前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、トランプ氏の会見に対する期待感を背景に、ドル買い・円売りが優勢となった。ただ、118円台では、上値の重い動きが続いたことや、米債券利回りが低下したことも影響し、ドル売り・円買いが優勢となった。米国市場では、主要な経済指標の発表がないものの、FOMC議事録公開を控えて序盤から調整の動きも見られた。FOMC議事録では、緩やかなペースの利上げが示唆されたものの、利上げペースが加速する可能性も指摘されたことで、一時的な下落後に上昇する動きとなった。ただ、上値は限定的であった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)年明けの日経平均株価が序盤300円以上の上昇となったことに加え、トランプ次期米大統領が1月11日に記者会見を開くと告知したことで、新たな政策に対する期待感も出てドル買い・円売りが優勢となった。その後、上値の重い動きが見られたものの、午後には日経平均株価が450円以上の上昇となったことから再び堅調な動きとなった。
(2)118円台では上値の重い動きが続いたことや、欧州主要株価が上値の重い動きとなったことで、欧州勢がドル売り・円買いを先行させたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)前日に約2週間ぶりのドル高となったことや、FOMC議事録公開を控えていたことで、ポジション調整の円買い・ドル売りが優勢となった。
(4)FOMC議事録で、緩やかなペースでの利上げが適切との認識が改めて示されたことからドルが下落する場面もあった。ただ、インフレ高進を防ぐために利上げペースを速めざるを得なくなる可能性もあるとも指摘されたことなどを受けて、ドルは上昇する場面もあった。
本日のトピックス
東京市場では、前日に大きく上昇した日経平均株価の動きに注目したい。引き続き堅調な動きとなる場合には、円売りとなる可能性も考えられる。ただ、前日同様に、118円台では上値の重い動きとなる可能性もあり、また週末の米雇用統計を控えていることから、118円台に乗せて上昇が続く可能性は低いと考えられる。米国市場では、ダウ平均株価が20000ドルに近づいており、東京や欧州の主要株価が堅調な動きとなる場合には連れ高となり、大台乗せとなる可能性も期待される。また、序盤にはADP雇用統計の発表が予定されており、週末の雇用統計を予想する上で重要視されていることから、こちらの結果にも注目したい。
1/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:15 | 米国 |
12月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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17.5万人 | 21.6万人 |
前回は、市場予想を上回り、6月以来の高水準となった。今回は、前回からの低い伸びが予想されているものの、サービス業などが年末商戦の雇用増となっている可能性もあり、一部には期待する向きもある。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ユーロ/ドルは、一目均衡表の雲の中での動きが続いており、雲上限近辺で上値の重い動きとなっている。目先は、雲を上抜けて一段の上昇となるのか、ここから上値の重い動きが続くのか見極めたい。雲上限ラインを上抜けた場合には、年明けのギャップ埋めとなる1.0515がポイントとなり、ここを上抜けて上昇する場合には、1.0592が次のポイントとなる。一方、下値はサポートの1.0452がポイントとなり、その下は雲下限ラインとなる。雲下限を下抜けるようなら、一段の下げも想定しておきたい。
気まぐれ投資コラム
年3回の利上げペースを裏付ける結果が出るのか?
前回の米雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回る結果となったことや、賃金の伸びが前月比でマイナスとなったことが嫌気され、ドル売りとなりました。ただ、失業率が2007年8月以来の低水準に改善したことや、12月のFOMCでの利上げには影響しないとの見方から反発するなど、乱高下する動きもありました。ただ、12月の利上げがほぼ確実視されていたことから、ドル相場への影響はそれほど大きくありませんでした。
そして、12月のFOMCでは予想通りの利上げが決定され、今後は利上げのペースがポイントとなります。FOMCメンバーの2017年末の政策金利見通しは1.375%となり、9月時点の1.125%から上昇しており、利上げは9月時点の年2回から3回が見込まれています。今年の米雇用統計では、FOMCで示された3回の利上げ予想を裏付けるような結果が示されるのかが注目のポイントとなりそうです。
今回の雇用統計では、事前に発表された米消費者信頼感指数が2001年8月以来、GDPが2014年9月以来、ISM製造業指数が2014年12月以来の高水準となるなど、経済指標の改善も目立っており、米経済に対する先行き期待も膨らんでいます。その中での雇用統計の発表となることから、期待感も高まっています。
注目度の高い非農業部門雇用者数の市場予想は+18.0万人ですが、年末商戦に絡む雇用増への期待も一部では出ており、3ヵ月ぶりに+20万人を予想する向きもあります。また、前回、平均時給の前月比が10ヵ月ぶりのマイナスとなりましたが、低下が一時的なのかどうか(市場予想は+0.3%)にも注目です。
※出所:SBILM作成