前営業日トピックス
東京市場のドル/円相場は、前日のトランプ大統領の「ドルは強くなりすぎている」などのドル高けん制発言を受けて、海外市場からドル売り・円買いが続いており、序盤に108.91円まで下落した。正午にかけてドルは108円台後半でのもみ合いとなる中、日経平均株価が200円以上下落したことが影響し、テクニカル的なサポートとされた200日移動平均線108.75円を割り込んで一時108.73円まで下落した。その後、日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことや、米国債利回りの低下が落ち着き若干上昇したことで、一時109.24円付近まで上昇したが、上値は重かった。
海外市場のドル/円は、イースター休暇を前に、積極的な売買が手控えられたため大きな方向感が出なかった。早い時間帯は米経済指標が予想を上回ったことや、米大手銀行の決算が好調だったこともあり、109円台に戻していた。
ただ、「米軍はアフガニスタンのトンネル施設に通常兵器としては最強の特殊爆弾を落とした」と伝わると、ダウ平均が一時100ドル超下落、投資家がリスク回避姿勢を強め、ドル売り・円買いが強まり108.96円付近まで下げた。その後は休暇前のポジション整理も入り、再び109円台を回復した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1) 日経平均株価が下げ幅を縮小したことや米国債利回りの低下が落ち着き、少し戻したことなどでドル買いが入り、一時109.24円まで上昇した。
(2) トランプ米大統領が米ロ関係について、好転する可能性があるとツイート
「米国とロシアの関係は良好になる。適切な時期にすべての関係者が冷静になり、持続的な平和が訪れる」
(3) 米国、アフガニスタンのトンネル施設を攻撃、ターゲットはIS−米中央軍
(4) イースター休暇を前に、積極的な売買が手控えられ大きな方向感は出なかった。
本日のトピックス
昨日はトランプ米大統領が「ドルは高過ぎる」と発言したことで、ドル/円は東京市場で一時108.73円まで下落し、昨年11月17日以来の安値を付けた。今後、トランプ米大統領の言動を中心に、シリアや北朝鮮を巡る地政学的リスクが依然として意識され、米国のシリアや北朝鮮問題を通して対峙するロシアと中国との関係にマーケットの関心は向かうだろう。
ただし、今月に入ってドル/円は3円超下落しており、今日から欧米市場はイースター休暇に入るため、目先の短期ポジションの調整が入る可能性があり、揺り戻しの動きには注意しておきたい。
4/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
3月 小売売上高(前月比) |
-0.2% | 0.1% |
米2月の小売売上高は前月比+0.1%と市場予想(同+0.4%)を下回ったものの、6ヵ月連続で増加した。今回、市場予想は同-0.2%と増加ペースが止まると予想されている。先週発表された米3月自動車販売台数が年率1653万台(2月:同1747万台)と前月比-5.3%となったことで、昨秋以降の米金利上昇の影響が耐久財の消費を下押しし始めた可能性も懸念されている。 | ||||
21:30 | 米国 |
3月 消費者物価指数 (前月比) |
0.0% | 0.1% |
2月の米消費者物価指数は前月比0.1%上昇し、市場予想の前月比0.0%を上回った。前年比では2.7%だったが、エネルギーと食品を除くコア指数は2.2%、エネルギー価格の上昇が0.5%ポイント貢献している。指数の30%強を占める家賃を除くコア・コアは1.3%と、家賃上昇の効果が0.9%ポイントで、賃金上昇の効果は現在のところそれほど大きいものではない。 基調としては物価上昇率が落ち着いているのに、インフレの加速が懸念されるのは、失業率の低下にみられる労働需給の逼迫が予想されているためである。 |