前営業日トピックス
東京市場では、英国の格下げが相次いだことや、日経平均株価が序盤から大きく下落したことを受けて、リスク回避の円買いが優勢となった。ただ、その後は下げ一服となり、株価がプラス圏まで上昇したことなどから、値を戻す動きとなった。また、欧州株が軒並み大きく上昇したことも材料視され、円売りの流れが続いた。米国市場では、米GDPや消費者信頼感指数が予想を上回る結果となったことや、欧米の株価が堅調な動きとなったことを受けて、ドル/円も堅調な動きとなり、クロス円も底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)英国の格下げが相次いだことに加え、ルー米財務長官が「単独の為替介入は市場を不安定にさせる恐れがある」との発言等が嫌気され、ギャップダウンして始まった。また、日経平均株価が300円以上の下落となったことも影響し、円買いが優勢となった。
(2)日経平均株価がプラス圏まで値を戻したことや、政府の大規模な補正予算、日銀の追加金融緩和観測を背景に円売り・ドル買いとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)欧州主要株価が軒並み堅調な動きとなったことや、浜田内閣官房参与が単独介入の余地に言及したことなどを受けて、堅調な動きが続いた。
(4)米GDPや、消費者信頼感指数が市場予想を上回る結果となったことや、欧米の株価が大きく上昇したことを受けて、円売りが続いた。
本日のトピックス
前日の海外市場では、株価が軒並み堅調な動きとなり、東京市場でも株価の上昇が期待される。また、引き続き、政府の大規模な補正予算や日銀の追加金融緩和観測などもあり、円売りの動きが続く可能性も考えられる。また、月末の実需の動きも活発となる可能性もあり、仲値公示や東京市場の引け間際の動きには注目したい。ただ、英国や欧州の先行き不安が払拭したわけではないことから、再び懸念が高まるようなら、円買いの動きに転換する可能性も想定しておきたい。米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、市場予想はいずれも前月からの悪化が予想されている。しかし内容は想定内であることから限定的な動きが予想されるが、一応注意しておきたい。また、株価や原油価格の動きにも注目したい。
6/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月個人支出(前月比)
1ヶ月間に、耐久財(自動車や家電製品など)や、非耐久財(食品や衣料など)、サービス支出(外食・旅行など)において、実際に個人が消費支出した金額について集計した経済指標。
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0.4% | 1.0% |
前回は、市場予想を上回る結果となり、2009年8月以来の高水準となった。やや先行き不安から支出が抑えられていたが、米株価が昨年7月以来の高水準まで上昇するなど、明るい要因が押し上げに寄与した。今回はその反動や、株価の反落が影響する可能性もあるだろう。 | ||||
23:00 | 米国 |
5月中古住宅販売仮契約(前月比)
全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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-1.1% | 5.1% |
前回は、市場予想に反して大きく上昇し、2010年10月以来の高水準となった。季節的な要因に加えて、4月は株価が約9ヵ月ぶりの高値を付ける動きとなったことが影響した。また、米国のローン金利の上昇が予想されていたことも、契約を急がせる要因となった。今回は、反動から4ヵ月ぶりのマイナスが予想されている。一時的な反動なら影響はないが、次回以降の結果がより注目されるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲上限ライン近辺で上値の重い動きが続いており、ここを上抜けてレジスタンスの103.24の上抜けをトライするのか、ここから軟調な動きとなるのか注目したい。雲上限ラインを上抜ければ、103.24が次のポイントとなり、ここも上抜ければ一段の上昇も考えられる。ただ、オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、ここから両線が下向く場合には軟調な動きとなる可能性も考えられる。その場合、サポートの102.20、雲下限ラインを下抜ける場合には、重要なサポートの101.39を目指す動きも考えられる。