前営業日トピックス
東京市場では、日銀短観が改善したことなどを受けて、出口戦略が意識されたことから円買いが先行した。しかし、実需筋の新年度のドル買いフローが入り、仲値公示近辺までドル/円は堅調な動きとなった。その後は、日経平均株価が小動きながら堅調な動きとなったことも影響して、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
ただ、111円台後半では上値の重い動きとなったことに加え、4/6-7の米中首脳会談を控えて様子見ムードが強まったことも影響して上値の重い動きとなった。
海外市場では、ロシアで発生した地下鉄の爆発を受けて、テロの懸念からリスク回避の動きが強まったことや、欧米の株価が下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日銀短観では、大企業製造業の業況判断DIは2四半期連続改善、大企業非製造業の業況判断DIは6四半期ぶりの改善となり、出口戦略への思惑が意識された。しかし、実需筋のドル買いフローも観測され、仲値公示にかけてドルは堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、やや下げる動きが見られたものの、日経平均株価が底固い動きとなったことなどから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)欧州主要株価が軟調な動きとなったことや、米債券利回りが低下したことを受けて、上値の重い動きが続いた。また、ロシアでの地下鉄爆発を受けて、投資家がリスク回避姿勢を強めたことも影響した。
(4)ISM製造業景況指数など、米製造業関連の経済指標がさえない結果となったことから、米景気の先行きに対する楽観的な見方が後退しドル売りが優勢となった。また、ロシアの地下鉄での爆発の影響で、株価や債券利回りが低下したことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場でやや限定的な動きとなったことを受けて、限定的な動きが続く可能性が考えられる。米中の首脳会談や、米雇用統計を控えていることから、様子見ムードが強まる可能性も考えられる。
米国市場では、米国の貿易収支の発表が予定されているが、前月結果から赤字額の大幅縮小が予想されており、予想通りの結果ならドルの支援材料となる可能性もあるだろう。
また、米中首脳会談を控えていることから、対中赤字の結果(前回は対中赤字が+12.8%となった)には敏感に反応する可能性も考えられることから注目したい。
4/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-445億USD | -485億USD |
前回は、予想通りの赤字増加となり、赤字額は5年ぶりの高水準となった。今回は、前回の反動から赤字額が縮小すると予想されており、予想通りに赤字が縮小する場合には若干好感される可能性もあるだろう。また、米中首脳会談を控えていることから、対中赤字の結果にも注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
2月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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1.7% | 1.7% |
前回は、市場の予想と一致し、前月からの低下となった。輸送機器の伸び幅が低下したことが影響した。今回は、確定値の発表となり、大きな修正は少ないと予想され、マーケットの反応は限定的となる傾向だが、前回からの修正幅が大きくなる場合には、動きが出る可能性もあるだろう。 |