前営業日トピックス
東京市場では、序盤から小動きの展開となったものの、ポンドは英国総選挙の世論調査の結果が材料視され、軟調な動きとなった。その後、下落して始まった日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことや、実需のドル買い・円売りなども入り、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、午後からは再び株価が軟調な動きとなったことや、欧州の政治的先行き不安を背景に、欧州勢が円買いを先行させたこともあり、上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み市場予想を下回る結果となったことを受けて、ドルは軟調な動きとなった。また、原油や株価下落が影響し、クロス円も軟調な動きとなった。その後は、米雇用統計の発表などを控えて限定的な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しい中、序盤は小動きの展開が続いた。ただ、英ポンドは来週の英総選挙で、メイ首相率いる保守党が過半数議席を確保できない可能性があるとの報道を受けて、改めて売られた。ドル円は仲値公示にかけて小幅高となった。
(2)下落して始まった日経平均株価が下げ幅の大半を縮小する動きとなったことや、米長期金利が反発したことで、海外短期筋を中心とするドル買い・米国債売りで、円が売られる動きとなった。
(3)午後に株価が再び軟調な動きとなったことや、米雇用統計など重要指標を週末に控える中で様子見ムードも出ていた。一方、欧州市場では、英保守党の議席が過半数を維持できない可能性が指摘され、ポンドが急落となり、これを受けてリスク回避が意識され、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
(4)米経済指標が市場予想を下回る結果となったことや、株価が下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、シカゴ購買部協会景気指数の結果が市場予想を上回る結果に訂正されたことを受けて、値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、目立った材料もなく、引き続き株価の動きに影響を受ける可能性も考えられる。また、月初めであり、実需の動きが活発化する可能性もあり、特に仲値公示近辺や値頃感の高まる水準では注意したい。
また、欧州の政治的不透明感も根強く、英国総選挙の世論調査の結果発表などがある場合には、ポンドが先導して動く可能性もあるだろう。
米国市場では、序盤から米国の雇用関連の経済指標など、週末の米雇用統計を見る上で重要な経済指標の発表が続くことから、結果を受けて思惑が交錯する可能性も考えられる。
6/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:15 | 米国 |
5月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
|
+18.0万人 | +17.7万人 |
前回は、市場予想を上回ったものの、3月の結果(+25.5万人)からは伸び幅が縮小した。サービス関連は3年ぶりの大幅な伸びとなったものの、製造業の伸びが鈍化したことが影響した。このところの製造業関連の経済指標の悪化が目立っていることもあり、再び影響が出るとの懸念も指摘されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
5月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。 50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。 |
54.6 | 54.8 |
前回は市場予想を下回り、4ヵ月ぶりの低水準となった。新規受注や雇用など、大半の関連指数が低迷となった。引き続き製造業関連の経済指標の悪化も目立っていることから、影響が出るとの見方もある。今回は、前回から若干の低下が予想されているが、特に前回大幅な落ち込みとなった雇用指数の結果にも注目したい。 |