前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しく、実需のフローもなく薄商いの中、日経平均株価が大きく下落したことや、米長期金利が低下したことを受けて、ドル売り・円買いの動きが続いた。その後、下落して始まった欧州主要株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、値を戻す動きとなった。しかし、米国市場では、再び円買いの動きが優勢となり、小動きながらドル円・クロス円は軟調な動きとなった。終盤には、米債利回りが上昇したことを受けて、円が売られる動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の流れを引き継ぎ、年末を控えたポジション調整の動きなどから、円買い・ドル売りが先行した。前回の日銀金融政策決定会合における主な意見が公表されたが、相場の反応は限定的だった。また、日経平均株価が大きく下落したことも円買い・ドル売りを後押しした。
(2)米10年債利回りは2.50%を割り込み、2.46%台まで低下したことや、欧州主要株価が下落して始まったことから一段の円買いとなった。
(3)材料に乏しい中、欧州主要株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、円を売る動きとなった。
(4)米国市場に入ると、上値の重い動きとなった。市場参加者も少ないことから、米経済指標の発表にも反応が薄かった。ただ、米長期金利が低下したことで日米の金利差縮小が意識されたことから、小幅ながらドル売り・円買いの動きが続いた。終盤には、債券利回りが上昇に転じ、ドル円・クロス円は反発となった。
本日のトピックス
東京市場では、引き続き新規材料に欠しい上、薄商いが予想されることから、限定的な動きが考えられる。ただ、日経平均株価や米債券利回りの動きに影響を受ける可能性もあることから株価などの動きには注目したい。そして、海外市場でも市場参加者が少ないことから、小動きの展開が予想される。序盤には、株価などの動きを受けて動く可能性があるものの、午後には狭いレンジの動きとなる可能性が考えられる。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、高値を付けた後に上値の重いもみ合いの展開が続いている。そして、一目均衡表の転換線を下抜けており、もみ合いのレンジ下限となる116.557を完全に下抜ける場合には、軟調な動きが続く可能性も考えられる。その場合、次のポイントとなる116.130、114.763がポイントとなるだろう。そして、オシレーターのMACDでは、両線のクロス後、乖離幅が拡大傾向であることから、拡大傾向が続く場合には下げ継続となる可能性も考えられる。当面はゼロポイント近辺まで先行するラインが低下するのか、乖離幅が縮小するまで軟調な展開が続く可能性も考えられることから、ラインの動きに注目したい。上値のポイントは、レジスタンスの117.822となる。
気まぐれ投資コラム
米大統領選の翌年のドル/円相場は?
今年の米大統領選では、大方の予想に反してドナルド・トランプ氏が次期大統領に決定しました。開票時には、トランプ氏有利との報道を受けて一時ドルは大きく下落する場面もありましたが、その後はトランプ次期大統領が掲げた経済政策に期待したドル買いが続いています。
米大統領選挙の翌年のドル/円の動きには特徴があり、年始のレートより、年末のレートの方が高い傾向があります。1989年以降で見てみると、7回中6回が年始よりも年末のレートが高くなっています。また、1月に安値を付けるケースが7回中4回、一方12月に高値を付けるケースが7回中5回あることから、2017年のドル/円の動きに注目です。
また、2017年1月20日にトランプ大統領の就任式が予定されており、大統領選後からのドル高が維持されるのか、または一旦失速してしまうのかにも注目が集まっています。
※出所:Bloombergのデータを元に作成