前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、株価が下落に転じ、下げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。その後は、新規材料に乏しい中、もみ合いの動きが続いた。
そして、米国債利回りが上昇したことで、ドル買い・円売りとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、米国市場では主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しい中、株価が上値の重い動きとなったことや、トランプ米政権の先行き不透明感も根強く、ドルは上値の重い動きが続いた。終盤には株価や、米国債利回りが下げ幅を縮小する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなったものの、その後株価が下落に転じ、下げ幅を拡大する動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円も一転して下落となった。一方、先週末のジャクソンホールでの講演でドラギECB総裁がユーロ高に懸念を示さなかったことでユーロ買いが続いており、ユーロ/ドルは2015年1月以来の高値を付け、ユーロ/円は一時130.71まで上昇し、8/8以来の高値を付けた。
(2)仲値公示にかけては実需の売買が交錯したことや、株価がさえない動きが続いたことで、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。また、トランプ米大統領が選挙運動を展開していた2015年終わりから2016年初め頃にかけて、ロシアで不動産プロジェクトを進めようとしていたと米紙が報じたことを受けて、ドル売り・円買いとなる場面もあった。
(3)下落して始まった欧州主要株価が下げ幅を縮小する動きとなったことを好感して、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、米国の主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しい中、米国債利回りが上昇したことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)米国のハリケーン「ハービー」による米経済への影響が懸念され、株価が下落に転じたことを受けて、ドルはやや上値の重い動きが続いた。一方、ユーロはドラギECB総裁がユーロ高に懸念を示さなかったことが引き続き材料視され、底固い動きが続いた。終盤には、値頃感のドル/円の買いなどから、円が売られる動きとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、朝方北朝鮮がミサイルを発射したことを受けて、円買いとなった。特に、日本の上空を通過したことから、リスク回避の動きが意識された。序盤に日本の雇用統計の発表が予定されているが、反応は限定的だろう。そして、株価に影響が出るようなら、為替市場も影響を受ける可能性が考えられる。円買いの流れが落ち着く場合には、値を戻す動きも考えられるが、北朝鮮は来月(9/9)の建国記念日に向けて挑発行動を継続するとの見方もあり、上値は限定的だろう。
米国では、ジャクソンホール後の注目は今週末の米雇用統計であり、それまではやや方向性に欠ける動きが続く可能性も考えられる。また、明日30日にトランプ米大統領が税制改革について演説する予定であり、内容を見極めたいとの見方も多く、様子見ムードが強まる可能性も考えられる。ただ、ハリケーン「ハービー」が米南部テキサス州に大きな被害をもたらしたことで、米経済への影響に対する懸念も出ており、ドルは上値の重い動きが考えられる。
8/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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121.0 | 121.1 |
前回は、市場予想を上回り、3月以来4ヵ月ぶりの高水準となった。現況指数と期待指数がともに上昇したことが影響し、特に現況指数は16年ぶりの高水準となった。今回は、前回とほぼ同水準の維持が予想されており、引き続き景気拡大が続くとの楽観的な見方が維持されると見られている。ただ、3ヵ月連続で上昇している現況指数が反動で低下する場合には、予想を下回る可能性も想定しておきたい。 |