前営業日トピックス
東京市場では、米国の利上げペースが緩やかになるとの思惑や、日本の当局による円売り介入は困難との見方を背景に、ドル売り・円買いが続いており、序盤からドル/円は軟調な動きとなった。また、日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、機関投資家のドル売りなどの動きも影響し、ドル/円は108円台前半まで下落した。海外市場ではやや値を戻す動きが見られたものの、米国市場では再びドル売り・円買いが優勢となり、一時107.67まで下落し、2014年10月27日以来の安値を付ける動きとなった。ただ、下落が続いた反動もあり、終盤には値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)菅官房長官が、109円台前半までドル安・円高が進んでいることについて、「一方向に偏った動きが見られている」と指摘し、「場合によっては必要な措置をとる」と発言したものの、反応は限定的となった。また、仲値付近では実需筋などのドル売り・円買いも見られた。
(2)日経平均株価が下落に転じたことや、日本当局による円売り介入は困難との見方などもあり、ドル/円は下落が続いた。機関投資家の保有資産に対するヘッジ比率の引き上げのためのドル売りとの思惑も、ドル/円の下落を後押しした。
(3)米経済指標は予想以上に改善したものの、反応は限定的となった。米国は早期の利上げに慎重との見方が根強く、日米の金利差は広がらないとの思惑からドル売り・円買いが優勢となり、ドル/円は107.67まで下落した。
(4)下落が続いた反動もあり、終盤にかけては反発する動きとなった。
本日のトピックス
今週のドル円・クロス円は、週明けから軟調な動きが続いたことから、週末はやや一服となる可能性も考えられる。本日は、日本やユーロ圏主要国の主要な経済指標の発表が予定されていることから、結果には注目したい。ただ、一服感が強まる場合には、反応は限定的となる可能性も考えられる。また、米国市場では、主要な経済指標の発表が無いことから、やや方向性に欠ける動きとなる可能性も考えられる。ただ、株価や原油価格が予想以上に大きく動く場合には、為替市場にも影響がでる可能性もあるだろう。
4/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
2月卸売在庫(前月比)
製造業、卸売業、小売業の各業種の在庫状況を表す指標であり、各業種別に耐久財と非耐久財に分けて発表される。
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-0.2% | 0.3% |
前回は、4ヵ月ぶりのプラスとなり、昨年8月以来の大きな伸びとなった。今回は、その反動で再びマイナスが予想されている。また、同時に発表される卸売売上高は、ここまで4ヵ月連続でマイナスが続いているが、こちらは今回プラスが予想されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、82円台から83円台でのもみ合いレンジを下抜けて一段の下落となった。下ヒゲを出してやや値を戻す動きとなっているが、ここから一段の上昇となるのか、再び下落に転じるのか見極めたい。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしているが、ここから両線の乖離幅が拡大となれば、値を戻す展開が続く可能性も考えられる。その場合には、一目均衡表の基準線近辺までを目標にしたいが、両線の乖離幅が縮小し始める場合には転換に注意したい。また、先行するラインが下向きとなる場合には、サポートを下抜けるのか注目したい。ここを下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も想定しておきたい