前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、序盤のドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、国内や海外の金融政策発表を控えて、様子見ムードも強まり、上値は限定的となった。
そして、日銀の金融政策決定会合では、政策の現状維持が発表され、黒田総裁の会見では目新しい内容がなく予想通りの結果となったことから、小動きの展開が続いた。
一方、ECB理事会では、政策の現状維持が決定されたが、ドラギ総裁の発言を受けて乱高下する動きとなった。また、欧米の株価や原油価格が下落したこと、米債券利回りの低下も加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。そして、米株価が再びプラス圏まで上昇したことなどもあり、その後はやや値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国市場の軟調な流れが一服し、序盤から堅調な動きとなった。また、米10年債利回りの上昇を受けてドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)仲値公示近辺までは堅調な動きが続いたものの、日経平均株価が軟調な動きとなったことなどもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。日銀の金融政策決定会合では、7対2で政策の現状維持が決定され、景気判断は9年ぶりに「拡大」との表現が盛り込まれたものの、反応は限定的となった。
(3)新規材料に乏しい中、米債利回りが上昇したことを受けて、ドルは小動きながら堅調な動きとなった。一方、ECB理事会では、政策金利の据え置きが決定されたが、ドラギECB総裁が定例会見で「経済への下振れリスクはさらに後退した」と発言したことを好感してユーロは上昇した。
(4)その後、ドラギECB総裁が、出口戦略、フォワードガイダンスの変更に関して議論しなかったと明らかにしたことを受けて、一転してユーロ売りが加速し、ドル円やその他のクロス円も連れ安となった。先週フランス大統領選挙の第1回投票の結果を受けて、ECBが6月の理事会でフォワードガイダンスの変更を検討しているとの関係筋の話が報じられ、期待感が高まっていたことから、失望売りが加速した。
本日のトピックス
東京市場では、海外市場でのユーロの失望売りもやや一服しており、週末で日本の大型連休を控えていることから、実需のフローも少ないことが予想されるため、引き続き限定的な動きが考えられる。ただ、日本の雇用統計など経済指標の発表も予定されていることから、一応結果には注目したい。また、北朝鮮情勢に対する懸念も依然として高く、関連する要人発言も続いていることから、注意したい。
海外市場では、欧米の主要な経済指標の発表も予定されており、結果を受けた動きも予想される。また、米国のヘルスケア法案の採決の可能性があることや、トランプ米大統領の就任100日目を29日に迎えることもあり、想定外の発言などにも注意を払いたい。
4/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
1Q GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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1.0% | 2.1% |
昨年の第4四半期は、速報値、改定値がともに1.9%となったが、確報値で2.1%と上方修正され2%台を維持した。市場予想では、前期から低下が予想されているものの、民間の経営者調査では、楽観的な見方も出ていることから、市場予想からの上振れも考えられる。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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98.0 | 98.0 |
前回は、市場の予想通りの結果となり、1月以来の高水準となった。現況指数が2000年11月以来の高水準となったことが押し上げ要因となった。今回も横ばい予想だが、引き続き高水準を維持すると予想されている。特に、現況指数の結果にも注目したい。 |