前営業日トピックス
世界の主要市場で株価が上昇となったことから、投資家のリスク回避の動きも和らぎ、全般的に円を売る動きが優勢となった。特に、ここまで大きく下落していた豪ドルなどの資源国通貨や、新興国通貨は週後半に株価が反発したことを受けて値を戻す動きが続いている。米国市場では、注目された2Q米GDPが市場予想を上回る結果となったことから、ドル買い・円売りが優勢となり、米株価上昇も加わり、ドル/円は121円台に回復する場面もあった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京株式市場の引け後に、それまでもみ合いの展開が続いた上海株が150ポイント以上の急騰となったことで、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、円売りが優勢となる。
(2)NY市場序盤に発表された米GDP改定値が、市場予想を上回る結果となる。また、個人消費も堅調な結果となり、米経済の先行き期待も膨らむ。
(3)米ダウ平均株価が、一時前日比で380ドル以上の上昇となり、円売り・ドル買いが優勢となった。
(4)ダウ平均株価が上げ幅を300ドル以上縮小する動きとなったことから、リスク回避の動きが強まり、ドル/円は120.50台まで下げる場面もあった。しかし、引けにかけては再びダウ平均が300ドル以上上昇する動きとなったことから、ドル円・クロス円も値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
今週は、各主要市場の株価の動きが為替相場を左右する展開が続いており、本日も各市場の動きに注目したい。米国市場では、昨日の米GDPや雇用関連の経済指標が予想以上に良い結果となったことを受けて、景気の先行き期待も高まっている。本日の指標結果が良好となるなら、来週の雇用統計に向けた期待感が高まる可能性も考えられることから、結果には注目したい。また、今週は、米国市場終盤に株価が荒い動きとなるケースが目立っており、特に週末であることからも注意したい。
8/28の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 |
7月個人支出(前月比)
1ヶ月間に、耐久財(自動車や家電製品など)や、非耐久財(食品や衣料など)、サービス支出(外食・旅行など)において、実際に個人が消費支出した金額について集計した経済指標。
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0.4% | 0.2% |
前回、やや低下したもののプラスを維持。今回は一段の伸びが予想しており、個人消費の好調さが示されるのか注目したい。 | |||
23:00 |
8月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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93.1 | 92.9 |
前回は、信頼感指数や現況指数、そして先行き指数のいずれも2ヵ月連続の低下となり、消費者のマインドが低下していることが示された。今回は、若干改善が予想されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、移動平均線の上側で推移しており、堅調な動きが続いている。移動平均では、両線が上向きとなっているが、短期ライン(赤)の動きが失速する場合や、移動平均線と価格との乖離幅が広がる場合には、転換となる可能性も考えられることから注意したい。目先の上値のポイントは、レジスタンスの87.15となり、ここを上抜けるのか注目したい。ここを上抜ける場合には一段の上昇も考えられる。一方、下値のポイントはサポートの86.26とトレンドラインがポイントとなり、その下がのポイントは85.78となる。
気まぐれ投資コラム
移動平均線のまとめと注意点
※出所:FX総合分析チャート
移動平均線は、1本や2本の移動平均線を使用して分析することが一般的である。しかし、3本線を使用するトリプル・クロスオーバー法(4日-9日-18日や5日-10日-20日などの組み合わせ)や、10本以上の移動平均線を使用する多重移動平均線など、幅広く使える。また、基本的には終値ベースで作成(単純移動平均線)されているが、高値移動平均線や安値移動平均線、加重移動平均線(期間内で直近の価格に荷重をかけて計算する)、指数平滑移動平均線(価格を過去に遡り平均化して計算する)などの多様な移動平均線もある。ただ、移動平均線は、一定のトレンドが形成される相場展開の場合には、有効なシグナルを見つけることができるが、乱高下の多い動きや、もみ合いの相場展開の場合には、有効なシグナルが出にくいという欠点がある。このような相場展開の場合の分析には、移動平均線は不向きである。