前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったことや、米国債利回りの上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。そして、日銀が金融政策の現状維持を決定したが、反応は限定的となった。また、総裁の会見でも出口戦略についても具体的な言及はなかった。その後は、日米金利差拡大が意識され、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は一時6/2以来の高値を付ける動きとなった。ただ、米経済指標が軒並み予想を下回る結果となったことや、米国債利回りが低下したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が上昇して始まったことや、米長期金利の上昇を背景に、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えていることもあり、目立った実需のフローも見られず、仲値公示にかけてはやや上値の重い動きとなった。そして、日銀は、金融政策の現状維持を賛成多数で決めた。足元の景気判断は「緩やかな拡大に転じつつある」に据え置く一方、海外経済と個人消費の判断を上方修正した。発表直後は売り買いが交錯する場面もあったが、今回の会合に対する期待は大きくなかったことから、限定的な動きとなった。
(3)黒田日銀総裁は、金融緩和政策の出口戦略について具体的に言及しなかったことを受けて、円が売られる場面もあった。その後は、日欧の金融政策の方向性の違いが意識されたことや、積み上がっていた円買いポジションが巻き戻しの動きとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)米経済指標が軒並み市場予想を下回る結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落となった。また、米国債利回りの低下を受けて、ドル売り・円買いとなり、クロス円も軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、序盤に日本の主要な経済指標の発表が予定されているものの、先週後半の各国の重要イベントが終了したことや、週末にドル円・クロス円が高値から下落したことから、値動きはやや一服する可能性が考えられる。
米国市場では、主要な米経済指標の発表が予定されていないものの、当局者(FOMC投票権保有者)の発言が予定されていることから、発言内容に注目したい。ブラックアウト期間明けで、今週は米当局者の発言が連日予定されており、特に金融政策に関する発言が多くなることから、発言内容には注目したい。