前営業日トピックス
東京市場では、米国の政治的不安感を背景に、ドル売り・円買いが先行した。ただ、日経平均株価が序盤から底固い動きとなったことや、値頃感の買い戻しなどもあり、堅調な動きとなった。午後には、株価が軟調な動きとなり、終盤に下げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、主要な経済指標が予想を下回る結果となり、引き続き上値の重い動きとなったものの、原油価格が上昇したことや、米国債利回りの上昇などを受けて、ストップも巻き込み急上昇となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ大統領が情報当局者にロシアとの共謀を否定するよう依頼したとの米紙報道を手掛かりに、ドル売り・円買いが先行し下落した。英国での爆発事件もセンチメントに影響した。
(2)日経平均株価が小動きながら底固い動きとなったことや、110円台での実需の買いフローも散見され、仲値公示にかけてやや上昇となった。ただ、その後は日経平均株価がマイナス圏に下落し、終盤に下げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。また、トランプ米政権の2018年度予算教書の概要が伝えられたが、市場では目ぼしいものはなく、財政黒字化については現実的ではないとの見方もあり、為替市場への影響は限定的となった。
(3)欧州主要株価が堅調な展開で始まったことや、ドイツ製造業PMIが市場予想を上回ったことを好感して、ユーロ買い・円売りが優勢となった。また、前日の独首相がユーロは弱過ぎると発言したことも再び材料視された。ユーロ/ドルは、昨年11/9以来の高値を付けた。
(4)米経済指標が市場予想を下回る結果となったことから、上値の重い動きとなった。ただ、その後は米国債利回りの上昇、原油価格の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、米ホワイトハウスが、トランプ陣営とロシア共謀の証拠は特定できないとしたことから、トランプ政権に対する懸念がやや後退したとの見方もドルを押し上げ、ドルは主要通貨に対して上昇となった。
本日のトピックス
東京市場では、海外市場で堅調な動きとなった流れを受けて、底固い動きが続くのか注目したい。また、日本の景気関連の経済指標の発表が予定されており、株価の動きとともに注目したい。
米国市場では、住宅関連の経済指標や、前回5月2-3日のFOMC議事録の公開が予定されている。議事録では、今後の利上げ時期を巡る新たなヒントがあるのか注目したい。また、米国の石油の在庫統計が予定されており、マーケットでは原油在庫の減少が見込まれていることから、結果を受けて原油価格が上昇するのかに注目したい。
5/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
4月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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565万件 | 571万件 |
前回は、市場予想を上回り、2007年2月以来の高水準となった。今回は、前回からの低下が予想されているが、前日発表された新築住宅販売が予想以上の低下となったこともあり、予想以上の減少も一部では懸念されている。堅調な伸びに対する一時的な反動であれば、大きな影響は考えにくい。ただ、次回以降低下が続くようなら、影響が大きくなる可能性があるだろう。 |