前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、ドル円は序盤、やや軟調な動きも見られた。しかし、日経平均株価が堅調な展開で始まったことから反発する場面もあった。仲値公示近辺では、実需関連のドル売り・円買いもあり、上値の重い動きが続いた。その後は、米国の利上げ期待を背景に、ドルは比較的堅調な動きが続いた。欧州市場では、株価下落もあり、軟調な動きが見られたものの、米雇用関連の経済指標が半年ぶりの水準に改善したことから、ドルは堅調な動きとなり、9月5日以来の104円台まで上昇した。その後は米雇用統計を控えて様子見ムードも強まった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が堅調な展開で始まったことを受けて、ドル円・クロス円は序盤に堅調な動きとなった。その後は、輸出企業のドル売り・円買いや、短期筋の利益確定売りが観測され、ドル/円は下押しした。
(2)新規材料に乏しい中、米国の年内利上げ期待の高まりなどが材料視され、ドル買い・円売りの動きから、ドル円・クロス円は小動きながら堅調な動きが続いた。
(3)米雇用関連の経済指標が、4月以来約6ヵ月ぶりに改善したことを好感して、ドル買い・円売りが優勢となった。また、原油価格の上昇や、米債券利回りの上昇も材料視され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の景気関連の経済指標の発表が予定されているものの、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まる可能性も考えられ、限定的な動きも予想される。ただ、国内では、3連休を控えていることもあり、実需関連のポジション調整の動きなどにも注意したい。そして、米雇用統計は、12月のFOMCまではあと3回もあることから、注目度はやや低いと見られていたが、今週のISM製造業・非製造業指数の改善や、昨日の失業保険申請の好調な結果を受けて、米国の利上げ期待が高まってきたこともあり、ドル/円は104円台まで上昇するなど、期待感を反映した動きとなっている。そのため、雇用統計の結果が予想を上回る場合は、ここまで織り込まれている分の差引も考慮してやや限定的と考えられる。ただ、予想を下回り、懸念される水準となる場合には、織り込まれている分下振れが大きくなる可能性も考えられることから、注意も必要だろう。
10/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
9月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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17.2万人 | 15.1万人 |
今週発表された米ISM非製造業景況指数、新規失業保険申請件数が予想以上に改善したことを受けて、雇用統計の結果に対する期待も高まっている。特に注目される非農業部門雇用者数では、予想を上回る場合よりも、下回る結果となった場合に反応がより大きいと予想されることから、結果には注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円の日足では、一目均衡表の雲を完全(雲にヒゲもかからない)に上抜けて、12月24日以来続いた雲下側での動きが終了した。ここから堅調な動きも期待されるが、注目すべき方向性を示す基準線が、9月21日に下向き(横ばい含む)から上向きに転じ、今週明けから横ばいが続いているが、本日引けまでに104.31を上抜けない場合、週明けに下向きに転じることから注目したい。また、オシレーターでは、短期指標のストキャスティクスがクロス間近であり、クロスすれば一旦軟調の動きとなる可能性も考えられる。そして、MACDでの両線の乖離幅が縮小傾向も加わる場合には、下振れの可能性が高まる可能性も想定しておきたい。ただ、104.31を上抜ける場合には、上値目標の計算値である104.85を目指す可能性も考えられる。