前営業日トピックス
東京市場では、新規材料が乏しい中、序盤は小動きの展開となった。そして、日経平均株価が堅調な展開で始まったものの、マイナス圏に下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きも見られた。しかし、その後は上げ幅を拡大する動きとなったことや、実需のドル買い・円売りを受けて、堅調な動きとなった。午後には、反落する場面もあったが、堅調な欧州株の動きなどもあり、引き続き堅調な動きとなった。米国市場では、経済指標がまちまちの結果となったが、FOMCを控えて反応は限定的。そして、FOMCで追加利上げの見送りが発表されたことや、スタッフ見通しで今年のGDPが下方修正されたことなどを受けて、円買いが優勢となった。その後は、下げ一巡となり、値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が堅調な動きとなったことや、五十日(ごとおび)の実需なドル買いフローも散見され、仲値公示にかけてドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後も株価が上げ幅を拡大したことが押し上げ要因となった。
(2)午後には、株価の伸びが一服したことから、反落する場面もあったが、欧州の株高などが支援材料となった。また、稲田政調会長が、英国のEU離脱の是非を問う国民投票を注視するとともに、為替市場が急激に変動した場合は、政府に対応を求める考えを示したものの、反応は限定的だった。
(3)米国のNY連銀指数、生産者物価指数が比較的堅調な結果となったものの、その後に発表された米鉱工業生産、設備稼働率が悪化したことから、やや上値の重い動きとなった。ただ、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードも強く、反応は限定的。むしろポジション調整の動きで円買いとなった。FOMCでは、追加利上げが見送られたことや、年内の利上げ回数を1回と予測するメンバーが前回の1人から6人に増えたことなどを受けて、ドル売りが優勢となり、ドル/円は105.44円まで下落し、2014年10月以来の安値を付けた。
(4)下げ一巡後は、値頃感の買い戻しの動きなどもあり、106円台まで上昇した。
本日のトピックス
東京市場では、前日のFOMCの影響が改めて材料視される可能性も考えられるが、日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えていることもあり、様子見ムードが強まる可能性も考えられる。午後の政策発表と黒田総裁の会見での発言に注目したい。米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているものの、イベント終了後(FOMC、日銀会合)であることから、やや限定的な動きも考えられる。しかし、改めて景気動向を占う意味で注目される可能性もあることから、結果には注意したい。特に、予想と乖離する結果となる場合には、予想以上の動きが出る可能性もある。
6/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
5月消費者物価指数(前月比)
消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
|
0.3% | 0.4% |
前回は、市場予想を上回り、3年ぶりの大幅な伸びとなった。エネルギー価格の上昇などの影響が押し上げ要因となり、金融当局の目標に一段と近づいている。予想以上の伸びが維持されれば、比較的順調といえるが、それ以下となるとやや不安も出てくるだろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
6月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
|
1.0 | -1.8 |
前回は、市場予想を下回り、2ヵ月連続のマイナスとなった。今回は、3ヵ月ぶりのプラスが予想されており、また前日発表されたNY連銀指数が予想外の大幅改善となったことから、当該指標の結果にも期待感が高まる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、2014年10月以来の安値を付けた後、一旦値を戻す動きとなったものの、一目均衡表の雲下限近辺で上値の重い動きが続いている。目先は、雲を上抜けて一段の上昇となるのか、再び下落するのかを見極めたい。