前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が堅調な展開で始まったことや、五十日(ごとおび)で実需のドル買い・円売りフローが出たこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、新規材料に乏しいことや、株価がレンジ内の動きが続いたことなども影響し、上値の重い動きが続いた。
その後、欧州主要株価が堅調な展開で始まったことや、欧米の国債利回りが上昇したことを受けて、円が売られる動きとなり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。
米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、イエレンFRB議長の議会証言を控えていることもあり、様子見ムードが強まり、限定的な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)先週末の米雇用統計では、強弱まちまちの結果となったことから、東京市場での影響は限定的となった。そして、日経平均株価が上昇して始まったことや、商業決済の集中しやすい五十日(ごとおび)にあたり、本邦企業のドル買い・円売りフローが仲値公示にかけて見られたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、日本の経済指標や黒田日銀総裁の発言への反応は限定的だった。
(2)日経平均株価がレンジ内の動きが続いたことや、新規材料に乏しい中、ドル円・クロス円も小動きの展開が続いた。その後、欧州主要株価が堅調な動きとなったことなどから、円売りが強まり、ユーロ/円は2016年2月8日以来、ドル/円は5月11日以来の高値を付ける動きとなった。
(3)高値を警戒する動きなどから、円買い戻しの動きも見られたことや、欧米の国債利回りが低下したことが影響し、上値の重い動きとなった。
(4)米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、12-13日に予定されているイエレンFRB議長による議会証言に注目が移っており、様子見ムードから狭いレンジ内の動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表もないことから、株式市場や長期金利の動きに左右される可能性が考えられる。ただ、昨日ドル/円は5月以来、ユーロ/円は昨年2月以来の高値を付ける動きとなったことで、やや高値を警戒する見方も出始めていることから、上値の重い動きも考えられる。
米国市場では、雇用関連の経済指標の発表が予定されているものの、大きな変化は予想されておらず、比較的反応は限定的だろう。特に、マーケットの注目が12日のイエレンFRB議長の議会証言に移っており、様子見ムードが強まりつつあることが影響し、昨日同様の展開も予想される。
7/11の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
5月JOLT労働調査[求人件数]
JOLT労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
|
595.0万件 | 604.4万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、過去最高に増加したことで、労働者に対する需要が引き続き強いことが示された。今回は、前回からの低下が予想されているが、引き続き高水準を維持する予想となっていることから、大きな影響は考え難い。 |