前営業日トピックス
東京市場では、英国のEU離脱の悪影響が欧州経済に波及するとの懸念が引き続き材料視され、比較的安全とされる円が買われる動きとなった。また、日経平均株価が下落に転じたことも影響した。そして、円買いの動きが一巡したことや、政府・日銀幹部による会合が8日に開かれるとの報道を受けて値を戻す動きも見られた。ただ、その後は円買いの動きが強まり、再び100円台を付ける動きとなった。海外市場では、欧州主要株価が堅調な動きとなったことや、米経済指標が堅調な内容となったことを受けて、堅調な動きが続いた。ただ、終盤にかけては、堅調な展開で始まった米株価がマイナス圏まで下落したことや、米債利回りが低下したことから、円買いが優勢となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けから下落が続いた反動も一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。そして、引き続き英国のEU離脱問題が欧州経済に影響を及ぼすとの懸念から、比較的安全な資産とされる円を買う動きとなった。また、日経平均株価が下落したことも円買いを後押しした。
(2)下げ一巡後は値を戻す動きとなり、また政府、日銀幹部による会合が8日に開かれるとの報道も円売りの要因となった。ただ、午後には、再び円買いが優勢となった。
(3)欧州主要株価が堅調な動きとなったことから、円売りの動きが優勢となった。また、値頃感の買い戻しも入った。米雇用関連の経済指標がいずれも市場予想より良い内容となったことを受けて、ドル買いとなった。
(4)株価が上げ幅を縮小し、マイナス圏まで下落する動きとなったことや、上昇していた米国債券利回りが低下したことを受けて、ドル売り・円買いとなった。また、米石油在庫統計の発表を受けて、原油価格が48ドル台から44ドル台まで下落したことも影響し、クロス円も軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の経済指標の発表も予定されているが、反応は限定的だろう。そして、米国の雇用統計の発表を控えて、様子見ムードから限定的な動きも予想される。ただ、英国のEU離脱問題に対する懸念も燻っていることから、注意も必要だろう。米雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)の伸びが前回予想外の悪化となったが、今回どこまで改善するのか注目が集まっている。すでに年内の利上げ観測も後退していることから、結果を受けてすぐに利上げ期待が高まるとも思えず、予想通りの改善となった場合でも、前回の下げ幅分を回復するには至らないだろう。
7/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月失業率
労働力人口に占める失業者の割合で16歳以上の男女が調査対象。失業中の場合、就業が可能な状態か、過去4週間以内に求職活動を行ったかどうかで失業者かどうか判断される
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4.8% | 4.7% |
前回は、予想外の改善となり、2007年11月以来8年6ヵ月ぶりの低水準となった。今回は、反動でやや悪化が予想されている。ただ、5.0%を下回り、完全雇用が意識されていることもあり、この水準での変動は相場への影響は直接は無いだろう。再び5%台に戻るようなことがあれば、ある程度の反応はあるだろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
6月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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18.0万人 | 3.8万人 |
前回は、市場予想を大きく下回る結果となり、2010年9月以来5年8ヵ月ぶりの低い伸びとなった。一部大手企業のストライキが影響したが、今回はその反動で伸び幅が改善すると予想されている。前回は、ドル/円で2円以上の下落となったことから、予想通りの結果となった場合、どこまで値を戻すのかも注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲下限近辺で上値の重い動きが続いている。現状では、100.19からの上昇途中の小休止持ち合いと見ることもできる。現状の5波動目か7波動目での上抜けに注目したい。そして、レンジ上限を上抜けて、雲上限ライン、レジスタンスの101.46を上抜ける動きとなるようなら、一段の上昇も考えられる。その場合、上値目標の計算値は101.86と計算できる。