前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から堅調な動きとなった。そして、日経平均株価が上昇して始まったことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。その後、株価が上げ幅を縮小したことや、北朝鮮情勢に対する懸念も加わり、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、米GDP改定値が上方修正されたことや、イエレンFRB議長が金融の安定が崩れるリスクは大きくないとの見方を示したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、上昇一巡後は、税制改革法案の採決を控えて様子見ムードも出ており、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)昨日の海外市場終盤の流れを受けて、序盤から堅調な動きとなった。ただ、日経平均株価が堅調な展開で始まったものの、上げ幅を縮小したことを受けて、上値の重い動きとなった。また、仲値公示近辺では、特に目立ったフローもなかった。
(2)北朝鮮が正午に発表を行うとの報道を受けて、その内容に関する思惑が交錯し、警戒感からリスク回避が意識され、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。その後は値を戻したものの、北朝鮮情勢の緊張などもあり、上値の重い動きが続いた。そして、欧州勢も序盤から円買い・ドル売りで参入したことも影響した。
(3)米国債利回りが上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。そして、米7-9月期GDP改定値が上方修正されたことに加え、イエレンFRB議長が米経済は力強さを増したとの認識を示し、追加利上げの継続が適切との見解を示したことを受けてドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)上昇一服後は、米上院での税制改革法案の採決を翌日に控えていることから、様子見ムードも強まった。また、ダウ平均株価が最高値更新後、やや上値の重い動きとなったことや、米国債利回りも伸び悩む展開となったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、午前と午後に日本の主要な経済指標や、中国の経済指標の発表が予定されており、結果には注目したい。また、ユーロ圏やドイツ、フランスの経済指標の発表も予定されており、結果が相場を動かす要因となる可能性も考えられる。
米国市場でも主要な経済指標の発表が予定されているが、米議会上院本会議で行われる税制改革法案の採決が予定されており、注目が高まっている。そして、上院予算委員会で法案が承認された際、反対の可能性があるとされていた共和党議員が賛成に回ったことで、本会議での採決に楽観的な見方も出ている。承認されるようなら、ドルの押し上げ要因となる可能性が考えられる。また、OPECと非加盟国の会合で原油の協調減産の延長が決定されるかどうかも注目されており、結果を受けて原油相場に動きが出る可能性が考えられる。
11/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
10月米個人消費支出(PCE)
1ヵ月間に、耐久財(自動車や家電製品など)や、非耐久財(食品や衣料など)、サービス支出(外食・旅行など)において、実際に個人が消費支出した金額について集計した経済指標。
|
0.3% | 1.0% |
前回は、市場予想を上回り、伸び幅は2009年8月以来の大きさとなり、特にハリケーン後で自動車の購入が膨らんだことが押し上げ要因となった。今回は、前回の反動でやや伸び幅の低下が予想されているが、予想通りの結果ならほぼ平均的な伸び幅に戻ることから、大きな影響はないだろう。 | ||||
23:45 | 米国 |
11月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
|
63.0 | 66.2 |
前回は、市場予想を上回り、2011年3月以来の高水準となった。特に、生産が2014年8月以来、1974年2月以来の高水準をつけたことが影響した。今回は、前回の反動で低下が予想されているものの、企業活動の縮小を見込む企業が少ないとの調査もあり、大きな影響は出にくいだろう。 |