前営業日トピックス
東京市場では、序盤に発表された日本のGDP改定値が改善したことから、日銀の追加金融緩和への期待がやや後退し、円買いが先行した。また、中国の貿易収支が悪化したことで中国経済に対する不透明感が高まり、株価が下げ幅を拡大する動きとなったことから、比較的リスクの低い通貨とされる円を買う動きが優勢となった。海外市場序盤では、値を戻す場面もあったが、欧米の株価下落を受けて、引き続き円買いが優勢となり、ドル/円は一段の下げとなった。ただ米国の利上げ期待も根強く、122円台ではドルを買い戻す動きも見られた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本のGDP改定値が改善し、日銀の追加金融緩和への期待が後退したことから円買い戻しが先行した。また、中国の貿易収支が予想を下回ったことが影響し、株価が下げ幅を拡大する動きとなったことも円買いを後押しした。
(2)海外市場では、欧米の株価が下落したことが影響して、ドル/円は軟調な動きとなった。
(3)依然として米国の利上げ期待も根強く、122円台では買いも入り、一時123円台まで値を戻したものの、上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の機械受注や中国の物価関連の経済指標の発表が予定されており、前日同様に株価や為替市場に影響を与える可能性もあることから、結果には注目したい。一方、米国市場では、主要な経済指標の発表がないことや、FOMCを控えたブラック・アウト期間(政策決定会合のメンバーが、金融政策に関する発言を禁止されている期間)入りしていることから、材料に乏しく、やや限定的な動きが予想される。ただ、エネルギー価格や株価の動きに影響を受ける可能性もあることから注意したい。
12/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
10月卸売在庫(前月比)
製造業、卸売業、小売業の各業種の在庫状況を表す指標であり、各業種別に耐久財と非耐久財に分けて発表される。
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0.2% | 0.5% |
前回は、市場予想を上回り、2ヵ月連続の伸びとなり、改善が続いている。今回はその反動でやや伸び幅の低下が予想されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、下落後やや値を戻す動きとなっており、ここから戻りが継続するのか注目したい。オシレーターのMACDは、両線クロス後、上向きとなっている。ここから乖離幅が拡大する動きとなれば、一段の上昇も考えられる。また、重要なレジスタンスライン(逆ヘッド&ショルダーズ)、一目均衡表の基準線を上抜けるようなら期待も高まるだろう。
気まぐれ投資コラム
フィボナッチ・アーク
※出所:FX総合分析チャート
※出所:FX総合分析チャート
フィボナッチ・アークは、フィボナッチ・リトレースメントに時間的な概念を取り入れたもので、弧(アーク)を描いているのが特徴である。ポイントの見方は、フィボナッチ・リトレースメントと同じ。