前営業日トピックス
東京市場では、先週末の流れを引き継ぎ、ドル売り・円買いが先行した。そして、日経平均株価が大きく下落したことや、欧州主要株価が下落したことも影響し、投資家のリスク回避の動きが優勢となった。その後は、113円台前半で底固い動きが続いた。そして、米国市場では、トランプ米大統領が大規模減税や規制緩和を示唆したことを受けて、ドル買いとなった。しかし、米国の保護主義政策への警戒感から、リスク回避の動きが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)先週末のトランプ氏の大統領就任演説から新しい材料もないことから、調整的なドル売りが続いている。ドル/円は113.20を下抜けたことで、ストップロスを巻き込み一段の下落となった。
(2)仲値公示にかけて、輸入企業のドル買い・円売りが入るものの、価格を押し上げるほど活発ではなく、また株価下落も影響して上値の重い動きが続いた。特に、短期筋を中心にポジション調整の売りが出ている。また、日経平均が終盤大きく下落したことも影響した。
(3)113円台前半では、値頃感の買い戻しが入ったことや、大きく下落して始まった欧州主要株価が下げ幅を縮小したことなどから、底固い動きが続いた。
(4)トランプ米大統領が、ビジネスリーダーとの朝食会で、大規模な減税を実行すると発言したことや、規制はビジネスを阻害するものであり、規制の75%は削減することが可能と発言したことを受けて、ドルが買われる動きとなった。しかし、トランプ米大統領の保護主義政策への警戒感から円買い・ドル売りが優勢となり、また世界経済の先行き不透明感からリスク回避の動きが強まったことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、トランプ米大統領の保護主義による世界経済の先行き不透明感から、リスク回避の動きが強まっており、東京市場でも前日の海外市場の流れが続く可能性が考えられる。その中で、日経平均株価が、24日からの銘柄入れ替えに絡む動きから、前日終盤に下落したが、本日は入れ替え完了で堅調な動きも予想される。株価が大きく上昇となれば、円買いの動きも抑えられる可能性もあるだろう。ただ、株価の下落が続くようなら、一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。
海外市場では、トルコ、南アフリカの政策金利発表、米国の住宅関連の経済指標の発表が予定されている。トルコのエルドアン大統領や政府高官は、成長支援に向け利下げが必要だとの見方を常に示していたが、直近の発言では何も言わなかったことから、トルコ中銀は利上げを決定するとの見方が出ており、一部では大幅な利上げを予想する向きもあることから注目したい。
1/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
12月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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550万件 | 561万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、2007年2月以来の高水準となった。住宅ローン金利の上昇があるものの、トランプ大統領の減税を期待する向きもあり、当分底固い結果が続く可能性も考えられる。今回は、前回からの減少が予想されているものの、大幅な減少は予想されていない。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲を下抜け、一段の下落となった。そして、先週に付けた安値に面合わせとなっている。ただ、目先の下値のポイントであった112.75を下抜けていることから、下げ継続となる可能性も考えられる。112.75を下抜けたことによる下値目標の計算値は112.33となる。ここも下抜ける場合には、112.06、111.97、111.62がその下のポイントとなる。一方、上値のポイントは、窓埋めの113.02、その上は113.24となる。レジスタンスの113.24を上抜ける場合には、一段の上昇も考えられる。