前営業日トピックス
東京市場では、前日に米当局者が、年内あと2回程度の利上げが妥当との発言をしたことが引き続き材料視され、序盤のドル円・クロス円は堅調な動きとなった。仲値公示前後では、期末の実需のフローも散見され、売り・買いが交錯する動きが続いた。
ドル/円は、一時111.30台まで上昇したものの、その後は株価がやや軟調な動きとなったことや、米債券利回りの低下が続いたことから、ドル売り・円買いが優勢となった。
また、英国のEU離脱通告を受けて、今後の交渉の先行き不透明感からポンドを中心にやや軟調な動きとなった。米国市場では、緩やかながらドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。特に、原油価格の上昇を受けて、豪ドルなど資源国通貨が比較的堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)フィッシャーFRB副議長が、FOMC参加者の中心的な予想は、年内あと2回程度の利上げが妥当な線だと発言したことが引き続き材料視され、序盤からドル買いが先行した。ただ、英ポンドは、英国のEU離脱通知を控えて思惑が交錯したことから、主要通貨に対して急落した。また、スポ末(年度末決済のスポット末日)となるため、実需のフローが両サイドから出ており、方向感に欠ける動きが続いた。
(2)短期筋を中心にドル買いが優勢となる場面もあったが、日経平均株価が軟調な動きとなったことなども影響し、上値の重い動きが続いた。また、米債券利回りの低下も影響した。
(3)英国がEU離脱を正式にEUに通告したことを受けて、英ポンドが主要通貨に対して軟調な動きとなり、リスク回避の動きも意識され、ドル円・クロス円も下落する場面もあった。また、ECB当局者が政策メッセージを変えることに慎重になっているとの報道を受けて、ユーロも主要通貨に対して下落し、相対的に円が買われる動きとなった。
(4)石油の在庫統計を受けて原油価格が上昇したことが好感され、資源国通貨を中心に堅調な動きとなり、ドル円・クロス円についても小動きながら堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、主要な日本の経済指標の発表がないことや、英国のEU離脱の正式通告に対する動きも一服しており、やや限定的な動きが考えられる。また、昨日スポ末だったことから、実需のフローもほとんど見られないだろう。そのため、日経平均株価の動きに影響を受ける展開が考えられる。米国市場では、GDPなど、主要な経済指標の発表が予定されていることや、昨日に続いて複数の米当局者の発言が予定されているが、今年の利上げの回数に関する発言には敏感に反応していることから、特に注目したい。
3/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4Q GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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2.0% | 1.9% |
前回(改定値)は、市場予想(2.1%)を下回る結果となったものの、速報値から変わらずの結果となった。今回は、再び2%台が予想されているが、3月時点のFOMCメンバーの今年のGDP予想が2.0%〜2.2%であることから、2%台の結果なら、米国景気の先行きにも期待感が出る可能性も考えられる。また、同時に発表される個人消費も、引き続き堅調な結果となるのか注目したい。 |