前営業日トピックス
東京市場では、前日のFOMCの声明を受けて、米国の早期利上げ期待が高まらなかったことでドル売りとなった流れを引き継ぎ、序盤からドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、日経平均株価が下落したことも円買いを後押しした。そして、日本政府の経済対策の規模に関する報道があったが、予想の範囲内との見方から、上昇は一時的だった。海外市場では、新規材料に乏しい中、週末の日銀の金融政策発表を控えて様子見ムードも強まっており、序盤からもみ合いの展開が続いた。午後には株価が下げ幅を縮小し、プラス圏まで上昇する動きとなったこともあり、ドル円クロス円は終盤に上昇する動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米FOMCで9月利上げへのヒントが示されなかったことを背景にドル売りが続いており、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。また、下落して始まった日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったことも円買いを後押しした。
(2)特に目立った材料はなかったものの、104円台での値頃感の買い戻しの動きが優勢となった。
(3)戻し一服後は、再び円買いの動きが優勢となった。午後に入り、経済対策の「真水」7兆円との報道を受けて上昇する場面もあったが、市場の予想の範囲内との見方から、円売りは一時的となった。また、日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったこともあり、一段の下落となった。
(4)海外市場では、FOMC後であることや、29日の日銀金融政策発表を控えて様子見ムードも強まりつつあり、限定的な動きが続いた。ただ、終盤には株価上昇や、もみ合いレンジを上抜けたことから円売りが入り、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、序盤から主要な日本の経済指標の発表が続くものの、午後の日銀の金融政策決定会合の結果を控えて限定的な動きが予想される。金融政策発表では、エコノミストの約8割近くが追加緩和を予想しており、中身がポイントとなるだろう。特に、日銀の金融政策決定会合を前に政府が経済対策の概要を公表したことは、日銀に対する牽制の意味合いもあるとの見方もある。追加緩和がマーケットの予想されているのと同程度の内容であれば、一時的に円売りとなるものの、出尽くし感が強まる可能性もあるだろう。海外市場では、日米の金融政策を振り返り、思惑が交錯する可能性もあるが、週末であることや、来週の雇用統計を控えて、限定的な動きが予想される。ただ、欧州の銀行のストレステストの結果や、原油、株式市場での週末のポジション調整の動きには注目したい。また、FOMC明けで複数の米当局者の発言機会もあることから、発言の内容にも注目したい。
7/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2Q GDP(前期比年率)
一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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2.6% | 1.1% |
前回は、市場予想を若干上回る結果となった。今回は、第2四半期の統計となり、当初から改善が期待されている。予想通りの結果となるようなら、1年ぶりの高水準となり、ドル買いの材料にされる可能性もあるだろう。 | ||||
23:00 | 米国 |
7月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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90.2 | 89.5 |
前回は、市場予想を下回る結果となり、4月以来の低水準となった。また、市場予想は4ヵ月連続で下回っている。今回は、前回からの改善が見込まれているが、予想を下回る結果となる場合には、ネガティブな反応となる可能性も想定しておきたい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、日足ベースでは、一目均衡表の雲近辺で上値の重い動きとなっている。目先は、雲を上抜けるかどうかが注目されている。方向性を示すとされる基準線は、横ばいが続いており、週明けに一段の上昇となる。このことから、本日までは上値の重い動きも考えられる。週明けに完全に上抜けとなるのか注目したい。また、オシレーターのMACDでは、両線がクロス間近となっており、クロスとなれば目先軟調な動きも考えられる。基準線は、週明け上向きとなるが、その後は10日間横ばいが続き、その上昇が続くことから、目先ドル円が下落する場合の反転の日柄はこの辺りか。