【欧米を中心とする投機筋のドル円の買いが継続、通貨先物市場での円の売越幅は4ヶ月ぶりの高水準】
欧州市場でのユーロ/ドルの反発にも、対円でのドルは123円台半ばにかけて押目買いが根強く、ドル/円は底堅い推移となった。その後の米国市場では、米経済指標の結果や月末のロンドンフィキシングを意識した値動きとなり、しばらく不安定な地合いが続いた。一方、欧州株安が重しとなった米国株は米GDP改定値がマイナス成長となったことから、経済の先行きに対する不安が高まり下値を広げる場面もあったが、引けにかけては下げ幅が縮小した。
(図1 白・・・ドル円、黄色・・・米10年債利回り、オレンジ・・・S&P株価指数)
(出所:ブルームバーグ)
月末要因のユーロ買い需要観測もあり、ユーロは対ドル、ポンドでの買戻しが優勢となる一方で、ポンドは対主要通貨での売り圧力が継続する中、ポンド/ドルは英総選挙結果開票当日の安値1.5240ドル水準まで一時下落するも、その後、持ち直す動きとなった。
(図2 白・・・ユーロドル、オレンジ・・・ユーロポンド、黄色・・・ポンドドル)
(出所:ブルームバーグ)
CEM通貨先物市場の投機筋円売りポジションは、3週間ぶりに拡大し、約4ヵ月ぶりの高水準となった一方で、ユーロ売りポジションは5週間ぶりに拡大した。今回の円安局面で大量の円売りに動いたヘッジファンドなどの投機筋に対し、相場の急変に警戒を強めつつある当局からの言動には注意が必要。
(図3 白・・・円ドル、オレンジ・・・IMM通貨先物ポジション(円対ドル))
(出所:ブルームバーグ)
(図4 白・・・ユーロドル、オレンジ・・・IMM通貨先物ポジション(ユーロ対ドル))
(出所:ブルームバーグ)