前営業日トピックス
東京市場は新規材料に乏しい中、小動きの展開で始まった。そして、日経平均株価が上昇して始まったものの、米国債利回りが低下したことから、ドル売り・円買いが優勢となった。午後に入り、株価が下落に転じ、一時マイナス圏まで下落する動きとなったことや、欧州主要株価が軟調な動きとなったことも影響し、ドル円・クロス円も軟調な動きが続いた。
米国市場では、雇用関連の経済指標が市場予想と一致し、予想以上の悪化となるとの一部懸念が払拭されたことや、サービス業関連の経済指標が予想を大きく上回る結果となったことを受けて、年内の米国の追加利上げが意識され、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が上昇して始まったものの、為替スワップ経由のドル調達コストが2009年2月2日以来8年8ヵ月ぶりの高水準となったことを受けて、米国債利回りが低下となり、ドル売り・円買いが優勢となった。
(2)日経平均株価が2015年8月15日以来の高値を付ける動きとなったことから、円が売られる場面もあったが、その後株価が一時マイナス圏まで下落したことや、米国債利回りが一段の低下となったことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
(3)9月のADP雇用統計では、市場予想通りの結果となり、予想以上に悪化するとの一部の懸念が払拭されたことや、米国債利回りの上昇もドルの押し上げ要因となった。その後に発表されたISM非製造業景況指数が市場予想を大きく上回り、2005年8月以来12年1ヵ月ぶりの高水準となったことを受けて、年内の米利上げ観測が強まり、ドルは堅調な動きとなった。また、米国債利回りも一段の上昇となり、円売りが優勢となったことから、クロス円も堅調な動きとなった。
(4)上昇一巡後は、週末の米雇用統計を控えたポジション調整なども入り、また米国債利回りが低下したことから、ドル円・クロス円は終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表がないことや、米雇用統計の発表が近づいていることから、様子見ムードが強まりつつあり、やや限定的な動きが考えられる。ただ、前日の海外市場で発表されたADP雇用統計がまずまずの結果となったことや、ISM非製造業景況指数が市場予想を大きく上回る結果となったことで、現時点では週末の米雇用統計に対してやや楽観的な見方も出ていることから、底固い動きも考えられる。
米国市場では、雇用関連の2つの経済指標や貿易収支の発表が予定されており、結果が注目される。米雇用関連の経済指標が堅調な結果となるようなら、週末の雇用統計に対する楽観的な見方や、年内の利上げ期待が高まる可能性もあり、その場合にはドルの押し上げ要因となる可能性もあるだろう。また、複数の米当局者の発言が予定されていることから、発言の内容にも注目したい。
10/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月貿易収支
米貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-427億USD | -437億USD |
前回は、赤字額が市場予想を下回る結果となった。自動車などの輸出が減少したものの、エネルギーや航空機の輸出増が影響した。今回は、前回からの改善が予想されており、予想通りなら、1年ぶりの赤字額の縮小となる。ただ、米雇用統計に注目が集まっていることから、反応はやや限定的だろう。 |