が発表され今年12月もしくは来年2月の利上げ観測が高まるか注目されます。こうした動きを受けて英中銀とECBとの金融政策の方向性の違いが一段と鮮明になる可能性もあり、先週末にユーロが対ポンドで昨年2月27日以来の0.8424ポンドまで下落。10月1日以降からの日足・転換線(0.8473ポンド)を上値抵抗線とする下落基調が続いており、一段の下落が進むか注目されます。
FXデビュープログラム実施中!
FX口座の新規開設をして、口座開設月の翌月最終営業日までにエントリー&お取引いただいたお客さまに、新規取引の合計数量に応じて最大100,000円をキャッシュバックいたします。
- ※エントリーと取引の期限は、FX口座開設月の翌月最終営業日(取引終了時間まで)となります。取引時間についてはこちら
- ※FX口座開設前のエントリーも有効となります。
SBI証券のFXが選ばれる4つの理由とは?
SBI証券のFXが選ばれるのには理由があります。
FXデビューをお考えの皆さまに、SBI証券ならではの充実したサービスをご紹介いたします。
- ※1 2019年11月末時点 矢野経済研究所調べ(有力FX企業17社の月間データランキング)
- ※2 2020年5月末時点 SBIグループのうち、約7割がSBI証券のFX口座