前営業日トピックス
前週末の海外市場で大きく下落した反動が続いており、序盤は比較的堅調だった。しかし、日経平均株価が軟調な動きとなったことや、米国の消費関連の経済指標が低調だったことで、米国の早期利上げ観測が後退し、日米間の金利差は広がらないとの見方が改めて意識され、円買い・ドル売りが優勢となった。海外市場では、米製造業関連の経済指標が予想外の悪化となったものの、反応は限定的となった。ただ、NYダウ平均株価が最高値を更新するなど、株価が序盤から堅調な動きとなったことから、円売りが優勢となった。ただ、午後は限定的な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)下落して始まった日経平均株価が下げ幅を縮小し、プラス圏まで値を戻したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。日本のGDPが予想を下回る結果となったものの、反応は限定的だった。また、五十日(ごとおび)ということもあり、仲値公示にかけて輸入企業のドル買い・円売りが観測されたが、夏季休暇をとっている企業も多く、相場を動かすほどではなかった。
(2)日経平均株価が一時プラス圏まで戻したものの、その後は再び軟調な動きとなったことを受けて、円買いが優勢となった。また、堅調な展開で始まった欧州主要株価が上げ幅を縮小する動きとなったことも影響した。
(3)NY連銀指数が予想外の悪化となったものの、反応は限定的、また、米NAHB住宅市場指数は予想通り堅調な結果となったものの、こちらも限定的な反応だった。ただ、米株価が堅調な動きとなり、小動きながら、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、本日までお盆休みという企業も多く、実需のオーダーも出難いうえ、日本の主要な経済指標の発表もないことから、引き続き限定的な動きが予想される。ただ、新規材料に乏しいことから、株価の動きには敏感に反応する可能性も考えられる。また、市場参加者が少ないことから、動きが出る場合には、想定以上の動きとなる可能性にも注意したい。米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、米国の追加利上げ時期に対する思惑や、月末のイエレンFRB議長の講演内容に注目が集まっており、それを左右する可能性もあるだけに、結果には注目したい。
8/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.0% | 0.2% |
前回は、市場予想を下回る結果となったものの、前月から横ばいとなった。今回は、横ばいが予想されているが、7月は原油価格の下落が続いていたこともあり、予想以上の低下の可能性も想定しておきたい。ただ、コア指数が堅調さを維持すれば、相場への影響は限定的だろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
7月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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118.0万件 | 118.9万件 |
前回は、市場予想を上回り、2月以来の高水準となった。今回は、前回から若干低下が予想されているものの、引き続き堅調な水準が維持される予想となっている。ただ、先行指数の建設許可の伸びがやや低下していたことから、予想以上の低下も想定しておきたい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/円は、雲下限ラインでの動きが続いているが、雲に近づいている。ここから雲を上抜ける動きとなるのか、雲下限ラインに沿ってやや軟調な動きとなるのか注目したい。雲を上抜ける動きとなる様なら一段の上昇も期待できる。MACDでは、両線上向きだが、乖離幅はやや縮小傾向であり、ここからクロスするようなら一段の下げとなる可能性もあることから注目したい。