前営業日トピックス
東京や欧州の主要株価が軟調な動きとなったことで、リスク回避の動きが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。そして、海外市場では、エマージング通貨の売りが優勢となった。特に、CDS市場でブラジルの債務保証コストが上昇し、ブラジルレアルが過去最安値を更新する動きとなったことが要因となった。ドル円・クロス円もリスク回避の動きからやや軟調な動きとなったが、ユーロは追加緩和に慎重な姿勢を示した前日のECB総裁の発言が引き続き材料視され、ドルなどに対して堅調な動きとなった。その後、株価が下げ幅を縮小するなど、リスク資産の買い戻しの動きも見られ、ドル円・クロス円は終盤にかけて堅調な動きとなった。なお、ブラジル当局が市場介入したことも反発の一因となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価や欧州主要株価が下げ幅を拡大する動きとなった。特に、ドイツ自動車大手の排ガス規制逃れ問題が、ドイツ経済にも悪影響を及ぼすとの懸念を背景に、独株が大きく下落する動きとなった。
(2)米住宅関連の経済指標が堅調な結果となったものの、東京や欧州株が下落したことを受けて、米主要株価も下落し、リスク回避の動きが強まった。また、イエレンFRB議長の講演を控えてポジション調整の動きも見られた。
本日のトピックス
昨日は、アジア市場や欧州市場での株価下落を受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなったが、本日のアジアの株式市場で株価の反発が見られるのかどうかに注目したい。そして、資源国・新興国通貨は、米国市場で堅調な動きとなっていることから、やや一服となる可能性も考えられるが、こちらもアジア市場の株価次第だろう。また、米国市場の引け後にイエレンFRB議長が講演で年内の利上げの可能性を示唆したことから、ドルは朝方から堅調な動きとなっている。そして、米国市場では、重要な経済指標の発表が予定されており、イエレン議長の発言により、結果には一層の注目が集まるだろう。
9/25の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 |
2Q GDP(前期比年率)
一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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3.7% | 3.7% |
前回発表された改定値は、速報値から上方修正されたものの、確定値は改定値から横ばいが予想されている。ただ、3%台後半を維持できれば、米国経済は第1四半期の落ち込みからの改善が証明されることになるだろう。また、個人消費の数字にも注目したい。 | |||
23:00 |
9月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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86.5 | 85.7 |
前回は、2014年9月以来の低水準となり、下げ幅では2012年以降で最大となった。やはり、中国経済に対する懸念を背景とした世界的な株価下落が消費者マインドを低下させている。しかし、やや影響は薄れており、確定値では速報値からの改善が予想されている。ただ、安定的とされる90台への改善は難しいだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲を上抜けており、ここから堅調な展開が続くのかどうか注目したい。目先の上値のポイントはトレンドライン近辺だが、再び雲を下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。一方、オシレーターのMACDでは、両線がクロスし、乖離幅が拡大している。先行するラインはゼロラインを上抜けており、ここから遅行するラインもゼロラインを上抜けて一段の上昇を示唆する形となるのか、それともここから先行するラインが失速するのか注目したい。特に、両線の乖離幅が縮小する場合には、流れが変わる可能性もあることから注意したい。