東京市場では、米FOMC議事録がハト派的と受け止められたことなどを受けて、海外市場からドル売り・円買いが続いており、この流れを受けて序盤からドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、日経平均株価が下落したことも影響した。その後は、値頃感の買い戻しなども入り、底固い動きとなった。ただ、ユーロはさえない指標結果などもあり、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が予想より良い内容となったことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。ただ、コーン米NEC委員長辞任の噂を受けてドルが下落したが、その後否定されたことを受けて反発となる場面もあった。その後、株価が大きく下落したことや、米国債利回りの低下を受けて円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）トランプ米大統領の助言組織解散や、米FOMC議事録でインフレ鈍化懸念が示されたことなどを背景にドル売りとなった流れを引き継ぎ、序盤から軟調な動きとなった。また、日本の貿易黒字が市場予想を上回ったことも影響し、円が買われる動きが続いた。

（2）国内企業が夏季休暇を終え、徐々にマーケットに戻ってきており、仲値公示近辺にかけて輸入企業のドル買いが出たものの、仲値公示通過後は買いが続かず下落した。また、日経平均株価が軟調な動きとなったことも影響した。

（3）午後にかけて株価が下げ幅を縮小する動きとなったことや、109円台では値頃感の買い戻しの動きが見られたことから、ドル/円は堅調な動きとなった。ただ、ユーロ圏の消費者物価指数が前月比でマイナスとなったことや、ECB議事録要旨で当局者がユーロ高のリスクに懸念を示したことが明らかとなり、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなった。

（4）米新規失業保険申請件数やフィラデルフィア連銀景況指数が予想より良好な結果となったことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。その後、コーン米NEC委員長辞任の噂が流れたことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。

（5）ホワイトハウス当局者が、コーン委員長辞任の噂を否定したことを受けて反発する場面もあった。しかし、米政権の先行き不安も根強く、大型減税などの早期実現の可能性が後退したとの見方から、株価が大幅下落となるなど、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。

東京市場では、主要な日本の経済指標の発表もなく、本邦企業の動きが本格化するのは来週からと考えられることから、やや限定的な動きが考えられる。ただ、前日の米国市場では、米政権の先行き不透明感を背景に、株価が大きく下落したことから、日経平均株価への影響も注目される。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているものの、引き続き米政権の先行き不透明感や、北朝鮮情勢を巡る思惑が材料視される可能性もあり、ややリスク回避の動きが意識される展開もあるだろう。

時間	国・地域	経済指標・イベント	予想	前回
23:00	米国	8月ミシガン大学消費者信頼感指数 ミシガン大学消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数（現在）、期待指数（将来）など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス･ボード（CB）が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。	94.0	93.4
		前回は、市場予想を上回る結果となったものの、2ヵ月連続低下し、9ヵ月ぶりの低水準となった。今回は、やや改善が予想されているが、このところの米経済指標の悪化や政治的不透明感もあり、米国の景気や家計に対する見通しが改善するのか不透明感もある。