前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、前日の米国での指標悪化を受けて利上げ時期の後退観測が広がっていることが意識されており、やや上値の重い動きとなった。その後、欧州の金融当局者の発言を受けてユーロ売り・円買いが優勢となり、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。米国市場では、雇用関連や物価関連の指標が良好な結果となったことから、ドルが主要通貨に対して上昇する動きとなった。その後は、堅調な株価動向を背景に、ドル円・クロス円は終盤まで堅調な展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が上昇し、東京市場は序盤、堅調に推移していたが、欧州当局者の発言を受けてユーロ売り・円買いが強まり、ドル/円も軟調な動きとなった。
(2)米国市場では、米雇用関連と物価関連の指標が堅調な結果となり、ドル買いが優勢となった。しかし、製造業関連の指標が悪化したことなどから一時軟調な動きとなった。
(3)終盤まで米主要株価の堅調な展開が続いたことから円が売られ、ドル/円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、新規材料に乏しいことから、やや小動きの展開も考えられる。ただ、週末であることから、本邦企業による外貨取引の動きも予想されることから、仲値近辺の動きには注目したい。また、前日に欧州金融当局者の発言(インフレ率低下に関する発言)を受けて、ユーロが主要通貨に対して大きく下落する動きとなったことから、特に本日発表されるユーロ圏の消費者物価指数の結果には注目したい。また、米国市場でも主要な経済指標の発表が予定されており、こちらの結果にも注目したい。
10/16の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 |
8月JOLT労働調査[求人件数]
米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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560.0万件 | 575.3万件 |
前回は、件数ベースで過去最高を記録し、増加幅は2010年4月以来で最大となり、雇用増加の下地ができていることが確認された。今回は8月の統計であり、やや求人や雇用が減少する時期の統計発表である。そして、8月の雇用統計では、雇用者数の伸びが減少しており、今回の市場予想は低下が予想されている。 | |||
23:00 |
10月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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89.0 | 87.2 |
前回は、昨年10月以来の水準まで低下した。9月は株価の下落傾向が続いたことから、消費者マインドも低下したが、10月はここまで株価も上昇傾向となっていることなどから、前月からの改善が予想されている。ただ、このところ米経済の鈍化を示す指標結果も出ていることから、消費者マインドがどこまで改善しているのか不透明な面もある。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/ドルは、1時間足ベースで一目均衡表の雲を下抜けており、上昇トレンドの終了を示唆する形となっている。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅の縮小が続いており、目先両線がクロスするようなら、一旦値を戻す展開も考えられる。上値のポイントは、一目均衡表の雲下限や上限ラインと考えられる。そして、雲近辺で上値が抑えられ、再び下げに転じる場合には、5波動目の下げとなり、持ち合いレンジを下抜ける場合には、下げが加速する可能性が考えられることから、注目しておきたい。