【黒田日銀総裁の“実質実効為替レート”に関する発言で、ドル円が急落】
黒田日銀総裁が、衆議院財務金融会議で「実質実効為替レートでみると円安になっているのは事実」と述べ、ドル円は昨日だけで約2円下落した。一方で欧州時間に、甘利経済再生相が黒田総裁の発言がゆがめられて伝わっていると述べた事が伝わると、ドル円は僅かながら反発した。市場参加者の一部には、本邦金融政策当局のトーンが明確に変化しているとの見方もあり、今後の動向に注目。ドル円の下落に伴い、日経平均先物も下落する場面も見られたが、海外市場の取引が活発化すると反発する場面もあった。
(図1 白・・・ドル円、黄・・・CME日経平均先物)
(出所:ブルームバーグ)
黒田発言を受けたドル円の急落に対するドル対その他通貨への影響は比較的軽微だった。
(図2 白・・・ドル円、黄・・・ユーロドル、緑・・・豪ドル米ドル)
(出所:ブルームバーグ)
NY市場のスタート時点では、S&P株価指数が大きく上昇していた事が確認できる。為替と債券利回りに大きな反応は確認できない。
(図3 白・・・ユーロドル、黄・・・米国10年債利回り、緑・・・S&P株価指数)
(出所:ブルームバーグ)
昨日、ドイツ10年債利回りは1%を超えた。日・独・米の長期国債利回りは、4月中旬以降、利回りが全般に急上昇している事が確認できる。
(図4 白・・・米国10年債利回り、黄・・・ドイツ10年債利回り、緑・・・日本10年債利回り)
(出所:ブルームバーグ)